や…やった。
もしやまさかと思いつつ今月は毎日何か更新したーーーーーーー。
いや、ノックは11月末からだったか←もはや朧。
勝手に始めたあほな企画にお付き合いくださいました皆様。
本当に本当にありがとうございました。
構って下さる皆様のぱちぱちやカウンタ、お言葉に元気と気力をいただいて、ノック目標日まで参りましたーーーー。
大晦日の本日はどー考えても午前中から夜中過ぎまでパチパチできそうもないので、もう23本目の2時間後に上げてしまいますよふふふふふ。
31日だもん、嘘ついて無いもん!
最終日はムパラに向けてふーふSDのおさらい。
むぱら21で作ったペーパー「ある日ある時」の対で出すはずだったものです。
もちろん二時間で打ったんじゃなくて発掘してちょちょいといじりました。
ふーふの後朝。弟よりバージョン。
キッチンの方からコーヒーの匂いがしてくるのに惹かれて中を覗くと、少し寝癖のついた頭のディーンがカウンターにもたれてぼんやりとコーヒーを啜っていた。
「おはよう」
「ああ」
「コーヒーまだある?」
「少しならな」
ちらりとこちらを見たきり、少し目を伏せてコーヒーを口に運ぶディーンは眠そうで、だけどそれだけではない。 カウンターに近づいてコーヒーメーカーのポットを持ち上げながらこめかみに軽くキスをすると、小さく息を吐き、少し緊張が緩む。ディーンはくすぐったそうな顔をして、しかし何も言わなかった。
「何時に起きたの?」
「さあ…」
訊くとディーンは時計を探すように腕を見た後、周囲に視線を巡らせる。腕の時計は昨夜外してベッドの周囲に放り出したままだ。
抱き合った朝のディーンは、こんな風にどこかピリピリしていることが多い。かなり久しぶりに夜を過ごした今朝も、それは変わらないようだった。
それでも腕を回して抱き寄せ、小さなキスを繰り返し落としているうちに少し力が抜ける。
何を心配しているんだろう。
いつもそう思う。
ポットに残ったコーヒーを注ぐ。ディーンの言った通りカップに半分程度だが、別に構わなかった。一口飲むと、何となく頭がクリアになってくる。
ふと、今日の予定に頭が向いた。
「今日の調査、どこから始めようか」
そう言いながら振り向くと、ディーンが一瞬黙って、パチリとまばたきをした。ただそれだけなのだが、奇妙なほどに意識に残る。
(………あれ)
何だか妙な感じがする。
「地元警察に行ってからモルグかな。まだ狩になるかどうかわかんねえし」
「うん」
もう一口コーヒーを飲む。噛み合わない何かをはっきりさせたかった。
「ぼちぼち飯でも食いに行くか?」
ディーンが静かな声で尋ねてくる。
「うん」
言いながらもう一度右手でその腰を抱き寄せる。髪に顔を埋めると、シャワーなのだろう、石鹸の匂いがした。
カップをカウンターに置くと両腕で抱き締め、息をつく。
「おいサム、寝ぼけてんのかお前」
ディーンが目を覚ませ、というように軽く背を叩く。
「飯どーすんだ。買ってくんのか、お前がどーのこーの言ってた菜っぱの店か」
「うん」
何だか今、気持ちを散らすと大事なものが消えそうで、上の空で返事をする。
馴染んだ彼の身体。その匂い、体温。背中から手のひらを滑らせ、腰のラインを辿る。
「おいサム、止めろっての」
「朝だから?」
「…」
黙ってしまったディーンの身体を抱く腕を改めて意識する。
昔からとても良く知っている彼の身体。匂い。
何かがひどくもどかしい。
「サミー?」
ふと口調に心配を滲ませて尋ねてくる兄の声に、外れたピースがはまる気がした。
ディーン。
そう、兄のディーンだ。
動揺に強張りそうになる身体を強いて抑える。
求めたのは自分だ。安全なラインを守ろうとしてくれた彼に強引に応えさせた。
これからどうしたらいいのかは分からない。だけどこれ以上傷つけたら駄目だ。それだけははっきりしていた。
どうする。
「サム?」
ディーンがじっとして、だが神経を尖らせているのが分かる。その額にキスをして、改めて胸に抱き寄せた。疑いの余地なく伝わるように。
「僕だよ」
「?」
「ディーン、僕だ」
「……!」
途端に振り払おうとする腕を抑えて、もう一度髪にキスをする。
かみ合わないピースを二つ抱えて、それでもどちらも確かに自分だった。
おわり
さーーーー、というわけでこれはこれですぱっと置いて、心新たに二月のムパラにふーふ本が出るか?
…いや、それはまだ考えたくない。
とにかくこれにてノック終了。
ありがとうございましたーーーーーー!
そしてさよなら2014.
皆様どうぞよいお年をーーーーー(*^▽^*)(^◇^)!!!
よし、寝る!