さて、ムパラは終わりましたが相変わらず何をしているかというと、ほぼ毎日SDのことは考えて過ごしているんですね。
ある意味すごいですね、3年もほとんど毎日おんなじ兄弟のことを考えて過ごすって!!
しかしここ数日頭を回っているのは、長男と次男じゃなくて三男のことです。
年に1回くらいしか会わないお父さんが買った恨みで、お母さんと一緒にグールに食い殺されちゃったアダム。
しかも天使の都合で生き返らされて、ミカエルの器になっちゃったアダム。
さらに初めて会ったに等しい自称二番目の兄と一緒に地獄の底の底に落ちちゃったアダム。
さらにさらに、死神の親玉が二番目か三番目か、平等に助けるチャンスをくれたのに、一番上の兄ちゃんにコンマ0秒で「サム(Notアダム)」と即答されてしまったアダム。
もう、朝から晩まで休日なしに働き続け、理不尽な顧客の要求にさらされる日本のサラリーマンでさえ、
「アダムの不幸を思えば自分なんて…」
とクマの浮いた顔で朦朧と呟いてしまうくらい、
不幸のオンパレードのスパナチ界においても
「アダム」イコール「不可抗力かつ壮大な不運の象徴」
と言っても過言ではありますまい。
しかしですね、
天使にも悪魔にも逆らい続け、暴言と暴行を重ね続けたウィンチェスター兄弟と違ってですね、アダム君は天使に別に大きく逆らってないんですよ。
そして、檻に落ちたルシファーとミカエルはですね、
腐っても墜ちても大天使です。
特にミカエルからすれば、自分に従順な、器になった人間です。
…………ルーとミーにとって、どこからどう見ても諸悪の根源のサミーちゃんと同じ扱いをするでしょうか。
だから例えば、W兄弟が出会ったどこかの天才霊媒師がですね、地獄の檻の中の霊にアクセスできたとしましょう。
「アダムは一体どんな目に…」
上の二人は聞きたくないけど、分かるものを聞かないのも酷いかと、聞く羽目になるわけです。
そうすると
霊媒師「うーーーん、ううううーーーん」
サム「貴方は誰ですか?」
霊「……アダムです」
サム「今、どうしていますか」
霊「………お腹いっぱいでもう食べられません」
サム「………」
霊「ビキニのお姉ちゃんがいっぱいで、誰から声をかけようか迷っています…」
なんてこともありえるんではないでしょうか。
そーーして思わず記憶の壁をひっかいちゃったサムが、
「…そうだった、僕がルシファーとミカエルにずたずたにされてる横で、アダムは檻の中だけど『楽しい夢でも見ていなさい』ってミカエルが作った結界の中でいつもむにゃむにゃ言ってたんだ…」
とか思いだしちゃうとかね!
いや、それだけなんですけど、アダム君が地の底で実はなけなしの天使精神の恩恵にあずかってるといいな…という願望でした。
[24回]
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