昨日昔の本のネタを唐突にアップしましたら、お言葉いただけてうれしくなったのでもいっちょくっついた後の普通の兄弟。
すみません、今日お礼をしようと思っていたのですが、ちょっと忘れていた仕事がどさどさ降ってきて一日終わってしまいました。うううすみません今少しお待ちくださいませ。
…でも、このネタ前に書いたかな。
書いてたらすみません。2016バージョンということで!
短い失神から覚めると、目の前に驚いたようなサムの顔があった。
「…あ?」
状況がつかめずにぼんやりと至近距離の青灰色を見つめるうちに、汗まみれの顔が何ともいえない表情で笑う。
「???」
キスが降ってきて分からないながら腕を回すのはもう習性だ。サムは尻尾があったら猛烈に振っていそうな様子で、やたらと顔じゅうに唇を押しあててくる。
なに喜んでんだお前。
疑問をそのまま口にしそうになって、何となく止める。
不意に脳内の回線がつながった。
なんてこった。
色っぽいおねーちゃんとホットな夜を過ごして、相手がよすぎて失神したりしたらそりゃー男として悪い気はしないが、でかい弟と暑っ苦しいことをしていて自分が意識を飛ばすのは全然楽しくない。
そんなわけで翌朝のディーンは少しばかり不機嫌だった。
基本的には夜の間のことを引きずらない方だと思うのだが、なんにせよ初めてやらかしたことというのはなかなかすっきりデリートできない。サムが悪いわけでもないので露骨に当たるのは避けたが、何かきっかけがあれば即発火する状態だ。
だが、以前ならばディーンが不機嫌だと却って突っかかってきたり、あるいは露骨に巻き込まれたくないと顔に書いてそっぽを向いていた弟が、何がどうなったか不明だが妙に穏やかに少し距離を置いた、しかし離れすぎない距離にいるようになった。突っかかっても来ないので、噛みつきようがない。
怒るに怒れず、やりにくいと思いながらなんのかんのと過ごすうちに、鎮火してしまうのは最近の傾向だった。
くそう、上手いことコツを掴みやがって。
一方、機嫌の悪いディーンを上手いこと受け流しているように見えるサムも、別段余裕があるわけでもなかった。ディーンは口でも行動でも、「夜のことは夜で終わり」というタイプだが、サムはどちらかというと「夜の続きに朝があるし、昼に続いて夜になる」という考え方なので、いつでも話題にしたい方だ。
だからサムとの行為にだんだん慣れてきているディーンが、昨日一瞬だが意識を飛ばしたのはすごくうれしかったことも、できれば言葉で伝えたいくらいなのだが、昨日は感動しすぎて言葉がさっぱり浮かんでこず、朝になったらディーンが怒りモードなので自分の言いたい欲求をじっと我慢している。
朝からねちっこくずーーーーっと不機嫌な兄に、以前なら昼前には爆発していたはずだと思うのだが、抱き合うという行為は恐ろしい作用がある。たまに口にする気の立った言葉や、しかめられた眉毛は意識の表層を流れていって、ふとうつむいた時の顎のラインとか、動くときに少しだけだるそうにしている様子の方が目に飛び込んでくる。
ああ、キスしたいな。
兄の態度に腹を立てる代わりに、思うのはそんな沸いた思考だ。
夕方が近づくとさすがにディーンも多少気分が収まってきたのか、言葉が少し和らいでくる。嫌がられたらすぐに撤退する気で顔を覗き込むと、特に噛みつく様子もなく黙って見上げてきた。
怒らない?
お伺いを立てるように見つめると、碧の目が何とも言いようのない表情で見返してくる。
今日は自分から動く気は無いらしい相手を、また怒らせないようにそうっと抱き寄せて、サムは起きてからやっと今日一日目のキスをした。
そんだけ
あああ、これは書き殴りじゃなくてちゃんと見なおさないとあかんきがする。
読み返さないとサムのパターン忘れた。
[45回]
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