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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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クリスマスな兄弟酒場で19本目

メリークリスマース皆様。

本日ワタクシは忘年会で、どこかの居酒屋でモツ鍋を突いて過ごします。モツ鍋があれば。
しかしノックは続けたい。
ので、なんと文明の利器でタイマーかけていきます。タイマー。
先に書いておいたネタを、イブの分のアップと同じくらいの時間にセットするのです。っふふふふ…

………最近何だか本当に、人生の中のエネルギーの使い方が間違ってる気がしてきました。
でもいいの。
昔読んだ「ま り と し ん ご」っていう漫画の中で、とあるおばあちゃんが主人公に、
「どんなに馬鹿なことも、続ければ本当になるんですよ」
って言っていた言葉を今、思い返しています。
(いや、そのおばあちゃんが言ってたのは友人への恋心の話だったと思うんですけどね)
このバカな行動が本物になったらどう発酵するんだって感じですが、いいんだい。目標の年内まであとちょっと。

というわけで、無事に上がりますように―。
そしてモツ鍋がありますようにー






ホリデーの兄弟酒場

クリスマスはキリスト教の祭日だが、12月25日は宗派に関わらず大概の店が休む。
一般店舗はもちろん、役所や銀行、レストランの類もだ。
ウィンチェスター兄弟も狩りをしている頃はクリスマスの食料調達には色々苦労したものだった。


しかし過去は過去。未来は未来だ。
狩りをすぱっと引退した兄弟には、過去の食料確保の思い出よりも緊急の検討課題があった。

引退後開業した小さな酒場を、クリスマス当日に休むかどうか。

おかしな話だが狩りの現役当時だったなら、兄弟そろって「休む」ことを選択しただろう。実際には人命を守る仕事故、ホリデーもへったくれもなく駆け回っている年が多かったのだが、それだけに兄弟には「平和でまともなクリスマスを過ごしたい」という欲求が強かった。例え実際に手にできるのがゴミ捨て場から拾ってきたようなリースや、名前だけのターキーサンドであったにしてもだ。
家族で過ごし、屋根の下で明るく暖かい食卓を囲み、料理をとりわけ、団らんし、プレゼントを贈り合う。そんな時間をこの日くらいは持ってもいいじゃないか、と毎年状況は違えどいつも思っていた気がする。
だが引退した現在状況は違う。
奇跡的に二人そろって元気に引退したウィンチェスター兄弟は、今や毎日食卓を囲んで嫌というほど団らんしている。そしてただでさえ不足しがちだった「キリストの誕生日」への敬虔な思いは、強烈すぎる天の使徒たちとの交流で、今やマイナス三桁に届く勢いだ。むしろ手下の監督不行き届きじゃないのかと神の御子にねじ込みたい思いの方が強い。


「だから、意外に行けるんじゃないかと思うんだよね。クリスマスセットとか名前付けて、つまみも強制的に買わす。酒の単価もいつもより二割か三割増しにする」
「うわあ…行きたくねえなそんな店」
弟のがめつい企みに、兄は素直な感想を漏らす。だが、弟はここぞとばかりににやりと笑った。
「他に選択肢があればね。今日ざっと見まわった感じでは、この辺で営業しそうな店はどこもない」
ふうん、とカウンターに肘をつきながらディーンは呟く。
「そもそもクリスマスにこんな酒場に来たい奴がいるかって問題もあるだろうが」
「いるじゃん」
サムはそれにも即答し、ディーンは黙った。
それはまあ、ほぼ毎年実地調査をしているようなものなので、そういう奴もいるのは分かっている。この酒場に足を運ぶようなハンター達であればなおさらだ。


「ばばーんとローストターキーも仕入れちゃおうよ。売れ残ったら冷凍してさ、しばらくは毎日食事をターキーサンドにすればいい」
「むしろ後ろに山になってるお前の好きな菜っ葉類どうにかしろよ」
「…クリスマススペシャルスムージーにでもしようかな」
「なんだそりゃ」
「ストローをクリスマス柄にして、サンタの飾りをつける」
「余計コストがかかるんじゃねえか?」
「そうだね、止める。名前だけにしよう」
「………」


結局兄弟はクリスマス営業を敢行した。
せっかく開けても客が知らないのでは仕方がないので、半月前から店内外に黒板を置き、クリスマスの夜にも営業をしていることを告知する。
営業努力の甲斐あって、25日は酒場は通常の1.5倍の人口密度となり、さらに次に流れる当てもない故に延々と居続け、どんどんへべれけになるムサムサゴツゴツする物体で一晩中溢れた。


「……予想以上のむさ苦しさだ」
「……だね」


敬虔な夜なんか過ごさなくていいけれど、さすがにクリスマスソングをガンガン流し続ける店内で一晩中酔っ払いの相手をするのは疲れた。
「やっぱ止めとけば良かったかなあ」
「来年はやめようぜ。やっぱり酒飲んでテレビ見る方が良いぞ俺は」
ぼやきながら片づけをし、売り上げを見た瞬間、二人は揃って沈黙した。
そして「来年のことはまた近くなったら決めよう」と申し合わせて、とりあえず26日の夜は休むことを決めたのだった。


零細酒場の次の決断は年越し営業をするかしないかになる。

終わり


商売繁盛家内安全。
皆様もよいクリスマスをおすごしくださーい!(^^)!


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