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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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ノック17日目 ゾンビ兄

えーと、先日ゾンビ兄が好きと言って下さる方がいらしたので、今日はゾンビ兄でネタをひねりだします。今現在なにも思いつかないけど!

どうせひねりだすなら○○ネタにしたまえというお声大歓迎の今日このごろでございます。
とびとびノックせめて年内、いや、ムパラ前までがんばりたいなー。




ゾンビがディーンに懐いていた。

「サミー」
草むしりをしていたディーンがものすごく困った声で呼ぶので、どうしたのかと窓から外を覗いたサムは仰天した。
ぼろぼろの服を着た、顔が青白いいかにもゾンビなゾンビが、ディーンの背中におぶさるようにくっついている。

「どうしたのそいつ」
刺激しないように低い声で尋ねつつ、サムは素早く部屋の隅からショットガンを取り出した。
「レタスの手入れしてたら後ろっからおぶさってきやがった。…さすがに鼻が鈍りすぎてやべえな俺、全然気が付かなかったぜ」
ははは、とディーンが強張った顔で声だけ笑う。

仲間と思っているのか、くっつくばかりでディーンを食おうとする様子はないのが幸いだ。
「サミー」
頭を狙ってショットガンを構えるが、ディーンに身振りで注意されてサイレンサー付きの拳銃に持ちかえる。
ゾンビは音に敏感だ。他にもいたら銃声で寄ってくるかもしれない。

「ディーン、頭下げて」
そう言うと、ディーンは素直に頭を下に向ける。
シャツの襟から首の後ろが無防備に晒され、だがそこにまた擦り寄るようにゾンビが丸い頭を近づけるのを見て、サムはカッとした。
窓から離れて狙うのを止め外に出る。ずかずかと大股に、ディーンとゾンビに近づいた。
「サミー、馬鹿!」
ディーンがサムの動きに気付いて焦った声を出し、人間の匂いを嗅いだゾンビの動きが明らかに変わる。くっついていたディーンから手を離し、掴みかかろうとするようにサムの方に身体の向きを変えた。
どろりと濁った目と視線が合う。
「ありがとう、助かるよ」
サムは呟いて引き金を引いた。ぷしゅ、と軽い音と共にゾンビの額に穴が開く。どさりと倒れた死体に、ディーンが息をついた。
「Thanks」
「中に入って、ディーン」
ホッとしたように呟くディーンの手をとって家の中に戻る。
しばらくパソコンで周辺の情報を調べてみたが、幸いご近所にゾンビが大量発生というわけではなさそうだった。
「あいつ、この間の頼まれ仕事の時に見たような気がするんだよな」
「あの街で?」
ディーンが言うのは少し前にハンター達から頼まれてディーンを送りこんだゾンビだらけの一角のことだ。あの街はハンター達が封鎖したはずだが、どうやってか抜け出したのだろう。
「ディーンに会いたくて追ってきたってこと?あの街で何かあった?」
サムが尋ねるとディーンは首をひねる。
「…いや、なんか歩いてる時後ろにくっついてきたうちにいたような気がするだけだ」
知り合いとかじゃねえよな。
呟きながら外を覗き、仰向けに倒れたゾンビをしばらくじっと見つめるが、
「……多分違うな」
と顰め面をする。
それからしばらく二人とも黙り込んで外を伺っていた。
天気のいい日で空は青い。畑の隅に植えてみたパセリが結構伸びて、風にさわさわと揺れている。
「あいつ、片付けないとな」
「だね」
青空とパセリとゾンビ。
シュールだ。
「畑はダメだぞ」
「当たり前だろ」
どこかに始末してくる、と車のキーを持ってサムが言うのにディーンは頷く。昔なら絶対にこんな場面で弟に仕切らせたりしなかったが、最近はサムが言うままに任せることが多い。
「その間に洗っておきなよ」
気持ち悪いだろ、とサムがディーンの首に手を当てる。さっきゾンビがなついて頭をくっつけた場所だ。
「おい」
「うん」
おまえこそ早く洗え。
そんなディーンの心の声が聞こえたのかどうか、サムはディーンのひんやりとした頬と首をもう一度撫でて、
「すぐ帰るから」
と出かけていった。
黒いインパラが家の前の道を通っていく。運転席でサムが手を振り、ディーンも軽く手を上げた。
愛しい美人な彼女のどこに、腐れ死体を積んだのか。
考えてみれば今日はゾンビを撃つのも、倒した身体を運ぶのも、どこぞに深い穴を掘るのも、全部弟にやらせてしまった。
「…やっぱり少しは身体を動かすか?」
ゾンビに触られた手でレタスを触る気もしないので、とりあえずディーンは久しぶりに武器の手入れをしてみた。
ショットガン、拳銃、ナイフ類。
指先は少し効きづらくなったが、おもったよりもスムーズに扱える。
だけど、根拠はないがサムにはこの様子を見せない方がいい気がして、ディーンは銃器類を元の場所に戻すと、浴槽に湯を入れようとバスルームへ行った。


終われないのでもう切っちゃう。








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