さてさて、むーぱらまであと一か月ちょっとになってまいりました。サークルカットには「古典のリベンジ本出せるかなあ」てなことを書いておりましたが、ここしばらく取り組んでみたもののまたギリギリまで突っかかった挙句パラシュート無しで目的地点に落下せざるを得ないような気がしてまいりました。あっちを直せばこっちも直さないと矛盾する、等々。
いかん。
「くそう、あと10日前にここまで来ていれば」
「俺もだ」
と腐友と歯ぎしりしあったあの日をまた繰り返すのはなんとしても避けたい。
……というわけで退路を断ちます。
やっぱり古典のリベンジはブログで出たときに続きを書く。
新刊は別のネタ。
なので取りあえずリベンジ一回目を載せちゃいます。もう戻れなくてよ自分。
だが、それを覆してもいいのだと兄弟に見本を見せたのは、皮肉なことに魔物を狩れと教えてきた父ジョンだった。愛する家族を救うためになら、ウィンチェスターの男も悪魔と取引をするのだと。
そして悪魔はたとえハンターが相手でも、契約に応えることを兄弟は知った。
もしもあの父さえも許すのなら、誰かを失くした時、どうしてその誘惑に抗えるだろう?
・・・・・・・
「まったく。こっちは生き返ったばかりでフラフラだったのに突進してきやがって」
ディーンが生き返ってしばらく経っても、ふとしたきっかけで再会の時の話になる。
「だって絶対に悪魔だと思ったんだ」
そう言うとディーンは鼻で笑う。
「もし俺が悪魔だったら、お前絶対にやられてたぞ」
「そうかな」
「そうさ。たっぷり10秒は固まってたもんなお前。口ぱくぱくして」
「人のこと言えないだろ」
扉の外を見た瞬間から凝視していたからはっきり覚えている。 扉を開けたら兄が立っていた。
「よう、サミー」
そう呼んだ後、目を潤ませてしばらくこちらをみつめ、微かに笑いながらゆっくりと部屋に入ってきた。あれだって結構な隙だらけな格好だったと思う。だがそう言うとディーンは再びふふんとふんぞり返る。
「当たり前だろ。俺は疑ってなかったんだから」
「それはともかく食べながらしゃべるなよ、汚いから」
「うるせえ」
投げつけられたプラスチックフォークを避けながらポテトをつまむ手は止まらない。
おなじみの薄汚いモーテルで、しけた冷めかけの夕食で、向かいに見慣れた顔がいる。ただそれだけでどうにも笑えて仕方がない。フレンチフライでケチャップの山を混ぜているディーンも笑っている。
元通りだ。そう思った。
だがディーンが地獄へ墜ちた後、サムは復讐のために悪魔の力に一歩近づいていて、ディーンは地獄の記憶を無くしていなかった。つまりはまったくの元通りになるわけがなかったのだ。
つづく~
というわけで新刊ねた考えなくちゃ。
ひーーーーー