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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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アラブ太腕繁盛記14(アラブ―サムとスミスさん)

何ゆえにムパラの原稿に早く集中できないのか。
きっとこれだ。あらぶーが終わらないからだ。ぶーサム(どんどん省略が酷くなる)がハピエンに行きつかないからに違いない。

というわけでとにかく進めよう。アラブ―です。
オフィスラブでロボサム書いてる時も、立ち止まったら色々くじけそうでとにかく終わらせるのに集中したのを思いだしました。ああやばい。とりあえず印刷所に予約だけ入れました。
ああ何書こう…宇宙人と地底人のペーパーだけだとさすがにまずいですよね…






何だろうこの状況は。

ディーンは前を行くサムの背中を見ながら中庭を歩いていた。
白い石で作られた噴水の水が午後の陽に光っているのが目の端に映る。サムが不在のときは扉を閉められて室内から出られない(なにせこの建物は妙齢の女だらけだ)ディーンを、サムは時々こうして連れ出していた。


モザイク模様のタイルと白い砂が敷かれた散歩道の部分は窓からもよく見ていたが、奥庭に進むと意外なほどに植物が多い。庭全体に給水システムが引かれているんだろうなと思いつつ費用を頭の中で試算する。どうせ一族の経営する会社が受注しているのだろうが。
少し風の強い日だった。砂が目に入り、思わず足を止める。
「ディーン?」
サムの声が少し離れた距離から聞こえた。しばらく気付かず先に行っていたのだろう。
「すぐ行く」
言いかけたところで手をつかまれた。そのまま引っ張られ、宮殿に来た時のように手をとられて歩く。
「ちょっと待てって…」
「向こうの東屋に水場がある」
抗議の声を遮られて口をつぐむ。仕方なく薄目を開けて歩いた。


「ここに呼んだとき、『なんのつもりだ』と言っていたな」
しばらく黙々と歩いていたサムが唐突に言う。
「ロキに言われた。手放す気がないならそれなりに扱えとな」
「…なるほど」
実に分かりやすい説明だ。どうせ王族の愛妾という触れ込みなら、現役でパイプが太い方が付加価値が高いに決まっている。


「だけどこんな風に過ごしたのは意外だった」


握る手に力が入ったのに意味はない。多分。
「お前は自分のやりたいようにやってるだけだろう」
「あんたの反応が違った」
言われて一瞬顔が熱くなる。掴まれた手を反射的に振り払おうとして失敗した。サムの手はやたらとしっかりディーンの手を掴まえている。

意外だろうとも。自分自身が驚いたくらいだ。
こちらの都合などお構いなしに呼びつけられ、頭ではこんな奴と思っていたのに、引き倒されたらあっという間に身体の方が反応してしまった。我ながらちょろ過ぎて笑えるほどだ。とっくに冷めたんじゃなかったのか。


「そりゃあお前と違って溜まってるからな」
意識して素っ気なく返す。ディーンとしてはここ数日悶々としたあげく、その結論に至っていた。どうせもともと快楽には弱いし貪欲な性質だ。サム以外に発散相手が持てない状況なんだから希少な機会にがっつくのも仕方ない。
だがサムが呆気なく陥落したディーンを嘲笑うでもなく、甘ったるい態度で接してくるものだからよくわからない状況になっているのだ。
(まあなにせ、愛妾が山ほどいる奴だからな)
ご無沙汰していた相手への対応も慣れているのだろう。


「あんたはどうせ仕事をしたがるとは思ってた」
またしばらく間を開けてサムが呟く。
「あ?」
「だからアメリカから連れてきた時も、いずれはどこかにポストを用意するつもりだった」
「…初耳だな。ずいぶん前と話が違う」
「あんたがもう僕と別れてアメリカに帰るとか言い出したからね。あの時『いずれ』とか言っても聞く耳もたなそうだったし」
いつの間にか、サムの口調が高圧的なものから最初にあった頃のように変わっている。
今さらと思いつつ不快ではなかった。


やはり白い石で作られた東屋で目を洗う。
人心地ついて見まわせば、作りつけのソファにクッションが置かれて、なかなか居心地が良さそうだった。
「少し休むか。茶でも運ばせよう」
呼び鈴に手を伸ばすサムを止める。
「歩いてるだけだから別に疲れない。茶は毎日飲んでるからもういい」
何もすることが無いときには延々と茶を飲んでいるのだ。いい加減飽きていた。散歩に出て一時間も経っていないので喉も大して乾いていない。何か言うかと思ったが、サムはふうんと呟いて「まあいい」と東屋を出た。


もう目のゴミは取れたのだが、サムが手を出してくるのでまたしても繋いで歩く。と、つないだ手が不意に緊張したように強張り、サムが足を止めた。


「サム」
「おやサム。来ていたのか」
声は違うがゆっくりと節をつけるような話し方は妙に似ている。嫌な予感がしつつ視線を上げれば、いつぞやマディソンに画像を見せてもらった奥方達がお供を連れて立っていた。


 


つ、続く


進みが悪い!書きたいのは「庭で奥方達に会っちゃいました」の一行だったのに。あがががが。


 


 


 

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