どーも私が書くとサミーを薄情者にしてしまいがちなのですが、あの兄弟はどっちもどっちなので、今度はサミー視点行きます!!
S10の冒頭あたり!
ディーンはよくサムがすぐ拗ねて消えると嫌みを言っていたが、こんな別れを何度も突きつける自分の方だって相当ひどいと思う。
そのディーンの冷たくなった身体を悪魔が盗んだ。
今度こそ焼かねばならないと思っていた矢先だった。
下っ端の悪魔を捕まえては、文字通り切り刻んで行方を探した。
「やめてお願い」
悲鳴を上げる女の腹につきたてたナイフを抉るように動かす。
昔の自分なら悪魔に乗り移られた人を助けることを考えて、こんな真似絶対しないし、できなかっただろう。
だが、真面目でお堅いカレッジボーイなんて、狩りの中でとうの昔にすり減って消えた。
そいつが存在したのは弟馬鹿が治らない兄の心の中だけで、だからディーンが死んだとき、サミーと呼ばれるガリ勉は今度こそこの世からいなくなったのだ。
監視カメラの映像を見つけたのはしばらく後だ。
「………」
兄の身体の中に入った悪魔が、その身体で歩き回る映像を見る。
ディーンそっくりのだらしない姿勢でポルノ雑誌を読み、顔を隠そうともせず暴れた。
(期待してはだめだ)
サムは自分に言い聞かせる。
悪魔は憑依した人間そのままに振舞う。だからディーンの仕草そのものであっても、あれは兄ではない。
それでも。
血にまみれた最後の顔ではなかった。
傷も癒え、好き勝手に振舞う兄の姿だった。
例え会ってすることが、兄の身体から悪魔を追いだし、元の冷たい躯に戻すだけだとしても。
(きれいな顔で葬ってやれる)
サムは少しだけ微笑んだ。
終わる
おにーちゃんがいないとサムは暴走するからね!
え?昨日のフォローになってない?いや、そんな馬鹿な…