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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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死に戻りのハンターは 冷徹ボスになった弟に執着される(ペーパーその2)


最近よくあるタイトルにしようとしたら予想以上に気持ち悪いことになりました。




気がつくと枯れかけた草の間に倒れていた。空は曇っていて薄暗い。顔の周りの草が、風が吹くたびに乾いた音を立てている。
なんでこんなところにいるんだろう。
ディーンはぼんやりと雲が動いていくのを見ていた。
 最後の記憶は、ぼろい家の中でヴァンパイアと戦って大けがをしたところまでだ。というか、あれは確実に死んだと思ったのだが。
「サム?」 
 一緒にいたはずの弟の名前を呼んでみた。しばらく待つが返事はない。
起き上がって草を払う。周りを見回すがやっぱり誰もいない。延々と草原が続いている。
「ここ、どこだ?」
頭がぼんやりとして、はっきりしないが、とりあえずサムを探すことにする。
なぜだか、どの方向に行けばいいかはわかっていた。
「サムの店」は一見ただのバーだが、そう思って来る客はまずいない。たまに知らずに入る客にも店の雰囲気ですぐわかるのだろう、あっという間に出ていく。
客は人間とそれ以外がごちゃまぜだ。毎日毎晩、照明の暗い客席でひそひそ話をしたりバカ騒ぎをしたり、いちゃついたりしている。みんな一応人間の姿はしているが、時々違うものがちらっとみえたりもする。
従業員はみんな訳アリだ。もちろん自分もそうだ。子供のころから色々変なものが見えていて、自分の頭が変なんじゃないかと悩んでいたが、ここの中では当たり前の光景だった。ほっとした一方で、客席の連中が怖くて最初の頃はびびりまくっていたが、だんだん見慣れたのと、何かあってもオーナーががっちり締めているので大丈夫だということがわかってきて、最近ではいい職場だと思っている。
オーナーのサムは、無口でいつも眉間に縦ジワ寄せた五十代くらいのおっさんだ。どの客もパパ・サムには一目置いていた。
昔は幽霊退治をするハンターだったらしい。客相手に怒ったときに目の色が黒や赤になったり、羽みたいな影がうっすら見えたりするので、天国系か地獄系か別のかはよくわからなかった。だけど飯も食うし寝るし髭も伸びるし、最近は腰も痛いとか言ってるのは人間っぽい。子供の頃は学校にも行って、サッカーも好きでって感じの普通の人間だったけど、一緒に仕事をしていた兄弟が死んだ後にだんだん変わったのだという。
「まあ、元から色々変わってたけどな」
そう言うのは、昔のオーナーを知っている、というバーテンダーだ。
「そうなんだ?」
「ただの人間は身内が死んだってああはならんだろ」
「やっぱり」
髭面のバーテンダーが話すのに頷いていると、不意にインカムから声がする。
「無駄口叩いてないで仕事しろベニー」
思わずひっと飛び上がるが、バーテンは
「了解ボス」
と平気な顔で返していた。
店の中は客でいっぱいだし、マイクは切っているので、奥の部屋にいるオーナーにこんな雑談が聞こえるわけないんだけど、だけどどこからか見て聞いている。そういうのもここでは当たり前だった。
オーナーをあんまり怖がっていないバーテンダーのベニーは、一見気のいいおっさんだけど違うらしい。とりあえずグラスや酒瓶が持てるから幽霊じゃないのはわかってる。たまにちょっと歯が尖ってる気もしたけど、怖いので深く聞かないことにしていた。
店にはルールがあって、どんな奴でも、うちの店の中にいる間は揉め事禁止だ。たまに何かやらかす客がいても、あっという間に追い出されたり、店の奥に連れて行かれてそれきり出てこなかったりする。従業員としては安心だが、出てこない奴はどうなったのか考えると怖い。
「オーナーに会いたい」
という客は毎日いる。
安全な店内で色々話をしたいという客も多いけど、パパ・サムに変わったものを買ってほしいとか、情報が欲しいとか、助けてほしいとか、色々だ。だけどパパ・サムは奥の部屋でつまらなそうに本を読んでいることが多くて、奥まで行ける客はめったになかった。
大体いつも機嫌が悪そうなわりに、低め安定なオーナーだったが、たまーに猛烈に腹を立てる時がある。死んだ兄弟絡みでなにかあった時だ。わざわざ店に来て、サムの兄弟について悪口を言って盛り上がっていたグループは、騒いでる途中で奥に引っ張っていかれて、それきり見ない。聞くとこれまで、機嫌を取ろうとした奴が死んだ兄弟そっくりの人形を持って来た時と、兄弟の姿に変身した悪魔がからかいに来た時が最悪だったらしい。そういう時はやらかした相手はもちろんだが、その後何日もオーナーの機嫌が悪くて、その後に出勤した身としては本当に迷惑だった。
なのでその日、入り口の黒服からインカムに伝言が入った時にはげんなりした。
死んだサムの兄弟とそっくりな男が、店に来たというのだ。オーナーの機嫌が悪くなることは確実だ。
奥に入れることになったらしく、普段入り口から動かない黒服が問題の奴を先導してフロアを横切っていく。どんな奴だと思ってのぞいて、思わず二度見した。
「……あれ、人間?」
こそこそとカウンターの中に話しかけると、黒ひげのバーテンはちらりと目をやり、
「さあ、死んでるはずだからな」
 とだけ言う。
「そうだよなあ」
黒服に連れられて奥に向かったのは背が高くてやたらと顔がいいモデルのような男だった。幽霊とは違うが、なんだか気配が薄い。店の照明で髪やまつ毛がきらきらするので余計に現実味がなかった。それにしてもオーナーと全然似てない。
「似てなくねえ?」
「そうだな」
そう言うバーテンダーはどうも兄貴の方も知ってるらしい。酒瓶を拭きつつ、何となく気がめいったような顔をしていた。
サムの気配がする店についたので、入り口に立ってる黒服に「サムに会いたい」と伝えると、聖水だの銀のナイフだの色々試された後店の奥に連れていかれた。
「サム?」
でかい机に肘をついてこちらを見ているのは、弟なのはわかるのだが、なんだかやたらと暗いし目つきが悪い上に、髪もぼさぼさして疲れた感じでやさぐれている。
「おい、大丈夫かお前」
近づくと、ちょっと眉を下げて笑う。
「ディーン?」
「おう」
「また戻ってきちゃったのか」
「?よくわからん」
「……だよね」
近づくと手を伸ばしてきて、肩やら顔やらを軽く叩かれる。
「しっかり実体化してるねえ」
言いながらへにゃりと情けない顔になるので、こっちからも肩を叩いてやったら、急にぐいぐい抱きついてきた。
「なんだなんだ、どうしたサミー」
「……この歳でサミーはやめてくれ」
この歳か。でかい弟の背中を叩いていると、だんだん頭がはっきりしてきた。
「……なあサミー。俺はてっきり死んだと思ったんだが」
「そうだよ」
「何があった?」
「わからない」
「俺を戻したのはお前じゃないんだな?」
「違うよ」
肩に顔を押し付けながらくぐもった声でそう言われて、「そうか」と改めて室内を見回す。見回して気づいた。
「ところでなんだこの悪の中ボスみたいな部屋。お前趣味変わった?」
「うるさいな。仕事用だよ」
むっとしたように顔を上げたサムの顔を見て思わず叫ぶ。
「お前老けすぎ! 髪ぼっさぼさじゃねえか。白髪もあるし、ちゃんと食ってんのか」
「うるさいなあ!何年もたってんだからしょうがないだろ!」
怒鳴り返す弟のキーキー声を聞いているとますます現実感が出てくる。ふと視線を感じて振り返ると、さっきの黒服たちがドアの前で目をむいていた。
あの日以来、パパ・サムの横にはいつも兄弟そっくりの男がいるようになった。生き返ったのか、そっくりさんなのか、幽霊みたいなもんなのか、一切説明はない。
「気にしなくていい。みんな普通に仕事しろ」
パパ・サムがそう言ってにらむので、皆あれこれ聞けずにいたが、当のパパ・サムは気にしまくっていた。しょっちゅう出歩いては調べものに行き、パソコンを叩き、見たことのない道具を色々引っ張り出して、男相手に試している。
「願い事系のアイテムでもない、契約でもない……」
「なんだろうなあ」
「横から茶々を入れないでくれる?」
「いいじゃねえか。俺は当事者だぞ」
奥の部屋からは普段の50倍はボスの声がする。なんなら毎日わあわあ言っている。 今日などは扉を開けたタイミングで、
「カリカリすんなよサミーちゃん。はげるぞ」
という声が聞こえてきて、吹き出してしまったスタッフが、その後オーナーから呼ばれて死人のような顔になっていた。
今、「サムの店」のスタッフは皆、奥の部屋の声を聞かないよう笑わないよう必死になっている。
終わらない
ここまで書いて、死に戻りというのは時間も戻るんだっけか、と思いつきましたがもう遅い。
よくある漫画のようにするなら、サムが最初はディーンが本物と信じなくて、追い払おうとしたり殺そうとしたりして、その後本物とわかって態度急変っていう展開でしたね。

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