基本的にですね、無理に連れてこられた部長ですが、多少というか結構サムにほだされたり惹かれたり、当然身体的にもかなり馴らされた段階でサムの方の熱が冷める、というのが基本ですよね。
だって、そうじゃなかったら部長せいせいするだけだもんね。ひでー男だなあサム。
その冷め方も、露骨に冷たくする、というよりは、毎日毎晩通い詰めていたスミスさんの部屋に、来る頻度がちょっとずつ減っていったりするんでしょう。
穏やかに優しく、でも熱は冷めている、って感じかしら。
いきなり他の人に目が行く、というよりは、しばらくスミスさんを口説くのに夢中でおろそかになっていた仕事に少しまた身を入れるようになったりするところからじゃないかなあ。
そんで、周囲の部下も慣れてるんですよ。
「うちの主君は気に入った相手がいると夢中になる。その相手を口説くのが最優先になってしばらくは諫めても無駄。でも、それがずーっと続くわけではなくて必ず熱がひと段落すればまた仕事に身を入れるようになるから」
て感じでスミスさんとこに通い詰めてる時も「やれやれ」って感じで傍にいて、サムが「そういえばあの件は」とか聞くと「やっと仕事に目が向くようになりましたか」とかわざとらしくため息なんかついちゃうんだな。サムのハーレム（突如登場）には、そうして強引に口説かれた女性が山盛りに違いない。そんでみんな自分がサムの一番だった時期は過ぎちゃった状態で、次々にサムが連れてくる新しい人に熱心に通ってる様子を見てるんだろうなあ。
（ここで強引に連れてこられた美男が一杯、にしてもいいんだけど、何となく脳みそが拒否するのでそれはパス）
さて、そして飽きられたスミスさんです。
「あーやれやれ」
とすぐに清々したぜモードに入ってもいいんですが、ここは一つ、最初ちょっとだけ引き留めたいと思ったりしてもいいな。思わず、みたいな感じで。
そしたらサムが困ったように、すこーーーーーしだけ疎ましそうな顔したりすると。ひでえ。
で、その顔を見たスミスさんは「ああ、」とモードを切り替えるんです。
なにせ元々がスミスさん自体も遊び人というか恋多き男ですから、「恋の終わり」にも耐性がある。自分が先に冷めることもあるし、相手が冷めることもある。
熱烈アタックだったサムの態度が変わったことで、
「ああ、こいつは落とすと興味が離れるハンタータイプか」とか分かるんですね。で、自分がまんまと落とされた勲章の一つになったことを認めて、ちょっと苦いものを味わうと。
さて、その後です。
これはスミスさんがどんな形で連れてこられてるのかにもよりますが、まあハーレクインだから適当に「アメリカに留学経験があり、弁護士資格も持ってるサムが、拉致同然だったけど違法ではない形にしている」という摩訶不思議状態でいいや。
で、ディーンもサムのハーレムで部屋を与えられて、屋敷で働く侍女とかからは「ディーン様」とか呼ばれてると。
しかしまあ、恋も終わったからには、大の三十路ビジネスマンがちょっと侍女に敬語で呼ばれたからって閉じ込められた生活に未練は感じない。
なので外に出ようとするんだけど、どういうのがいいかなあ。
選択肢その１
さっぱりとアラブからアメリカに帰ってきてまたビジネスマン。
メリケンの周囲には「サムに引き抜かれた」ってことになっていたと。で、少し間は空いたけどまた仕事を探してサムのことはすっぱり忘れてバリバリと働いたり遊んだりしている。
と、１年後くらいにまた仕事上でサムと顔を合わせる。その時はディーンの方はすっかりサムを「過去に付き合った相手（かなり変則だけど）」カテゴリに入れてて、捨てるのには慣れてても「過去の男」扱いされるのには慣れてないサムがちょっとムッとする。でもディーンもサムに絡まれればやっぱり多少ならず腹が立ってきて、言い合いから互いの胸倉を掴むような展開に。
…………いかん、どうやってハピエンに持っていったらいいんだ。
選択肢その２
攫われてきたディーンはアラブサムと恋に落ちましたがサムが先に飽きました、と。
だけど「じゃあ国に帰る」とディーンが言いだしたら、そう言うわけにもいかないと。ディーンを無理にサムの屋敷に置くために、結婚だか第何番目の配偶者だとか、登録をしちゃってて取り消し不可。
「ふざけるなお前、自分が俺の立場だったらと考えてみろ。俺は世界中飛び回って仕事していたんだぞ、１，２か月なら休暇もいいが、こんな屋敷の中で一生過ごせっていうのか！？」
「…君も僕の傍にずっといたいって言っただろう」
「あんな時の会話は無効だ。そもそもお前ももう別に俺がいなくても構わんだろう」
「だからそう言う問題じゃないんだよ」
結局メリケンに帰るのはだめだけど、この国でなら働いてもよし、とかいうことになって仕事を探すんだけど、「第〇配偶者」みたいなのが国中に浸透しててものすごくスミスさん的には微妙。でもまあ、使えるコネは使うぜ、と働くか、自分で仕事を立ち上げるかする。
出張もするけど、一人で行くのはだめだとか何とかで、屋敷でアラブサムの傍にいた辛気臭い顔の男がいつもくっついてくる。トラブルがあるときには色々と助けの手も出してくれる。でもそれもなんだかむかむかと気に障るディーン。
そして年に１回くらいサムがディーンの顔を見に来るんだけど、飽きてるくせに夫面するのでディーンは大変ムカついて………あかん。これも先行きに恋愛要素が見えない。何をもってハピエンとするかという問題もありますが、ここはＳＤのブログですから、もちろんハーレクイン的にはくっつかないといけません。
えーとえーと
いかん、落ち着こう。
ハーレクイン名作選を読みふけってきた感触からハピエンへの軌道を推測するんだ。定番的展開はなんだ。
最初軽い遊び感覚でディーンにちょっかいをかけたアラブサムが、蜜月期間を楽しんだ後、飽きる。本気でアラブサムに恋をしたディーンは深く傷つくわけだが、意地で立ち直る。
そうしてまた恋人として暮らした家を出て仕事に打ちこむディーン。
サムと仕事で再会しても、ちらとも昔のことをもちだそうとしない。
そして交渉や駆け引きではバシバシと進める。で、サムは「ああ、そういえば最初に彼が気になったのはこの攻撃的な表情だったんだよなあ」とか恋をしたきっかけを思いだす。
なぜかハーレクインマンガというのは、ここで実はヒロインが妊娠＋出産していたりして、
「僕の子供か！？なぜ知らせなかった」
「この子は俺の子だ、お前は関係ねえ！」
「だがその子が僕の血を引いているからには後継ぎだ」
「勝手なこと言うんじゃねえ、他で作れ！」
「後継ぎは連れて行く、その親も放置というわけにはいかない」
…とか何とか言って、ここでも無理矢理の拉致＋結婚「ああれえ～」＋「愛のないままの結婚なんて…」
てな展開に入るんですが、残念ながらスミスさんはきっぱり男なのでそれは無理。
どうすっかな、うーんうーん、
「やっぱり働いてるあんたが好きだな」
とか寄ってくるアラブサムに、
「俺はもう、お前には懲りた」
とか言って遠ざけようとするディーン。
「もう、強引に国に連れて行ったりしないからさ」
と粘るサム。
そのうち、そーいえばこいつは俺がなびくと飽きたよな、とか思ったディーンが一芝居打って、
「実は俺もお前に会いたかった。嬉しい」
とかなびくふりをするわけです。そんでもって一晩くらいなら付き合う。体の相性は悪くなかったから、割り切りと思えばいい、みたいな感じ。
でもそーしたらサムが本気で感激して、
「ありがとうディーン。許してもらえるなんて思わなかった。ほんとに嬉しい」
とか子犬モードに入ってしまい、ディーン内心困る。サムは一晩で飽きるかと思ったら飽きず、一週間も付き合えば飽きるかと思えばまだ飽きず、一か月経っても飽きない。
しまいには国に帰る、というときに、
「ディーンが望まないのに無理に閉じ込めたりしない。今度は遊びじゃないよ。誠意の証にこれを置いて行くね」
とか言って指輪か何か置いて行くと（あのアミュレットでもいいけど）。
ほいほい、とサムを見送ったスミスさんは、頭をがりがり掻きながら、（結局あいつが飽きなかったから単に１か月いちゃいちゃと付き合ってやってしまっただけになった）とか憮然とする。
なんでかというと、芝居だと開き直って付き合ってみたら、スミスさんも残念ながら楽しかったし嬉しかったんですね。ちくしょー、最悪な馬鹿というカテゴリに入れてやったはずなのに、懲りてないのか自分。
で、サムが国に帰ったから、もらった指輪はしまいこみ、意図的にサムのことは忘れて仕事やデートもして過ごす。すると、しばらくしてからまたメリケンに来ていたサムにデートが見つかり
「どういうこと」
とか詰られる。
…………いかん。これもさっぱり終わらない。
でも日付けも変わっちゃうからなんとかしよう。
「自分のものにしたら飽きるじゃないかお前、そんな奴二度と信用できるか」
と言い返すスミスさん、ムッとしたサムですが、
「…じゃあ、この間までのことは芝居だったの」
と悲しそうに聞く。スミスさん、ここでほだされちゃいかんと踏ん張り、
「この間は楽しかったさ。でももう止めようぜ」
とか、
「お前が付き合ってほしいなら、また付き合ってやるさ。今は彼女がいるから、そのうちな」
なんだとー、と怒り狂うサムですが、隣の部下に
「まさにいつもあなたがやってるパターンですねえ」
と言われて初めて本気で反省する（馬鹿だけどそーでもしないと話が進まない）。
そして、
「わかった。ディーンを閉じ込めるのは止めて、僕が国を離れてこちらに住む」
「俺は今彼女がいるんだが」
とスミスさんがぼやきますが、アラブ男との三つ巴を嫌がった彼女にさっさと振られてしまう。そしてサムが押しかけてきて、ルームシェアでもするようになると。
………よし、ここまでくればあと２０Ｐくらいで終わりそうだ。
そして（また心を開いて、また捨てられたら俺は馬鹿だ）と思いつつも、やっぱりサムが近くで笑っていると惹かれてしまい、「ままよ」と受け入れるスミスさん。
そしてどうなったかというと○十年後くらいに
「あそこの二人もねえ」
「長いよねえ、あの爺さんカップル」
「この間も二人で講演散歩してたわよ」
などと言われる状態になり、長生きしましたとさ。
なんかハーレクインと別物になって終わった気がしますが、とりあえず停滞しているよりいいから脳内妄想そのまま垂れ流し状態ですが（大体いつもです）アップしてしまいます。
暑さで溶けた脳にこれだけ刺激を与えるネタをくださったＭめたさんありがとうございますーーー！
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