地獄に堕ちたものはその火に焼かれ、やがてヒト以外のモノとなる。遅かれ早かれ、行き着くところは同じだ。
ならばいっそさっさと道を極めてしまおう。
地の底で悪魔達に取り囲まれて目覚めたときに、ディーン・ウィンチェスターはそう心に決めた。
なので、しばらくの間拷問台で切り刻まれた後、初めてアラステアから拷問する側に回るようにささやかれた時、ディーンは誘いの言葉が終わるが早いか即答した。
「………」
少なくとも何回かは断られるだろうと、あの手この手を楽しく考えていた悪魔たちは沈黙する。
正義の男を悪に落とすのは、ルシファーを解放するための重要な一歩だ。当然封印破りの認定も一番厳しい。あまりにもスムーズな堕落に封印は自動的には解けず、悪魔たちは封印破りの認定審査会に、生前のディーン・ウィンチェスターの数々の行動を資料として提出し、『正義の男』として認めさせるのに酷く手間取ることになった。
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…という地獄でさっさと悪魔になっちまおう(それでできれば地上に行って弟の様子をみる)とする兄貴のイメージが脳みそから離れないのですが、多分長いスパナチの歴史で、きっとこういうバージョンはたくさんあるだろうなあ。
兄貴がいないので天使に接触されることもなく、ルビーを助っ人に頑張ってリリスを倒したらルシファーが復活してしまい魔王になったサムが地獄で再会する話とか。
会った途端お互い
「何でそんなことを!」とか怒るの。
いや、怒らない展開もありかな。開き直って地獄でのし上がろうとしてるディーンはアラステアとかクラウリーとか力のある悪魔にバンバン取り入tてるんだけど、それどころじゃない魔王がやってくる。よし、大物狙いだ、と思ったらサムで、思わず反発すると。
でも他の悪魔たちはもちろん魔王の機嫌を損ねたくないからどうぞどうぞとディーンを差し出す。魔王と新人悪魔じゃあもちろん力の違いはゾウとアリ以上だけど、サムだと思うと他の悪魔たちに対するみたいにへらへら従えない兄貴。そんな兄貴に不快そうに顔を歪めるサム。力の違いを見せつけるようにその腕を掴み、おお、ここは流れるように自然にピンクな展開が入るじゃないか。
ではそーゆーことになり、しかしだからといってウフフアハハになるわけでもなく、地上での戦は断片的に続くと。
そーするとある日サムの留守中に一人でいた兄貴のところに急に強烈な光る巨大なモノが降ってきて、
「魔王になった弟を止めたければ手を貸せ。肉体を復活させてやるから器になれ」
と持ちかける。目をぱちくりさせる兄貴に苛立った光る巨大物体が、無理くり連れて行こうと近づいてきて、ディーンがやばいと逃げかけたあたりで怒り狂った魔王降臨。
光は『悔い改めれば救いがある。お前の唯一のチャンスだ』と言い残して消える。
「なんだあれは…」
兄貴が呆然と呟くと、忌々しそうな声でサムが、
「天使だ」
と唸る。サムが自分を庇うように天使との間に立ちふさがっていたことに気付いて、ディーンはほっとするような腹立たしいような気もちになるのであったとさ、
とかとか。
なんか地獄というよりどっかの企業とライバル企業でオフィスラブのような気がしてきました。
父の会社をつぶされて、事情で仇の会社に入った兄貴が頑張ってのし上がろうとしてると、その会社のCEOかなんかでのしのし弟がやってきて、兄貴を囲うの。
天使がわかんないな、なんか不正でもやってるから「内部告発しろ」とか言ってくる警察かな。
ううむ詰まったのでこの辺にしておきます。
まあとにかくneoteny様の悪墜ちは美しくすんばらしいので、ぜひみなさんGOGO!!
そして10でも20でも魔王サミーと兄貴の物語は読みたいので、素敵なお話しがあったらぜひ教えてくださいませー