昨夜は暑いなあと思いながら選挙特番を観ていたんですが、妙に興奮するんですよね、選挙特番って。
そして興奮の出しようがなくて苦しい。じたばた。
一夜明けた今朝は、なにやら急に「相手の部屋を訪れる」というシチュエーションだけがもわもわ浮かんできてじたばたしています。ああ苦しい。
SDで言うと、普通の兄弟は扉を叩くどころか同じ部屋だからないんですよねー。
アラブ―系(系ってなんだ。社長もか)だと、「一応叩くけど返事がなければ開けて入る」だし、それはべつにじたばたしない。
そうすると、私がもわもわするのはデキてない時期の部長とバイトか、別居してる設定の兄弟か、別々に暮らしてる幼馴染か…いっそ完全なAUか。
うう、しかしいきなりAU設定浮かばないので部長とバイトだ!
バイトが来るのはいつものことなので、スミスさんがしばらく休んでるバイトのところに行くのだ。
扉を叩く部屋は豪邸じゃなくって、普通サイズがいいので(脳内のモワモワはこうやって確認していくと条件が限定されていることが次第に分かってくる)、投資で金持ちのAUウェッソンじゃなくて、狩りしてる本編ベースのバイトの部屋だな。前に出した「不適切な残業」がどっかいっちゃって読み返せないので(自分の本なのにもう類似設定が多すぎて分からなくなっている)ネタメモだけ!
端末のメモを見ながら建物の名前を確認する。
一度来たことはあるのだが、この界隈は似たようなアパートが多くて、正直外観は良く覚えていない。階段下にはメールボックスが並んでいたが、相手の部屋の番号にはネームカードが入っていないことに気付いて顔をしかめた。
他人の部屋だったら気まずいことこの上ないが、その時はその時と割り切ってベルを鳴らした。
『はい』
インターフォンからの声は、記憶よりも気持ち低い。
「サム・ウェッソン?スミスだ」
どうやらカメラは無いらしいインターフォンにそう答えると、扉の向こうは少し沈黙した。「帰れ」と言われるかと少し構えるがそれはなく、数秒後に扉が少し開く。
「何の用です?」
チェーンの向こうは薄暗くて良く見えないが、明らかな部屋着で無精ひげが目立った。
「ここのところ休んでいるだろう」
「届は出しています」
「まあな。近くに来たから思いだして寄ってみた」
いつでも寄っていいと言っていただろう?
そう言って、以前渡されたネームカードをひらひらと振ってみせる。ウェッソンが口の端を歪めるのが分かったが、無視だ。その会話はまだディーンがウェッソンとの奇妙な仕事を断る前だったから、状況が変わっているのは承知の上だった。
扉が一度閉まるとチェーンを外す音がして、ウェッソンが再度扉を開く。
「どうぞ」
まだどこか警戒した顔で言われるのに、
「ありがとう」
と返して足を踏み入れた。
荒れた生活をしているのでは、という根拠のない予想は外れていて、部屋の中は多少物が出てはいてもすっきりと片付いていた。開いたパソコンと、飲みかけらしいコーヒーカップ。ウェッソン自身も扉の隙間から見た印象ほど荒んだ風貌ではなかった。
「何をしていたんだ?」
そう訊くとじろりと見られる。
「あなたに関係が?」
「前世だかなにかでチームを組んでいたと主張したのは君だろう。また幽霊退治をしているのか」
自分がそれを拒否したことはこの際まるっと棚上げする。
「あなたはもうする気はないんでしょう」
「無いな」
余計な期待を持たせるつもりはないので、そこは言いきる。また嫌そうな顔をするウェッソンと視線を合わせて、言葉を続けた。
「だが、君のことは気になる」
ウェッソンが驚いたように目を見開いた。
・・・・・・・
あれ、書いてるうちにまた違う設定になっていることが分かった。
狩りはしないスミス部長と、狩りしてるウェッソン君の組み合わせね。
これもまた一つのオフィスらーぶ。
[23回]
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