ふと見たら、もう一月のムパラの募集が始まってるんですね。
なんのかんのいって17くらいからほぼ毎回参加してきたのですが、1月に新刊と言うと年末年始を挟んで屍になりそうですし、ブログも更新再開しようと思ったところでまた停滞状態になってしまうので、今回は思いきって参加を見送ることにいたしました。
るーるーるー。
なので思いたったが吉日で本日よりノックにトライします。
停滞後にいきなりですが、加齢やら残業やら飲み会やら色々あるので、まあ肉離れしない程度に。
というわけで大変唐突ですが、アラブ―後日。
こんな日がいつかは来るかもしれないとは思っていた。
「…お前、こんなところで何やってるんだ」
応接室で目を見開いているヴィクター・ヘンリクセンと顔をつき合わせ、ディーンは咄嗟に顔が引きつりそうになるのを感じた。
身分も安定したところで仕事に励んていたのだが、ついに欧米企業とのやりとりだと思ったら、いきなり知合いに出くわした。
もう何年も前のことだが、そういえばこの国に拉致されてきた時、何かの商談をしかけていた気もする。
だが、ここは動揺するわけにはいかない。
基本は平常心、だが再会に対してプラスの驚きはあってしかるべきだ。ディーンは咄嗟に心のギアを入れ替える。
「やあ、久しぶり。驚いたなここで会うとは!」
晴れやかな顔で目を見開き、笑顔で握手の手を差し出す。
ノープロブレム、問題ない。
だが、相手は乗ってこず、ますます胡散臭そうな顔になる。
「久しぶりじゃないだろう。いきなり消えた奴が、なんでこんな国でこんなとこにいるんだ」
「色々あってね」
「よっぽどの理由なんだろうな。仕事の途中でいきなり消えたって、俺のとこまで捜査が来たんだぞ」
「君のところに?なんでまた」
「俺だけじゃない、あちこちに訊き込みが来てたさ。誘拐じゃないかってあの頃もっぱらの噂だった」
「へえ」
自分が消えてからのアメリカの様子を聞くのは初めてで、平常でいなければと思いながらつい興味が顔に出てしまう。当たり前ではあるが、自分の失踪が事件扱いになっていたというのは、少しばかりホッとする事態だった。
だが、その思いを顔にも言葉にも出すわけにはいかない。
ディーンが実は拉致されたのだと言うことはサムの犯罪を告発することになるし、それは王族を害することだ。そしてこの国ではすべての会話が聞かれていると思って間違いない。
なのでディーンはことさらににっこりほほ笑んでみせる。
「驚かせて悪かった。急なスカウトでね。手紙でも残せると良かったんだが」
・・・・・・・・・・・
そーして、ディーンとしては必死にごまかしてはみたもののヘンリクセンは疑うし、サミーは自分と離れている時間が欲しいと言っておいて、他の男と親し気に話しているとブリブリ怒る。
だんだん儲けるよりも、無事に帰る方が先決じゃね?と思いだす部長。
ロキ社長からのオーダーを達成するより夢中。
…てな感じのあらぶーな蛇足な後エピを書きたかった本日でした。
ノックはその日の気分で内容変わります。
[16回]
PR