今日も今日とてネタ詰まりです。
でも、頑張ってノックしてるとぱちぱちやコメント下さったり一緒に遊んで下さったりする方がいらっさるので俺頑張る。
ネタに詰まったら140文字のお題った―さまだー。
「貴方はMOL兄弟で『幸せにはできないけれど』をお題にして140文字SSを書いてください。 」
…………いつも思うんだけどお題った―様の中には電子化されたベテランフジョシがいるんじゃないかしら。
今日は短めにいきまーす。140文字は無理だけど
兄がてっきり結婚すると思っていたキャシーへのプロポーズを断られたらしい。
「え。なんでまた」
「俺も知りたい」
ディーンの顔は平静だが、動揺を収めようとしてか普段はあまり触らない観葉植物の鉢を凝視して枯れた葉をぷちぷちと摘んでいる。
図書室に本を戻しに来たサムは、傷心の兄をそっとしておいた方がいいかと用事を済ますと部屋を出ていきかけたが、ふと引き留めるような気配を感じて振り返った。兄は相変わらず窓際の鉢を見つめたままなので、言葉はおろか視線が向けられたわけでもないのだが。
「なんて言ったの」
「なにが」
「キャシーが断った時」
「…幸せになれると思えない、だと」
「………ああ、なるほどね」
キャシーの父親は警察官だ。MOLの活動とは相いれない部分が多い。それでもキャシーはウィンチェスター家のやっていることに理解も示していたのに。
「キャシーは見る目がない」
「現実的だからな彼女は」
小さく笑う兄は女性との付き合いに途切れがないわりに、あまり深くまでは関わらずに終わることが多い。例外的だった今回は、その分痛手も大きいのだろう。
「幸せにする、って普通プロポーズの時は言うよね。誠意としてもさ」
「定型句っぽくて胡散臭いらしいぞ」
はきはきと率直な兄の恋人は、別れの時にも遠慮がなかったようだ。
「じゃあいっそ、『幸せにはできない』って言えばよかったのかな」
そろそろ兄の手に溜まってきた枯れた葉を捨てた方がいいのではないかと見つめながらサムが呟くと、ディーンが
「なに?」
と振り返った。会話を始めて初めて視線が合う。表情を抑えた、いつもの兄の顔だ。
「『幸せにはできない。だけど一緒にいてくれ』とか?」
澄まして言いながら兄の方に手を差し出す。ディーンは碧の目を珍しく大きく見開き、そしておかしそうに苦笑した。
「…なかなかいいな。次の時はそうしよう」
そして差し出したサムの手にそっと左手を伸ばすと、たんまりとちぎった枯れた葉をそら、と載せてくる。サムはわざと「わあ」と眉を上げ、
「プロポーズされたら普通ゴミじゃなくて手を載せるものじゃないの」
と抗議するが、取り合わない兄はそのまま笑って「手を洗ってくる」と出口に向かう。
その背が先ほどよりは軽く見えて、サムは少しばかりほっとして、洗面所に向かう兄の後を追った。
おわりー。
MOLはいつも難しいなあ
[33回]
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