例によって変わり映えのしない兄弟。
狩のために「夫婦」ふりをすることになる。これが微妙。
「ふりというか、そのまんまでいいんだね」
とにっこり笑うサム(夫モード)と、
「夫婦って名乗るだけで十分拷問だぜ」
とブツブツ言うディーン。
アパートの部屋でも借りて、そこに住んでるふりをしつつ狩の準備をする。夫婦のふりといっても隣の住人に引っ越しの挨拶した時に、
「家族?」
と訊かれて
「いや、パートナー」
と答えるくらい。
だけど、しばらく経ってからボビーが
「どうだ調子は」
と様子を訊くと、ディーンがものすごく微妙な顔して、
「言いたくねーけど、楽だ………」
と、話してるダイナーかなんかで頭を抱える。
なんのこっちゃというと、最近ますます正常な弟の時と、夫モードになるときの区別がつかなくて頭が痛かったのが、「夫婦のふり」という役割が今はあるので、サムが正気に返った時に妙に接近しててもごまかせる。
「…………ほー」
そんなにごまかしとか気にするほどってのは、どんなもんだとボビーが見てるけど、はたから見ると、夫でも弟でもひっついて行動しているのには変わりない。
「だけど、こんな状態が楽だと思うなんて、俺はさいてーかもしれねー」
兄貴のブラコン及び弟を守らねばの思い込みはかようにいらんほど強い。
「どうだ、大丈夫か」
なのでどうも弟状態らしい(兄貴に行って来ますのキスをしなかったから)サムを捕まえて聞いてくれる親切なボビーおじさん。すると、
「別に。最初はどうすりゃいいんだと思ったけど、結局のとこ夫婦ですって名乗っただけだしね」
それで別に疑われてないからいいよ。
とケロッとしてるサム。
さらに様子を見ていると、確かに夫状態らしいサムがディーンに熱烈なハグとキスをかましている最中にふと動きが止まる。その動きを敏感に察知したらしいディーンが、サムの腕の中でハグされたまま固まる。
だが、あれ、と一瞬考え込むような顔をしたサムはその後「ま、いっか」的にハグとキスを続行し、
「おいサム…」
と確認しようとボビーおじさんが話しかけた時には、また「夫」に戻ってると。
一連の様子を検証したおじさんに、
「もうあれは察知するのは無理だし、サムも構わんだろうから弟でも夫でも気にせんでおいたらどうだ」
とか言っちゃう。言われたディーンは、
「あんたまでエレン達みたいなこと言うなよ!」
ときーとなる、と。
うーん、弟と夫婦ごっこしてるシーンとか楽しそうだな。
「ほら、行くよディーン」
とかサムが腕を伸ばして、ディーンが
「おう」
ってのっそりサムに近づくとか。そうして歩き出しただけで
「いちゃついてんなー」
とか言われて)、
(歩いてるだけでなんでだ!?)
(知らないよ!)
とかひそひそ話すといいです。
倉庫の54000踏んでくださった某様!「兄貴の挙動不審」とかやってみようかと思いましたが入れきれませんでしたーーー
[32回]
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