さーて、リハビリ二日目。
何となく昨日のMOLの続きで行こう。
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ディーンが品物を見たいというと、カウンターの男は露骨に胡散臭げな顔をした。
兄の後ろで周囲を見回すサムは、この薄暗い店内や店主の方がよほど胡散臭いだろうにと心の中で毒づく。
「悪いが、うちは一見さん相手はしないんだ」
「初めてじゃない。3か月ほど前にサミュエル・キャンベルと来ている。彼からの頼まれものだ」
それを聞いた男は少し眉を上げたが、動こうとはしない。
「そういったことを言う奴は多いんでな」
ディーンはそれに気を悪くしたようでもなく小さくうなずくと、ポケットから銀のナイフを取り出した。
「おい」
カウンターの下に手を伸ばす男に警戒させないように一歩下がると、手の甲の辺りを薄く切る。
「分かったか。魔物じゃない」
店の敷居は鉄。敷物の模様は悪魔封じだ。ちゃちな作りに見えて抑えはそれなりにしている。
これで悪魔でもあらかたの魔物でもないことは証明された。
ほらみろ、と内心思いつつサムは店主の顔を見る。男は取り出しかけていたライフルからは手を退けたが、肩をすくめて
「足りないな」
と言った。ほぼ同時に店の扉が開くと男が数人入ってくる。サムは咄嗟に敷居を見るが、くたびれた風体の男達は人間らしい。ゆっくりと二人を囲むように左右に動くので、サムは兄の隣にゆっくり移動した。
「キャンベルの爺さんは他に何か言ってなかったか?」
ディーンが微かに眉を顰める。
「…『友人たちと遊んで来い』と」
「やっぱりな」
聞いた男が腑に落ちたというように頷く。
「坊やたちがお使いするには過ぎたブツなんでな」
予想通り男達が二人を押さえこむように手をかけてくる。
ああまたか。
サムは内心ため息をつく。今日は店に合わせて二人ともラフな服装をしてきたが、顔立ちのせいもあってハンターがらみの連中にはとにかく舐められやすい。
ウィンチェスターの方針で、キャンベルの家での訓練は受けても、こうした店やハンター仲間の間にはほとんど入ったことがないからなおさらだ。
だがしかし。
掴んだ腕を外された男がよろめくところに連続して足を払う。殺気がないから大して切迫感はなかった。ディーンの方はさらに素早く、脇の男を昏倒させた後、店主の身体をカウンターに抑え込んでいた。普段静かな兄だが、こういう場面の反応は不可解なほどに早く、攻撃的だった。
「この遊びはもう少し続けた方がいいのか?」
起き上がりかけた男の顎を素早く蹴り上げてもう一度倒した後、ディーンが微かに疎ましそうに尋ねた。
おわる
なんかようわからん物体になった
[19回]
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