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本日研修のはずだったのですがトラブルで吹っ飛んだので更新。
気持ちがささくれてるせいか古典的無理矢理ペーパーの二人です。
古典的サミーの古典的呟き。140文字じゃないけど。
…それにしても分かっちゃいるけどいつかどこかで見たようなもんになりますわね~
ありおりはべり、いまそかり。
サムはあの日のことを今でも夢に見る。
万策尽きた部屋の中。ちゃちな壁はもちろん何の役にも立たず、「必ず助ける」と誓った兄は、飛び込んできた見えない獣になす術もなく引き裂かれた。
抱きかかえた身体がどんどん冷たく、固くなっていった時の恐怖は、数年前に倒れた父の姿を見たときとは似て異なっていた。
多分、忘れられる日は一生来ないだろう。
だけど。
閉じていた目を薄っすらと開ける。深夜を過ぎたモーテルの部屋は暗い。だが安物のカーテンを通して入り込む外灯の灯りだけでも、すぐ隣にあるダークブロンドは見て取れた。
(ディーン)
目を閉じた顔は穏やかとは言い難く、最近はすっかりお馴染みになってしまったしわを眉間に浮かべている。今日は抱いている間も快感とは程遠い様子だったから、どこかがかなり痛むのかもしれない。
いつの間にか離れていた身体をもう一度引き寄せる。不満そうに唸るのは無視だ。
目を閉じたまま抗いかけたディーンは、だが離しそうもないサムに諦めたのか腕の中で力を抜いた。
満足して短い髪に顔を押し付ける。
(ディーン)
兄は変わった。地獄でその矜持を折られ、悪魔の誘惑に墜ち、終末への最初の封印を解いた。
自分を恥じて、責めている。そして確かに弱くなった。
それでも生きている。
息をして、温かい。
(ディーン)
息を吸い込むと安っぽいシャンプーの匂いに混じって、懐かしい兄の匂いがする。
(ディーン、ディーン)
抱いた腕に力をこめ、耳元に鼻を擦りつける。あの日のむっとした血の匂いはしない。抱きしめる身体は脈を打ち続けている。
生きている。昔のままの兄でなくても、もうそれだけでいい。
何となく涙腺が緩んできた気がして鼻を啜ると、脇に放り出されていたディーンの手が反射のように動いて軽くサムの背を叩いた。
眠っている間のディーンは、少しだけサムに優しい。
ずっとこうしてサムの腕の中で眠っていてもいいのだ。
その間にサムがすべてを片付ける。
そうすれば禍々しい者たちが消えた世界で、ディーンは静かに生きていける。
目を覚ましたディーンがそんなことを望まないのは見えている気もしたが、今はサムの方が強いのだから、導く役目もサムのものだ。
(連れて行くよ、ディーン)
使えるものは使い、目的を果たし、還ってきた兄をもう失いはしない。
昔望んだ世界が何だったのかはもう思いだせないが、今は戦いの最中なのだから不思議はないはずだった。
そんな二人もきっと最後はハピエン!←言うだけならただよ
あ、しまった。封印の話の後にしたら、仲直りのキーになるかものおじ様(アラステア先生)死んじゃったあとじゃん!
…ま、いっか。