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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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CLASSICALリベンジその3

ちょっと加えようかと思ったら止まりそうだったので、どんどこいきまーーーす。
詰まったところはここじゃないのでござる。
昼間ずっと起きた兄貴のモノローグを考えてたのに、アルコールを入れたのがまずかった。



久しぶりに深く眠っていたようだった。

夜中に目を覚ますと抱いていた体温が消えていた。サムはぎょっとして身を起こす。
反射的に思ったことは、ディーンが自分を置いて出ていったのではないかということだった。それが起こりえることをしたと思う。
だが慌てて暗い部屋の中を見回すと、ソファの上にシーツの丸い塊があるのが見えて息をついた。
ホッとした後には胃がちくりと痛むような思いと共に苛立ちが襲ってくる。
そんなに自分と一緒に眠るのは嫌か。


そう思いつつソファに近づくと、シーツにくるまった身体をそのまま抱え上げた。
「逃げ方が半端だよ」
意地の悪いことを言う気は無かったのに、つい口が余計な形に動く。
怒ったディーンが何か言うかと思ったのだが、予測は外れて何の反応もない。
拍子抜けして抱えたシーツの中を覗き込むと、睨みつけてくるかと思った碧の目は固く閉じられたままだ。青白い顔色と浅く早い呼吸が苦しそうだった。
「ディーン?」
先ほどの『慣れている』だの『ぬるい』だのといった言葉や態度で勘違いしていたが、ダメージは大きかったらしい。
サムは今さらながら動揺し、せめて振動が少ないよう慎重にディーンの身体を運ぶとベッドの上にそっと下ろした。シーツを被ると動かない身体を改めて抱え込む。
ディーンが気づいたらまた出て行ってしまいそうなので完全に眠るのは諦めて、腕の中の顔を見ながらうつらうつらと朝までの時間を過ごした。


・・・・・・・


モーテルの薄いカーテンから陽の光が入りだすと、ディーンは小さく呻き、重そうに瞼を上げた。
「おはよう」
「どけデブ」
いきなりの悪態は聞き流し、額にキスを落とす。嫌そうに顔を背けられたので着地点が額から逸れて頭になったが気にしないことにした。


今日は狩の調査に出る予定だったが、ディーンは明らかに動けそうもなかった。
「今日の調査は僕が行ってくる」
サムがそう言うと、壁を向いた頭が微かに頷く。
「帰りに何か食べるもの買ってくるよ」
「いらん。自分で行く」
こちらを見ないで、返事だけはするディーンに、強いて笑いを含んだ声で返す。
「ふうん。でも今日は外に行くのはやめた方がいいと思うけど」
「?」
不審そうな顔を向けてくるのに教えてやる。
「いかにも抱かれましたって顔してる」
即座に物が飛んできたので避けながら上着を羽織る。硬くて重いものを遠慮なく投げつけてくるのでちょっと自分の口を後悔した。急いで出ていきつつもう一度訊いてみる。
「なるべく帰るから待ってて。リクエストある?」
返事はなかった。


 


・・・


一人になったディーンは午前中まるまるベッドに沈んでいたが、昼近くなるとさすがに寝が足りた。ついで昨日のシーツの惨状が気になり始めて起き上がる。なるべく鏡を見ないようにして顔を洗うと、両方のベッドからシーツを剥がしてモーテルの端にあるランドリールームに向かった。


機械に洗濯物と洗剤を突っ込み、スイッチを押せば洗い終わるまで待つだけだ。どうせモーテルのシーツだけなら盗まれる心配も少ないので部屋に戻ろうかとも思ったが、何となくその気にもなれずディーンは窓際に置かれた古いベンチに腰かけた。
窓から差し込む陽で、部屋の中を舞う埃が白く光っている。ぼんやり見まわした部屋の端に誰かが置いて行った雑誌があったので、取ってきてぱらぱらとめくった。


「大丈夫かい?」
不意に声をかけられてディーンは顔を上げる。同じく洗いものに来たらしい中年の泊り客だった。
「ああ。あんたは?」
意図が分からず適当な返事をする。何となく単なる雑談の雰囲気ではなかった。
「いや、隣の部屋なんだが、昨日の夜揉めていたようだったから」
そう言われてぎょっとするが、顔色は変わらなかったはずだ。安モーテルの壁が薄いのは珍しくも何ともない。他人の揉め事に口を出す相手の方が珍しいのだ。
咄嗟にどうごまかそうか考えつつ口を開くが、男はそれを遮るように手を上げた。
「詮索をする気は無いんだ。だが、もしあんたが連れから暴力を受けているなら、我慢せずにどこかに相談した方が良いぞ。そういう窓口はちゃんとある」
「いや、俺は」
苦笑して否定しようとするが、男は聞いていなかった。
「細かい事情は聞かん。だが被害届を出したら多分通る。今どき大の男だって珍しくないんだぞ」
会話はそれきりで、気まずそうな顔になった男は洗濯物をランドリーに突っ込むとさっさと出ていってしまう。残されたディーンは苦笑したいような気持で口を歪めた。
 まさかこの自分が赤の他人から弟の被害を心配されるとは。


やがて乾いたシーツを回収し、ベッドにセットしてしまうとすることがなくなった。少し腹も減ってきたので出掛けることにする。インパラはサムが乗っていってしまったので足がないが大人しく部屋にいるのも馬鹿馬鹿しい。出がけに言われたことを真に受けるわけでもなかったが、一応バスルームで顔をチェックしてみた。
鏡に映る顔は率直に言って「抱かれました」というより「暴行被害に会いました」といった感じだ。隣の善良なる泊り客が口を出してきたのも無理ないかもしれない。打撲の痕や口元の傷が特に目立つが、まあハンターの生活ではよくあることだ。目元が赤いのはサングラスで隠せばいいだろう。
簡単に髭を当たって着替えをした。しかしながら空腹は感じるが何を食べたいかさっぱり思い浮かばない。
「まあいいか」
呟きつつ上着を取ろうとしたところに聞きなれたエンジン音がする。もしやと思っている間にそれはモーテルの前に止まり、バタバタとした足音が近づいてくる。
「ただいま」
両手に荷物を抱えたサムが、慌ただしく入ってきた。あまりのタイミングにちょっと呆気に取られる。
「起きたんだ。ちょうどよかった」
額に汗をかいたまま、サムは言いながらテーブルの上にどさどさと持っていた荷物を置く。
「昼飯買ってきた。好きなの取りなよ」
「…」
昼飯、というが量が尋常ではない。比喩でなくテーブルからこぼれそうだ。チーズバーガーやアップルパイのパックがあるのが、分かりやすくご機嫌取りという感じだった。
ディーンは何か嫌味でも言ってやりたくなって口を開きかけたが、頭がぼけているらしく上手い悪口を思いつかずに口を閉じる。脂の匂いで少し胸がむかついた。
 


・・・・・・
どんどこいくでござる
 

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