イブだ!しかしチキンは既に昨日食べてしまいました。
去年のイブはふつーに仕事してふつーにハウスのシチュー食べてました。
今年のイブもふつーに仕事で、夜は日本そばでした。
いや、日本人の勤め人の多くがそうでしょう。接客業の人も交通系の人も……そう考えるとめりけんと違って日本のクリスマスは休んでる人よりいつもより一杯働いてる人が多いんですかしら。
拍手ぱちぱちありがとうございます。
勝手にやってるノック企画にお付き合いくださる皆様、ありがとうございます。
皆様のところにたくさんいいことがありますようにーーー!
なんか今日ふと、
「最近アラブだのゾンビだのが多い、普通の狩りしてる兄弟書いてないわ…」
と思ったので、本日は引退した三十路兄弟にします。
狩りしてないやん。でもまあ書いちゃったし!
「あのクソ野郎、絶対ぶっ殺す!」
「ディーン、声が大きい」
走りながら唸る兄をいさめる弟、というのはよくあるパターンだが、諌めているサムの眉間にもびきびきと血管が浮いていて、剣呑な雰囲気であることには変わりない。
平和にのんびり過ごしていた夜が乱されることなど、日常茶飯事だった。
例え今日がクリスマスイブだったとしてもだ。
しかし兄弟は引退したのだ。
だからこれからは日曜は休むし、サンクスギビングにも休むし、誕生日は屋根の下でちゃんと祝う。夏には海に泳ぎに行き、冬はスキーに行く。
行くったら行くのだ。
しかしまあ、引退早々は財布事情だの諸事情だのにより、必ずしも全て実行できたわけではない。というか、日々の暮らしに追われてバカンスどころではなかった。日曜は休んだが。
しかし、今年のクリスマス準備は万端だった。
ツリーも自前で買ったし(盗まなかった!)
料理も調達したし(ジャンクフードだけではないのだ!)
一緒に見るビデオも用意した(サムのチョイスだ)。
その、イブの夜に何を血迷ったか悪魔が出たのだ。ここで、
「二日後に来い」
とか、
「見なかったことにする」
といえないところがハンター気質の抜けない悲しいところだ。
そんなわけで兄弟はイブの夜に、インパラのトランクに封印していたアレコレを引っ張りだして、クリスマスソングの流れる街の裏側を駆けていた。
ちょっかいを出した悪魔の一群としては、しばらく観察した結果、すっかり鈍って無防備になっている元ハンターを捻ってやったらいい気味だ、というのが今回の襲撃の趣旨だったのだが、残念ながらウィンチェスター兄弟はどちらも引退と現役復帰を死ぬほど繰り返してきた起き上がりこぼし的ハンターだった。
弟はクリスマスソングに紛れて悪魔祓いのスペルを大音量でガンガン流しながら走り、兄は走りながら街のあちこちに器用に悪魔封じのサークルをものすごいスピードで書きつける。
結果花火大会のごとくその場で黒い煙を吹く悪魔と、ゴキブリホイホイのごとく、あちこちの路地に封じられて動けなくなる悪魔が続出した。
「死体が出ると埋めなきゃいけねーから止めようぜ」
「うん。この辺良い場所もないしね」
ゴキブリ組の前でそんなどっちが悪魔だ的な会話を交わした後、弟は懐から取り出したハンドマイクで今一度ラテン語を座った目で暗唱する。
日付が変わる前に、押しかけてきた悪魔たちは、揃って地獄に返品された。
最後の一体が煙になって地に吸い込まれるときに、兄弟がそろって
「メリークリスマス!」
と叫んだのは偶然だ。
そんなわけで引退したウィンチェスター兄弟は、無事にクリスマスを暖かい家で家族水入らずで過ごしたのだが、後日「夜間騒音」と「いたずらがき」が酷すぎる、とご近所の奥さん方に説教を食らうことになったのだった。
というわけでメリークリスマスイーブ!!
そして日付が変わってから、やっぱり狩してることに気付きました…