すみません、久しぶり過ぎて番号忘れました。(見なおせや)
17というより
ちょこっと
って感じですが、書けた分だけ取りあえず!
例によって見なおしもしてませんがなー
うたた寝と覚醒を繰り返して、空が白み始める時間帯だった。
「……なんでだ」
胡散臭げな声が出るのも仕方がない。わざわざ予告があるのはいままでなかったことで、前例がないことは碌な想像がつかない。
ついでにいえばディーンはもう一分でも二分でも寝たくて仕方がないのに、サムの手がさっきからあちこちをつまんだり撫でたりし続けていて、さっぱり眠れそうもない苛立ちも混じっていた。
サムの今日の予定は知らないが、今日は平日でディーンは後数時間で出勤だ。だが次の台詞で目が覚めた。
「非公式な式典があるので供をしろ」
「はあ!?」
思わず身体を起こす。
「別に驚くことはない。公的な式典は正妃が同行するが、僕は活動が多い。非公式なものは誰かしらを連れていく」
「なんで俺を」
「供が要るからだ」
命令だ。
そういい放つと目を閉じてしまう。そう言えばマディソン達も時々パーティーがどうのと言っていたことがあったとは思うが、ここにきてこの状況はどんな意味があるのか。だがサムを起こそうと揺すると、
「今日はこのあと仕事なんだ寝かせろ」
と、目を閉じたまま不機嫌な声が返ってきた。
それはこちらの台詞だばか野郎。
だがサムは意地になったようにそれきり目を開けないので、ディーンも仕方なく睡眠を確保するべく目を閉じた。
準備は奴らに聞けと言われたので、侍従たちにサムの伝言を伝えた時の反応はなかなか見物だった。
「ほう」
「はあ?」
発した言葉は一語ずつだが、陰気な方は微かに笑い、ギョロ目はひと際目を剥いた。
どちらも普段なかなか見ない表情で、しかも露骨でないのが興味深い。ディーンの視線に気付いたのか、どちらも一瞬で消えたのが却って真実味があった。
「ほんとか!?やるじゃないか」
とゲラゲラ笑ったのは上司のロキだ。
「式典への同行はどんな意味があるんです」
聞いたのは誰も教えてくれないからだ。
「いやあ、誰か連れが要るからだろ」
だが返ってきた答はサムと同じようなもので拍子抜けする。
「サムはあれこれ団体の代表を引き受けてるし、直径王族はあっちの式典こっちのパーティー色々呼ばれるからな。奥方たちの同席はそれこそ格式の高い場だけだ。特定の一人っていうより奴の愛妾交代に連れてるから順番ってことだろ」
「…ああなるほど」
分かるような分からないようなだ。
「ま、大人しく主人の後についてりゃいい、愛妾は飾りだ。対外的にはまた宣伝になる」
「…」
細かいところが引っかかるが、それを言い出すとまた碌なことがないのでぐっと飲みこむ。
ロキは話も分かりやすいし、ディーンとしては働きやすい上司なのだが、それでもこの国の王族だ。
そして週末、侍従たちに式典用の服を着せられたディーンは、
「黙って、にこやかに、殿下の後ろに立っていろ」
という大変分かりやすい指導を受け、とある施設のオープニングセレモニーの小一時間をマネキンになった心境で過ごした。
サムと一緒に車を降りたとき、一瞬周囲がざわついたような気もしたが、通常美人が降りてくる絵柄に、ごつい男が来れば無理もない。式典、と聞いた時には多少ならず構えたが、自分が祝辞を述べるわけでもないので、出てみればどうということもなかった。
つづく
取りあえずかけたところまで!