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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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二次元、三次元問わず楽しいもの大好き。
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みんな湿気が悪い(モブ兄)←←

八月も終わりに近づきまして、ネットの世界では夜のホテルのバスルームで酔ったJ2がふにゃふにゃしてる画像がインスタに上がったり、数時間後に削除されたり、更新のネタには事欠かない日が続いておりますね。
毎日毎日今日こそは更新だ。週1回ってあれは冗談に決まってんじゃん、そう言ったら2回か3回更新するのが人の道だろう…と思って帰ってくるのですが、気が付くと眠気とだるさに負ける日がまた一つまた一つと重なっております。

そしてそして!相互リンクさせていただいているnuts!さまは気付くと密かにノック更新をされてるんですよーーーーーー!!
うわあぬかった。
可愛い可愛いキュートでピンクな兄弟が一杯ですので是非皆様ゴーゴーしてくださいませ。

しかし何か更新したい。
ひよこさんが酒場兄弟のかわいいイラストを描いてくださってるから酒場ペーパーにしようかな。
でもあれちょっと幼児化ネタで酒場っぽくなかったからな。

………あ。いいのがありました。
2月のムパラで参加させていただいたモブ兄本。
発行から半年経ったら自サイトへの掲載も可、ということでしたので2+6=8
2月12日+半年=8月12日
今日は8月29日

過ぎてますよね??
よし、あれにしよう。
パスワードいるかな。まあいっか???湿気で頭が回らないのでそのまんま載せます。
きゃー人生最初で最後のモブ兄。(書いておいてきゃーじゃないぞ自分)

これはパスワードかけろや、と思った方はご一報くださいませ…





(しまったな)
埃っぽいテーブルに頭を押し付けられながら、ディーンは酔った頭で反省した。古びた部屋に不安定な灯り。分かりやすく何が起ころうが互いに見て見ぬふりをしそうな雑居ビルだ。


血のつながった弟に押し倒され、あわやという事態に直面した自分が動揺していたのは無理もなかったとは思う。
なにせ、ずーっと妙なものは感じつつ、どうにもはっきりしなかった自分達の間のモヤモヤに、サムの方が踏ん切りをつけてくるとは思っても見なかったのだ。あのカッチン玉が。実の兄貴相手に。三十越えた男に。
だが、動揺のあまり飲みすぎたのはまずかった。近年まれに見るリミット越えだ。
そして弟との衝撃的成り行きに頭を取られ過ぎていて、酒場の隅から、ずっと熱く注がれていたらしい視線に気付かなかったのもまずかった。十代後半から二十歳過ぎ頃には、それこそその手のちょっかいが雨あられで、あの放任主義のジョンでさえも危機感を口にするくらいだったので、警戒レーダーもそれなりに発達していたのだが、さすがに最近は気にしていなかった。
なんでこんなタイミングで、というか、サムのことがあってそのケのある連中が目を付けるような隙ができたのかもしれない。今さらだが。
振り払おうとしてみるが、相手も酔っ払いの恐ろしさで、ご丁寧に両手にそれぞれ一人が付いてテーブルに固定していたので、さすがに見動きが取れなかった。もしかするとこの事態になるまでに、二、三人くらいは張り倒したのだろうか?
即物的にデニムと下着がずり下げられ、申し訳程度のオイルがたらされると、無理矢理入ってくる暴挙に思わず口から罵声がこぼれた。これは後が酷いことになりそうだ。協力したいわけでは断じてないが、自分への被害を減らすためにディーンは力を抜こうとする。
 飲みすぎは本当に厄介だ、カウンターの木目を睨んでサムのことをどうするか考えていた以降の記憶がさっぱりない。
何人いるんだこいつらは? 両手に頭、そして今まさにディーンの後ろにいる奴。扉近くからの声が一人。五人、と人数を確認し、皆順番待ちをしてるなら、あと四回これがあるのかとうんざりする。病気がどうだこうだと言いつつ、スキンを付けているのだけが不幸中の幸いだった。もしかしたら自分が口からでまかせで「病気持ちだ」とか言ったのかもしれない。ナイスだ俺。セーフセックスは大人の嗜みだ。これはセックスなんて上等なものじゃないが。
下半身に異物をねじ込まれる痛みと不快感。いい加減飲みすぎたところへの狼藉で吐き気がこみ上げる。ぐう、と喉の奥で音がすると、ディーンの腕を抑えている連中が嫌そうな声を上げて慌てた。
(馬鹿め)
やること全てが素人くさい。がたがたとテーブルごと揺すられながらディーンは、意外と冷静な自分に気付く。
こんなのはただの棒の出し入れだ。
そう思ってから、不意に思いだす。人間相手にこんな不覚を取るのは初めてだったが、そういえば地獄で過ごした四十年の間には、こんなものが生ぬるく感じられるような目に散々あってきたのだった。
とにかく今考えるのは身体へのダメージを減らすこと、終わった後口封じに殺されるのを避けることだ。そう思ったディーンは抑えられている腕を振り解こうと力を込めるのを止め、さらに身体から何とか力を抜こうと息を吐く。
するとディーンが諦めたと思ったのか、周囲の馬鹿どもはディーンを抑え込む手を緩めた。それはいいが、今度はデニム以外の服の下に手を突っ込みだしたので唸り声を上げる。
野郎の固い腹筋だの腿だの触って楽しいのか!??
ものすごく疑問だが、興奮しきっている集団の行動はエスカレートするばかりだ。急に今まで意識しなかった、鬱陶しく首の後ろにかかる息だのタバコや汗の臭いの混じった体臭だのがはっきりと感じられ、さっきとは違う理由で吐きそうになる。
『ディーン』
 不意にモーテルの部屋で自分の上に乗っかってきたでかい弟の声を思いだした。体重はずっと重かったし、鬱陶しさでは右にでる者はいないが、あの手が触れたときには、殴りはしたけれどこんな吐き気は感じなかった。えらそうな胸に顔を押し付けられた時の、鉄と火薬が混じったその匂いにも、動揺はしても嫌悪はなかった。
『ディーン、聞いて』
 あの時あのバカ何を言ったんだっけ? この場から意識を逃がすように考える。


だが、ついには「舐めさせよう」と言い出して自分の服をずり下ろし始める馬鹿が出るに及んで、ディーンはキレた。ちょうどいいことにテーブルから身体が離され、手が自由になったのだ。従順になったようなふりをして目の前に突き出された汚いブツを握り潰す。絶叫が上がったところでまだディーンに突っ込んだままの馬鹿を振り払い、股間を踵で蹴り上げた。ぎゃあと喚いて転がるのに飛びかかり、これも潰す。なにせデニムを下ろされただけで、ブーツを履いたままなのだからこれで踏むのは実に効果的だ。
周囲をちらりと見まわし、銃を取り出す奴が居ないのを確認すると手近な椅子を掴んで振りまわし、一人を殴り倒した。もう一人が順番待ちで全開にしていた前が閉められずあわあわしているのに近づくと思いきり殴る。ディーン・ウィンチェスターの平常値からすると六割か七割だったとは思うが、一撃で倒れたので良しとする。動く奴がいないのを確認すると、入り口に見張りよろしく立っていた一人に近づき、靴に仕込んだままだったナイフを突きつけた。
「どけ」
正直言って大した迫力はなかったと思うが、貧相な見張り役は吹き飛ぶように退いた。武器のチェックもしないまま鼻息荒くコトに及んでいたというのは、やっぱり相手も自分と負けず劣らずただの酔っ払いだったらしいな、と階段を下りながら思う。
(間抜けすぎるぜ全く)
服を直しつつ建物の入り口を出る。情ないことにまだ大して遅い時間ではないらしく周囲は結構な人通りだ。追ってくる足音が無いのを確認してナイフをいったん隠した。


厄介なのはここからどうやって帰るかということだ。インパラは酒場の前に置いたままだ。今の場所が分からない上に、連中の縄張りに戻ることになるかもしれない。
デニムの下で足を伝って流れ落ちるものの感触に顔をしかめ、ズキズキする下半身をなるべく考えないようにしながら歩きだした目の前に、酒場に停めてきたはずの黒い車体が滑り込んできた。そして飛び出してくる長身。
「ディーン!」
「…サムか」
随分久しぶりに顔を見るような気がして、なんだかしみじみと見てしまった。実際には数時間前に、自分の上から蹴り落としたばかりなのだが。
なんだかやたらと必死な顔と、額にはりついた髪の毛を眺めながら、汗だくでもさっきの馬鹿どもに比べて、うちの弟は格段に顔もガタイもいいよなあ、とどうでもいいことを考えた。タイミングといい、都合が良すぎて現実感がわかないが、考えてみれば携帯を持っているのでGPSを使えば一発だっただろうと思い直す。
「帰ろう。乗って」
妙に思い詰めた顔で言う横を通りすぎて後部座席を開ける。言われなくても乗るのだ。乗らずにおくものか。
「ディーン?」
不審そうな声は無視して転がった。今は座りたくない。愛しい彼女の後部座席が選択肢にあるなら特に。
固いテーブルではない、嗅ぎ慣れたインパラのシートの匂いと感触に目を閉じて息をつく。と、車内灯が不意につけられた。
「ディーン!!」
驚いたような叫びに眉をしかめる。さっきからこいつは俺の名前しか呼んでないな。もう疲れたので目を開けるのも億劫だったが、べそをかかれても面倒なのでしぶしぶ薄目を開けた。
「…誰にだ。ディーン」
三十有余年に渡る兄人生の中でも、あまり見たことのない弟の表情に、混ぜっ返す気と茶化す気が失せた。強がりを言う余裕もまたなかったのも事実だが。
しかしそうか、灯りの下で見ただけで状況が分かるような面になってるのか俺は。服を直しただけでは隠せないものらしい。ただの棒の出し入れでも。
「……」
それでも口に出す気にはなれず、出てきたばかりの建物の入り口を視線で示した。サムにはそれで通じたようで、剣呑な表情でそちらを見やる。そして、
「待ってて」
とインパラから出ようとするので、
「人間だぞ」
とだけ言っておく。だから殺すな、と言わなければならないのだが連中相手にそこまでの気分にはなれない。サムもウィンチェスター家のルールとして承知していることではあった。言いたいことは通じたようで、サムは横になったままのディーンを振り返ると少し表情をやわらげ、
「分かった」
と微かな声で応え、ディーンの手に銃を一つ握らせて出ていった。
こんな朦朧とした状態で銃を持つのも危ないのだが、また連中に襲われるのも、どさくさまぎれの車上荒らしに会うのも願い下げだったので、気力を奮い起こして銃を握る。さっきのように気を張らなければと言い聞かせるのだが、インパラの中の空気とさっきまでそこにいたサムの気配が、どうしても身体を弛緩させた。
ここは安全。そんな感覚がどうしても取れない。


寝るとまずい、と思いつつ、うとうとしていたようだった。インパラの扉が閉まる音と振動ではっと気が付く。
「サム?」
確かめるように呼ぶと、運転席の弟が振り返った。微かに車内に新しい血の匂いがする。
「済んだよ、ディーン。寝てて」
「……殺さなかっただろうな」
「生きてるよ。もうディーンにしたような真似は誰にもできない身体にしてやったけど」
微かなくせに獰猛な声に、思わず目を閉じたまま低く笑う。
「よくやった」
男としては悲惨な事態だが、ああいう輩は何度でも同じことをするだろう。痛快だった。ざまをみろ。


だが、危機感や腹立ちなど、心を緊急体制にしておく要素が次第に減っていくと、先ほどの自分のざまに次第に意識が向きだすのを感じて、ディーンは思考をシャットアウトすることにした。
やめだ止め。目を閉じて横たわり黒革のシートに意識を集める。
インパラのエンジンがかかる。
いつもの振動。ここはホームだ。


・・・


「ディーン?」
怪訝そうなサムの声に、こいつは本当に俺の名前を呼んでばっかりだな、とおかしくなる。飛び出したモーテルにボロボロの状態で戻り、転がり込んだベッドの上だ。ただし目の間にはでかい弟の背中がある。
シャワーで色々ムカつくものを洗い流した後、手持ちの薬で簡単に手当をし、自分のベッドでシーツにくるまったまでは良かった。だが目を閉じた途端に猛烈な動悸と吐き気に襲われて起き上がる。  パニックになりそうなのを堪えつつ部屋の中を見回すと、心配そうにこちらを見るサムが同じように起き上がっているのを見て、不意に気分が収まった。同時にインパラのシートの匂いを思いだす。
数時間前に押し倒されて跳ねのけた相手だとか、まさに沈められかけたベッドだとかそういう諸々が頭を掠めたが、心情的緊急事態なので掠めたままで放り捨てた。
さっきはさっき、今は今だ。
隙あればこみ上げてくる喚きだしたくなるような衝動を、抑えられればそれでいい。先ほどと反対に相手をベッドに突き倒す。ついでに転がして向こうを向かせた。そして目の前に来た背中に身体を寄せる。
「ディーン」
インパラの車内で陰になっていた背中だ。困り果てたタイミングで目の前に現れ、クソ野郎どもを自分の代わりに文字通り役立たずにしてきたと言った声。
くん、と馴染みの匂いを吸いこむ。もう大丈夫だ、ここは安全、眠っていい。相手も潰した。自分にそう繰り返す。
「ディーン、そっちを向いちゃダメ?」
情なさそうな声がおかしい。ディーンは目を閉じたまま、小さく笑う。
「だめだ」
そういって肩甲骨のあたりに額をつける。ついでに頬もつけてシャツの感触と体温を感じた。あの汚いテーブルよりずっといい。眠れそうだ、と深く息をつく。
「ディーン、何もしないから」
「うるさい」
しつこく繰り返されるサムの声を切り捨てる。
「そんな気分になるか。俺に触るんじゃねえ」
そう言って額をすりつける。コットンのシャツの感覚と、サムの匂いをまた吸い込んだ。
「…自分が触るのはいいんだ」
情けなさそうなサムの声にもう一度笑う。


そう、自分から触るのはいいのだ。
お前の匂いでまず安心と安全を確保して、それが何日何か月かかるかは知らないが、いつかすっきり満足したら、その時はもう一度お前の話も聞いてやる。


そう思いながらディーンは目を閉じた。


END





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