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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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お久しぶりね(酒場兄弟)

うっかり遊んでる間にあっという間に日が経ってしまいました。
ううう、数年の間に年は取るなあ。動きが鈍い。
まあ気を取り直して酒場兄弟小ネタ。



「ただいま」
数日出張仕事に行っていたサムが帰ってきたのは、店を開けて大分経ってからだった。店の中は例によってがやがやとむさ苦しい客で半分以上埋まっている。
「おう」
答えるディーンはカウンターの中で注文をさばきながらちょっと眉を上げる。視線を受けてサムは照れたように笑った。着ているのが少し前に弁護士業務用に仕立てたスーツとコートだったからだ。要はいつもの身分詐称用の既製品よりだいぶんモノがいい。
「どうだったんだ」
「かなり上手く行ったよ」
「そりゃ結構だ」
ディーンはにやりと笑い、それからがらりと口調を変えてぶっきらぼうに、
「さっさと着替えて来い。手が足りねえ」
と言うと二階に向かって顎をしゃくった。
サムはわざとらしくため息をつくと、
「300キロ車走らせて帰ってきたばかりなのにそれ?」
と言いながらカウンターの裏に回る。
「さぼりてえなら裏から入りゃよかったんだ。顔みせたのが運の尽きだ、ばーーーか」
二階に上がるサムの後姿に憎まれ口を叩いた後、ディーンが振り返ると、なぜか一斉に視線がそらされた。逸れるということは、今まで向いていたということだ。
「なんだよ、注文か?」
待ってる客がいるのかと見回すが、今度はなぜか一斉に話し声が大きくなったので、ディーンはまあいいかと溜まっていた洗い物を片付けることにした。


「いや、あいつらいつものことだけどな」
「わかっちゃいるけど露骨だ」
カウンターの中の店主をちらちらと見ながら、客達はひそひそ話す。
「サムの奴、仮にもお客様がずらりといるのに目もくれず、帰ってくるなり兄貴に向かって一直線だったな」
「ああ」
「兄貴の方もな」
「だな」
ぶっきらぼうなことを言っていても、でかい弟が入ってきた途端に声のトーンが上がったので、客の方が視線の向けどころに困ったのだ。
心なしかグラスを洗う動作もいきなり元気そうなのだが、店主本人は全く気付いていない。

ついでに言うとさっきの弟は新しいスーツ姿を見せたくて表から入ってきたようにしか見えなかった。だが、さすがに30過ぎた男相手にそれを言うのかと、ほとんどの客が思いつつ口にださないでおいたのだが、カウンター内でなんだかんだとじゃれ出したオーナー兄弟は間違いなく気づいていなかった。

終わる


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