さあ大変だ。
勢いで書いて適当なところで切ったから、昨夜考えていたことがぼんやりしちゃったぞ←おい いやそもそもまだ考え付いていなかったんだきっとそうだ。
銃撃の音がして、足に弾が当たった感触がする。皮肉なことに痛覚が鈍くなった身体は筋を切断されない限り動くのに支障ない。止まらないディーンに焦ったように続けざまに撃たれる弾は、肩や足をかすめるばかりだ。
(なんだこいつ)
そんな場合ではないのだが、ディーンの頭に疑問符が点滅する。よほど射撃が下手なのか、狙いやすい胴体を撃ちたくない理由があるのか。まさかと思うがためらっているのか。
「待てよディーン・ウィンチェスター!」
呼ばれて思わず振り向いた。
「俺を知ってるのか」
応えるとは思わなかったが、まだ若いハンターは黙って頷く。
「心臓が要るんだ」
「なんだと?」
「スペルのために人間の心臓が要るんだ!だが人を殺すわけにはいかないだろう。その時あんたの話を思いだした。古株ハンターとの取引で目こぼしされてるくされ死体がいるってな」
「なるほどな」
だから胴体は狙わなかったわけだ。必死な様子は分かるが、聞いているうちに疑問がわいてくる。
「だが、人間の心臓を欲しがるのは大体魔物だし、スペルに使うなら間違いなく黒魔術だ。一体何に首を突っ込んでるんだお前」
「お前の知ったこっちゃない!」
尋ねると分かりやすく激昂する。狩りからは距離を置いて、最近は庭いじりばかりしているディーンだが、いかにハンターだとはいえ、この相手に大人しく首を差し出す気にはならなかった。
だが、話しているうちに距離が詰まり、そうなると動きの鈍いディーンは不利だ。反撃はできるが、ボビーを通したやりとりでは、殺す殺さないではなく、人間に危害は加えないことになっている。ためらっている間に、血走った目のハンターはがっちりした鉈のような刃物を取り出した。
「動くなよ」
そう言ってじりじりと近づいてくる。そう言われて動かない馬鹿はいない。怯えているなら足がすくむかもしれないが、どう考えても悪魔か魔物に弱みを握られて足掻いている馬鹿だと思えばなおさらだ。
「なあ、心臓ってのは新鮮じゃないとまずいのか」
「……」
黙ってじりじり近づいてくる顔付きと、刃物を構えた様子からいって手足を落として胴体だけ運ぶつもりらしい。というかクーラーボックスもない状態でどうやって心臓を運ぶつもりなのだろうこの男は。暗くなってきた森の中で視界はだんだん悪くなる。人間だった頃に比べて、ディーンの眼は格段に視力が落ちた。
じり、と一歩下がる。と、近づこうとしたハンターが不意につんのめるように倒れた。モノの見事に一撃で動かなくなる。すかさず止めを刺すようにのしかかる黒い影を、ディーンはため息のような声で止めた。
「よせサム、人間だぞそいつは。アホだけど」
つづく
わーーーーん、また終わんなかった。
そしてバレンタインに行きつかないじゃん。
[22回]
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