新年あけましておめでとうございます。
なんのかんのとしている間にカウントダウンもとっくの昔に過ぎてしまいました。
もやもやするものはあるのですがどーにもこうにもならないので取りあえずお題った―さまでいただいたネタでリハビリ。
「記憶喪失兄貴」で出たネタで何回か書けるだけいってみまーす。
むっぱらも申し込んだけどまた抽選のようですし、オフの前にまず更新だあ。
今年もよろしくお願いいたします(*´▽`*)
モーテルの外ではじけるような音が響き、熟睡していたサムは即座に覚醒した。素早く身体を起こし、周囲の様子を伺う。大学に入ってから一度は失くしたが、狩りの生活であっさり戻った習性だった。
時計をちらりと見ると夜中を過ぎたところだ。
「一日遅れのカウントダウン花火ってわけでもなさそうだよな」
呟きながらベッドの下から脱ぎ散らかした服を拾い、靴を履く。
「ディーン?」
だがそこで異変に気付く。こうした時には自分以上に俊敏な反応をするディーンがなにやらベッドの上でぼうっとしていた。
「起きてる?兄貴」
疲れる理由はあったが普段に比べて特に負荷が大きかったとも思えない。一緒に寝た後にトラブルが起こったことだって無くはないのだ。
「ほら」
早く着ろよとディーンの分の服を拾ってベッドの上に投げる。昼間一日着ていた服なのでお世辞にも綺麗とは言い難いが、裸で飛び出すよりはましだ。
服を手に取るディーンはとりあえず置いて、カーテンの間から外の様子を伺う。
取りあえず銃声らしきものは止んでおり、その後騒ぎが続くようでもない。
「朝まで待ってもいいかもしれないけど、どうする」
急いで逃げる必要はなさそうだが、心配した近隣住人が通報することは十分に有り得たし、つい先日まで「FBI」を名乗っていた身としては事情聴収などに会う事態は避けたかった。
そもそも身分証と宿泊名が違う。
だが振り返って驚いた。
とっくにモーテル内の様子でも見ているかと思っていたディーンが、相変わらずベッドの上に座りこんだままでこちらをじっと見ていたからだ。
「ディーン!?どうしたんだよほんとに」
服は着たものの靴すら履いていない。
寝惚けているわけでもなさそうだし、疲労困憊しているわけでもない。ただわけが分からないように目を見開いている。
さすがに心配になって近づくと顔を覗き込む。
と、
「ディーンって俺のことか」
「…え」
「お前、だれだ」
「えええええ!?」
前にもこんなことはあった気がするが、どうやら記憶喪失だった。
つづく
記憶喪失ネタは何回か書いてる気がする気がするけどいいのだ。
被りを恐れては書けない。