モヤモヤと、何か書きたい気もちはあるのに、ネタを思いつかないのは苦しいですねえ。
分室の方はなにせジャンルが新しい(当社比:すぱなちはS6からでした)ので、定番というかお約束なネタにまだまだ未開拓部分があるんですが、ううん何を書こう。
そんなときはやはりお題った―さまですね!助けておくんなせーまし、ガラガラポーン!
「貴方はSDで【 会いたい 】をお題にして140字SSを書いてください。 」
…でた。
ど定番でありつつものすごく応用のきくこのお題。
よし!とりあえずサミーが大学に行ってる間の兄貴が浮かんだのでそれで行こう!
140文字でも停滞よりはいいじゃないかー
…とかいいつつ、140文字で書くのも難しいのだ。
この世に理不尽なことがあるのは否応なく知っていた。
昔仲良くしてくれた近所の人が、数年ぶりに出会ったらディーンたちを避けるように道を曲がって行ったり、父が幽霊を退治して命を助けてやった相手が喉元過ぎた途端に父とディーンを物乞いのように扱ったりする。
父が戦う化け物達よりも、むしろそれは人間達からもたらされることが多いのもだ。
絶対に許しはしないが、知っていた。
あんなに優しかった父が、すっかり怒りっぽく喧嘩っ早くなったのは、多分母メアリーが死んでしまって以来、そういった理不尽に山ほど出会ったことも関係しているのだ。
「なんだあいつ、ダッドに感謝もしないで」
ある時息巻くディーンに父が言った。
「ディーン、お前は相手に感謝されるために狩をしていると思うか」
「え」
「魔物を狩るかどうかは俺が決める。感謝するかどうかは相手が決めることだ」
それはディーンにというより、父は自分に言い聞かせていたのかもしれないとも思う。
そうして心に強い鎧を作っていったのだ。
命がけで人を助けて、感謝してもらえればうれしいけれど、感謝や笑顔をいつも期待したら、早々にこの仕事は耐えられなくなるだろう。
ただ、狩らなければならないモノを狩る。
ディーンもやがて狩りをする時に、守るべき対象の意志や反応を必要としなくなっていた。
覚えたことは諦めること。期待しないこと。
自分が必要なことができればそれでいい。
父とは大げんかをしたが自分とは一応穏やかに、「がんばれよ」「うん」なんて会話を交わして大学に行ったはずの弟が、なぜか電話に出もしないのも、そうした不可解な理不尽のひとつなのだろう。
ディーンは頭をカチリと切り替え、心に鎧をつける。
「ディーン」
「よう」
少し背の伸びた弟は、驚いた顔の後に、返事をしなかったことを怒られるのではないかと警戒した顔をする。
その顔が昔のように自分を見てぱっと明るい笑顔を浮かべなくても構わなかった。
会いたかったから会いに来た。
それだけだ。
おわる
おお!わりとコンパクトだ
サミー割食わせてごめんよ、次はサミーよりのネタにしよう
[35回]
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