まだ続くアラブ―なサムとスミスさん。
スミスさんがまた部長になれる日は来るのか。
いや、それよりもラブに行きつく日は来るんじゃろうか…
拍手やコメントありがとうございます!嬉しく嬉しく拝見しております。
なのにすみませんここ数日なんかぼーっとしていてあちこち失礼しております。
ノックも目標期限まであと10日を切りました。いえーいいえーいあとちょっと頑張ろう。
サムが出ていった会議室の床で、ディーンはのろのろとはだけきった服を直した。シャツのボタンを留め、タイを締め直す。
ゆっくり立ち上がるが、久しぶりだった割に痛みはない。いいように煽られ、何度も高められた余韻が身体の奥で疼くような気がするだけだった。
「会議が終わり次第戻ってくる。部屋まで送るからここで待っていろ」
突っ伏した背に手のひらを滑らせながらそう言ったサムの言葉に従うつもりはさらさらなかったが、デスクに戻る前のレストルームで鏡を見て、今日の外回りは延期を決めた。水で顔を洗ってからチェックした自分の顔の印象は、どう割り引いて見ても「信頼感」とも「冷静」とも程遠かったからだ。
洗面台に手をつき、連絡の手順と今後のスケジュール調整を考えようとするが、なかなか頭がまとまらない。
代わりにくり返し浮かぶのは突然掴まれた腕と、転がされたカーペットの感覚だ。
今後もこれは起こり得る。何度でも。ディーンの都合などお構いなしに、唐突に。
喚きだしたくなる衝動をこらえ、洗面台のふちを握り締めた。
「サムと何かあったの?」
しばらく後の茶会であっさりとマディソン達に指摘され、ディーンは飲みかけていた茶をうっかり鼻に回しかけた。
「なんでそう思う?」
「なんだか元気がないもの」
「雰囲気も違うしね」
女の勘は恐ろしい。いや、観察眼なのか。
「会っただけだ」
と笑ってみせる。見栄を張っても仕方がないのだが、実際外から見れば愛妾が持ち主に抱かれただけだ。騒ぎようもない。
クッションを重ねた椅子の背に凭れ、膝を抱える。
小さな花の砂糖漬けを楽しそうに摘まんでいたマディソンとメグが、
「サムに何か意地悪されたのね」
と不思議な顔で微笑んで、「女性限定よ」と言っていた紫の花をディーンの小皿に乗せてきた。
「何か欲しいものがあるか」と例の侍従を通じて言ってきたのも、いかにも愛妾の扱いらしかった。開き直ってここぞとばかりに携帯端末が欲しいと希望を出したら、今までの頑なさが嘘のようにあっさりと支給された。
ただし、『海外には通話、通信ともつながらない。利用内容は全て王室にチェックされる』という条件がついていたが、周囲の黒服の端末を毎回借りるよりは遥かにましだった。
開き直れ。
そう自分に言い聞かせる。
減るもんじゃない。特段悪いことも起こらない。どうせもとより周囲には知られ切っているのだ。
どちらかというとサムと面会した日の後、日を改めて訪問した取引先での対応がいつもよりよかったことくらいだ。
届けられた端末はごくシンプルなデザインで、昔ディーンが使っていたものと似ている。王室の窓口と例の侍従の番号が当然のごとく短縮番号に登録されていて、予想はしていたもののディーンは小さくため息をついた。
まだ続く
はい、なんか停滞してるあらぶーです。
しかし元がいい加減ですのでははははは
もうちょっと脳内イメージが残ってますので続きます。