皆様、めっきり寒さが厳しいこの頃ですが、お風邪など召しておられませんでしょうか。
なんかだんだん息も絶え絶えなヨロヨロ文になってる気もしますが、いかにもノックっぽい感じもするのでご容赦いただけると嬉しいです~
前回のノックの時に、スポ根マンガで自主練習している野球部員を思いだした、と某S様が言って下さったことがあり、何か今そんな心境です。
でも遊びに来て下さる方々やパチパチをいただいて気力を出してるから、一人でひっそり練習じゃなくって周囲からがんばれがんばれ応援してもらいながらですね。うおーありがたやー!(^^)!
本日は夜はクリスマス会(宗教観まるでなし。すみません神の御子のお誕生日は明後日なのに)なので、早目に上げまっす。
去年もこの辺で淡々兄弟書いてたんですが、まあいいや。また淡々。
だって毎年クリスマスは来るんですもの!
普通の暮らしに今一つ慣れない兄弟も、二回目のクリスマスとなるとさすがに多少慣れてくる。
だが方向性が違った。
クリスマス休暇が迫ってきたある日、弟は、
「支度や片付けが大変だったからさ、今年はケータリング頼まない?」
と提案し、兄は
「後がめんどくせーから、その辺で一杯やって終わりでいいんじゃねえか?」
と返した。
去年、宴の後の片づけがことのほかめんどくさかった点については、兄弟の思いは一致している。方向性の違いは、それぞれの財政条件が大きい。特にディーンは久しぶりの狩りから帰って数日ということもあって、大量の皿洗いやゴミ捨てなど、今は考えたくもないと主張した。
去年は去年で悪くもなかったのだ。ツリーを買ってきて部屋中に電飾を飾った。慣れないことに二人そろって右往左往したが、誰に見せるわけでもないので気楽だった。
そして今年もツリーは既にどどんとリビングに鎮座している。去年よりも数段グレードアップしているのは気のせいではなくて、シーズン早々に枝ぶりまで注文を付けてサムが発注したからだ。
「お前、今年も家で過ごすのか?最近付き合ってる美人はどうした」
そう、サムとて決して寂しいばかりの生活を送っているわけではない。今も付き合っている相手はいるのだ。だが、
「彼女は実家で過ごすんだってさ」
「へー」
あっさりと返すと、ディーンは気が抜けたような顔をした。ことサムの交際相手が絡むと、気を使うのかいつぞやのように詮索されるのが面倒なのか、この兄はなにかというと外に出ていきたがる。
「そっちの家で招待とかはされないもんなのか」
「まだ付き合って浅いしね。それに遠いし」
「そんなもんか」
肩をすくめると、ディーンはサムに渡されたパンフレットに目を落とす。
「なんだこりゃ」
「ケータリングのカタログ。好きなの選らんでいいよ」
「だから片付けが面倒だって」
「全部業者がやってくれるから」
そう言うと文句を言っていた口がピタリと止まり、ディーンは打って変って熱心にカタログを吟味し始めた。
「クリスマスにこんなんやってんのか。熱心だなあ」
「都会の便利さだよね」
無論、金額も結構高いしチップも弾まなければならないだろうが、弁護士の高給はこんな時のためにこそあるのだ。
実のところを言えば、サムは交際相手から「一緒にうちで過ごさないか」と誘われていた。
昔だったら喜んで招待を受けただろう。
子供の頃は、汚いモーテルの部屋で家族とジャンクフードを食べて過ごすクリスマスが惨めに思えて仕方なかったし、一人暮らしになってからも独身パーティよりは友人宅の家庭的な雰囲気の方が好きだった。好きと言うより「正しい過ごし方だ」という気がしていた。
しかし今はディーンがいて、狩ばかりの暮らしではなくて、過ごす部屋も部屋もモーテルではない。もう昔のように「家族で過ごす」ことに兄の方は拘らなくなっているのは分かっていても、今はサムの方がそうしたかった。
「じゃあこれどうだ」
ディーンが指差したページを見ると、フレンチやイタリアン、エスニックなどのバラエティに富んだメニューは綺麗にスルーして、ターキーの丸焼き、 クランベリーのソース、 ブレッドプディング、 ローストポテトといった実にオーソドックスなものだ。だけどその定番らしいところがいい。
「いいね」
「どうせならボビーとかも呼ぶか?」
「来るかなあ」
いつぞや会った母娘の顔が浮かんだ。だが巨大なターキーの写真を見て俄然テンションが上がったらしいディーンは、早速ボビーにメールを打っている。
「お、今エレンと喧嘩中らしい。来るってよ」
「……早いね」
サムの家の客間はディーンの寝室にしているので、サムは部屋があるだろうかと悩みながら近隣のホテルの部屋を検索する。
ソファーにひっくり返っていたディーンは、何が気になるのかツリーのオーナメントをいじりだした。
(とすると、ボビーのプレゼントを用意しないといけないのか)
正直髭剃りとか酒くらいしか思いつかない。
だが来客に備えて慌ただしく準備をするというのも、何となくクリスマスらしい気がしてサムは小さく笑った。
おわり
ネタだか文だか、いや、荒い文ですねこりゃ。
あと一週間だ頑張れ自分!