「しょうがないなあ」
サム・ウェッソンが肩をすくめて笑い、ディーンはいささかならず居心地の悪い思いをした。
自分の方が上司だからという思いは、ウェッソンとの関係がプライベートな領域に移行した時点で封印した(本人的にはだ)のだが、肩書を取り外してみても少なくとも自分の方が4歳は年上なのだ。
だというのになんというのか、ウェッソンと過ごしていると自分が何かしらの文句を言ったりごねたりして、ウェッソンが苦笑しつつ譲ることが多い。
「なんでお前がいつも折れるんだ」
聞きようによっては無体な言いがかりだが、とある休日の過ごし方で揉めた後、いつものように笑って折れたウェッソンにディーンはかみついた。
ビジネスなら別にいい。自分の要求が100%通るのがベストだ。だがプライベートでは勝てばいいとも限らない。何となくだがウェッソンは、貯め込んで爆発しそうなタイプにも見えるのだ。だが、そんなディーンの苦情にもウェッソンは笑う。
「だって、あんたと一緒にいたいんだもん。それに一緒にいる時間も短いから喧嘩したくもないし」
そう言われて詰まる。駆け引きだの、腹の探り合いだのには慣れているが、こんな風にストレートに言われると戸惑う。自分は多分言えない。お前と居たいから譲るなんてことは。
「それに結構どーでもいいことだしさ」
そこにディーンの感慨を見事にぶち壊すような声が耳に入ってくる。
二人はそれからまたしばし揉めたのだが、怒るディーンをウェッソンが宥めて、最後がキスで終わるというパターンは、結局のところいつもと同じなのだった。
…アルコールで麻痺した頭にもやまなし落ちなしいちゃのみありなのは良く分かる…
そして653文字
いつもならここで140文字を放棄して終わりますが、アルコールインなので粘ってみよう。
「しょうがないなあ」
サムが肩をすくめて笑った。二人でいるときは何故かいつもサムが譲る。ディーンの方が4歳年上なのにだ。
「だってあんたのこだわりって結構どうでもいいことだし」
だけど年下の恋人がけろりとそう言うので、反省していたディーンはまたムッとして固い腹をぼすんと殴るのだった。
ふふふふふふふふふふふっふふ。
やったぜ。I did it !
139文字ですよお嬢さん。
でも、これだけ読んでもスミス&ウェッソンってわかんないね。それが問題だ。
[17回]
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