ううう、オフの一日パソコンにへばりついていたのに
原稿→書けない
アラブ→ちょっと書けた
でした。ううううう、脳みそがアラブモードなんだ困った。
しょうがないので
しばらく止まるようなこと言ってた舌の根も乾かぬうちにアラブです。
ぱちぱちやお言葉ありがとうございます。
まだ一か月弱あるし頑張ります!
あっさりと言ったのはロキだ。
事情通のマディソン達が口を濁したので、さらに気になって訊いてみたのだが、こちらの反応はえらくあっさりしている。
「サムなんかはその点、狙われ難いわりに警護はバッチリでいい位置だぞ」
「はあ」
「だからお前も安心してばんばん顔を売れ」
「いや、あまり目立つと危ないそうなのでほどほどにします」
お払い箱同様だった状態から、一番だなんだと言われてもかなり眉唾物だったが(というよりまた数か月でサムは飽きそうな気がする)、あの正妃達と不審死というのは似合いすぎて、先日の茶会以来ディーンは、「目立ちたくない」心と仕事への広告効果の板挟みで揺れている。
笑ってしまうレベルで仕事が伸びているので、思わずサムの七光りも悪くないと思ってしまうこともあるくらいだ。
(いかん、物欲に迷わされている)
どうもディーンは営業数字に弱い。
ディーンの顔があると話が進むというので、自分の抱えている仕事だけでなく、最近は他の社員から同行を頼まれることがあった。
これまたしゃべるのは本来の担当で、ディーンは微笑んで横に座っていてくれと言う依頼なわけだ。しかも頼んでくるのが一人や二人ではない。
「お断りしますそんなお飾り。鞄持ちじゃあるまいし」
直接頼んでもお門違いだと断られるのが分かっているので、そう言う相手は上司を経由して依頼してくるから始末が悪い。しかしそんなもんにいちいち付き合っていたら、自分の仕事の時間がねん出できなくなりそうだった。ここしばらく間が開いているが、ただでさえサムの随行に時間を取られているのだ。
「そう言うな、鞄持ちじゃない肩書つけてやるから。宣伝部長なんてどうだ」
にやにや笑う上司に言い返せなかったのは、突然目の前に現れた「部長」ポストに不覚にも眩暈がしたからだ。
サムの愛妾だからつける部長の座。嫌すぎる。しかし、この国で「働くことを許可されてる」ような状態のディーンが、平社員から抜け出す千載一遇のチャンスともいえた。
「………名前だけじゃないなら喜んでやりますよ」
「ああ?」
「宣伝でしょう?今誰も担当していないなら俺を任命してください。黙って座ってる以外でも業績を上げてみせますから」
「…まあいいけどな。座ってりゃいいのに働きたがるってのは変な奴だな」
呆れたように言われるのに肩をすくめる。
サムの関心がどのくらい続くのかあてにしてはいけないが、七光りが通じるうちに笑う置物以外の実績を作ってしまいたい。前回のことからいって、関心が薄れても愛妾の肩書は残るだろうから、サムが王子として存在する限り、多少の箔にはなるだろう。
「もう一つご相談があるんですが」
ディーンが続けて言うと、ロキは露骨に顔をしかめる。
「どうせあれだろ、お前また給料上げろとか言う気だろう」
「勿論です。責任と熱意をもって取り組む為にもそれなりのペイをいただきたい」
ずい、と身を乗り出すディーンに、暑苦しいからあんまり寄るな、とロキは手を振る。
「お前なあ、サムからも手当をがっちりもらってるんだろうが」
「受けていませんよそんなもの」
「本気か?」
「家賃も払っていますし、生活費もこちらからの給与です」
ただし支払先は王室会計にだがその辺は省略だ。
はああーーー?とロキは妙な顔をする。ディーンとしては自分で食い扶持を稼いでいると自負する部分なのだが。
「まあた、めんどくさいことをやってんなあいつも…」
まあ、やたら働きたがる野郎だからかねえ、へえ、ふーん、とディーンを置いて一人でふむふむ感心している。
「で?どのくらい上げてほしいんだ」
やれやれ、と言った風に尋ねてくるロキに、ディーンはサムにかどわかされる寸前の自分のサラリーを告げた。
ちょうどあの頃は大きな仕事を終えてボーナスもついていたのだが、ついでにそれも加算しておく。
「なんだその馬鹿みてえな額は!」
予想にたがわず社長は椅子の上でのけぞったが、要求額には遠いもののディーンは初めて給与アップに成功したのだった。
ちょこっとだけアップ