驚かれてはいけませんお嬢様。
本文ではございません。表紙ですよ。
もうもうもうかつてないほどチキンレースな状態でなんとか入稿しました。
いやだって、前日コピーしようと思ってたけど、もろもろ考えると真剣にやばかったんですよね…
スパイ映画じゃないけど(どの国のためにもならない)、まさにデジタルに時が刻まれていくのを横目で見ながら、うわあ、PDF変換、うわあノンブル忘れた。うわあこのセットなんて名前だっけ等々無言で脳内絶叫を上げながらまさに締切ジャスト。一分も早くない締切時間ジャストに何とか入稿しました。
その結果がタイトルです。
白地にスミ刷り。
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いや、このブログを覗いてくださる方は、うちの本の表紙の色にはそんなに気を留めないでくださるとほぼ確信したりはしているのですが、それにしても白地にスミ刷り!手作り感満載。
そんなこともあって今回はいつもよりちょっぴり少部数です。
そんなに極端な少部数ではありませんので、多分当日いらっしゃる方は大丈夫かと思います。
中身も入稿終わってうわあああああああああああああああああああああと頭を抱え、でももうみかえせなーい。印刷屋さんから連絡がないといいなあ。
そんなものでも通販やお取り置きのご希望がありましたらメールか拍手でご一報くださいませー。
しかもあれです。
ブログで書いてる時点でお察しの方もいらっしゃるかもしれませんが、書いても書いても壮大な事件などさっぱり起こりません。
しかもぴーな感じばっかりです。とほほほほい。
以下サンプルです。
腹の前で組まれたサムの手に少し力が入る。眠りの淵に落ちかけながらディーンは、ああこれでまたこいつがぷんすかしだしてもう一ラウンド始まったら最悪だなとぼんやり考えたが、サムは拗ねた時の癖でスン、と小さく息をすると、後ろ頭に顔を押し付けてきた。ほっとしつつ思わずため息を押し殺す。
弟と言うのは実に勝手で厄介な生き物だ。偉そうに力を誇示してみたかと思えば、自分が小さくて可愛らしかった頃を思い出せと言わんばかりに甘ったれたことをする。
実際のところはサムと寝ようが一人で眠ろうが地獄の夢はいつも見る。
だが、夢を見ながら自分がなにを口走っているのかわからない。見るのはいつも地獄で切り刻まれて、泣き叫んでいる時のことだった。
大声は出していないと思っていたが、至近距離で眠れば自分が上げていた情けない悲鳴を聞かれてしまうかもしれない。
今さら恥も面子もない気もしたが、それでもあの時の自分の悲鳴をサムに聞かれるのは嫌だった。