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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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その後二人はどうなった2(サミ誕記念OLP)

なにせサミ誕ですからね。
気合が入ってます。
更新2回目いきまーす!








周囲がディーンへの対応に迷っていても、当のサムにはそんな思考回路は無いらしく、クソロボ社長が仕事中のディーンに容赦ないのは以前と同じだった。そして口と性格の悪い上司から、日々悪口雑言を浴びせられる環境にいると、『心の耳栓』とでもいうものが発達する。思ったことをそのまま口にしすぎる超合金無神経の上司が相手ならなおさらだ。

「呆れたな」
今日もちょっとしたミスをしたディーンは、先程からガラス目玉の上司の面罵に耐えていた。心の耳栓と丈夫な神経のおかげで胃腸薬だの安定剤だのの世話になる必要はないが、くそみそな言われように腹が立つことは変わりない。
そして一通り罵ったあと、思い出したように、
「言っておくが解雇も異動もしないぞ」
と余計な一言を付け加えてくるのがさらに腹立たしい。
いや、ぜひ異動させてくれ。喜んで僻地でも海外でも行ってやる。
脳内でそう叫びつつ、口に出しては、
「そうですか」
とのみ答える。元々秘書なんて柄ではないし、サムが来てくれと対面で頼んでこなければ考えもしなかったポストだ。ああ、外回りの営業に戻りたいとこんな時はやはり思う。

幸か不幸か効率的思考のロボは部下の罵倒に長々と時間は使わないので、実際罵倒の時間は大して長くない。ムカムカしつつ自分のデスクに戻ると、ボビーとカスティエルが振り返った。
「先方に連絡しておけよ」
ボビーに言われて、
「分かってる。すまん」
と短く返す。
チームに迷惑はかけたのは事実なのでそこは反論しない。サムの物言いに対して過剰にムカつくだけだ。避雷針業務がなんだというのだ。勝手に周囲との摩擦熱で燃え尽きてしまえ。

そして間の悪いことに、こんな日に限って夜サムと約束があったりする。はっきり言って顔を見たくない。
約束がなければ今日は絶対にどっかに飲みに行って夜中まで部屋には帰らないのだが。部屋で一緒に夕食を取ってもいいかと思った数日前の自分を呪う。
(後にしよう。とりあえず仕事だ)
ディーンは帰宅後のことについての憂鬱な思考を一旦脳内から追い出して、デスクに向かい直した。

・ ・ ・ ・

「くっそ…」
帰宅したディーンはイライラとネクタイをむしりとる。
最後の数時間は特にボスと個人的な会話も罵倒もなく過ぎたのだが、やはり全くその気にならない。
「行きたくねえ…」
普通の人間相手だったら迷わずキャンセルするのだが、相手はバカロボだ。
気が乗らないと部屋に閉じ籠れば窓ガラスを割って入ってきそうな気がするし、会ったが最後、食事だけですむことはまずない。
かといって今夜どこかにとんずらすれば、明日の自分が苦労するのが目に見えている。
つまり明日の仕事をぐちゃぐちゃにするか、諦めて今夜サムと寝るかの選択になるわけだ。
何度脳内でシュミレーションしてみても、どこで自分が我慢するかの選択以外に頭が行きつかない。個人的な時間のことを仕事に持ち込むなと言っても、そもそも自分のポスト自体が大いなる公私混同の賜物だったりするから今さらだ。

いらいらとしている間にも約束の時間は過ぎている。
「くそ」
ディーンは毒づき、引き出しの中に入れていた鍵をつかむと立ち上がった。

随分前に渡されたが、さっぱり使うことのなかった合鍵を使い、チャイムも無しにサムの部屋に入る。ずかずかとリビングを通り抜けダイニングで少し驚いたように振り向くサムの腕を、入った勢いのままつかんで、ぐいぐいと寝室の方向にに引いた。
「なんだ」
怪訝そうに見返すサムの顔を見ながら吐き捨てる。
「うるせえ。話をする気分じゃねえんだよ。さっさとやることやって俺は帰る」
言いながらシャツを脱ぎ捨てた。
「脱げよ」
ベッドに向けて顎をしゃくる。
サムは相変わらず何を考えているかわからない目でディーンを見ながら、ゆっくりとシャツのボタンに手をかけた。

(畜生)
ディーンは心のなかで呻く。サムをベッドにつき倒して、性急に身体を繋げたまでは良かったが、その後がよくない。
ろくすっぽ準備もせずにサムを受け入れたので体は無茶苦茶痛いし、さっさと済ませて帰ろうと思ったのに、相手は一向に終わりそうもなかった。
そして。
「さわんじゃねえよ」
腰に触れてきた手を乱暴にはたき落とす。さっきから手を出しては振り払われているサムは、だが懲りる様子はなかった。
「なにを怒ってる」
いつもの平たんな声でそう聞かれて頭に血が上る。
「自分が言ったことを忘れたかよ」
言ってから眉をしかめる。口も聞きたくないのにしゃべってしまった。だが無神経大王はそんな心境知ったこっちゃない。
「あれは仕事場の話だろう。今は違う」
「あーそうかよ」
都合のいい奴めさっさと終われ。そう内心喚きつつ身体を動かすが、痛みの方が強くてなかなか思うようにはいかなかった。
サムの手が支えるように背中に回るのを避けて身をよじる。無理にねじ込んだ下半身がまた痛んで、うめき声が出そうになるのを噛み殺した。
サムが少し眉を顰めながら言う。
「仕事場にプライベートを持ち込むなと、言ったのはあんただろう。だからそうしてる」
「うるさい」
首を撫でようとする手のひらをまた払う。
「触らせないと終わらないぞ」
見透かされたようでまたむかっ腹が立つ。叩き落とすのをやめるとサムの手はムカつくようなスローペースで下からディーンの身体を辿りだした。その動きはディーンの焦りを無視するように、いくら噛みついても変わらない。
(畜生)
次第に苛立ちとは別の熱が、体に溜まり始めるのを感じて低く呻く。
背中をそっと撫でる手に身体が跳ねそうになるのをこらえた。そういえばこいつはこんな時だけ妙に辛抱強いんだったと今さら思い出す。
下にあるサムの体もまた、熱を帯び始めているのがせめてもだった。
「……っは」
息が洩れる。
(畜生)
性懲りもなく頬を撫でるサムの手がうるさい。だが払い落そうにも、次第に腕が身体を支えるので手いっぱいになってきて、思うように動かせないのが酷く口惜しかった。
サムの親指が唇に触れ、そっと辿る。
(触るな)
口の中に受け入れるのを拒んで顔を背けるが、サムの手はやはり怒る様子もなく穏やかに顎のラインを撫でた。


 ・ ・ ・ ・


結局、単にものすごく積極的な奴になっただけのような気がする。
むかむかしながらディーンは服を拾って引っ掛けるように身に着けた。
無理にねじ込んだ下半身はズキズキ痛い。慣らしてきた方が良かったことは分かっているが、それもまたムカついてしたくなかったのだのだから自業自得ではある。
サムがシャワーを使っている間に、とにかく帰ろうと靴下を探す。水音が止まったので焦ってそのまま靴を履いて寝室を出ると、時遅くローブ姿のサムとでくわした。
「シャワーは」
「いらん。帰る」
そう言って通り抜けようとするが長い腕が邪魔をする。
「まだ怒ってるのか」
「やることやって帰るっつっただろうが」
言っとくが部屋に来るなよ。と吐き捨てて腕を振りほどく。が、でかい図体と壁に挟まれてしまった。
「なんであんたはそう、寝ることにこだわるんだ?」
本気で訊いているのは分かるが、火に油だ。なんとなく脱力しかけていた身体に沸々と苛立ちが戻ってくる。
「話す気はねえし、飯を食う気もない。追っかけてくんな」
部屋に入ってから初めて正面からサムの顔を見た。相変わらずガラスのような、動じない目。


もう一言も口をきくものかと思いつつ玄関へと向かった。ダイニングを通ると二人分の食事の支度のしてあるテーブルが目に入る。ケータリング業者でも呼んでいたらしい。少しばかり胸と腹がチクリとしたが、黙ってそのまま部屋を出る。
サムは追ってこなかった。


 


それから数日、社長と秘書は、正しく社長と秘書だった。
「どうしたんだ」
ボビーが尋ねてきたので、よほどぎすぎすした雰囲気が出ているのかもしれない。
「すまん、ちょっとな」
「痴話喧嘩だな」
唐突に横からカスティエルに言われて文字通り飛び上がる。
「はあ!?そんな可愛いもんじゃねえよ」
「君たちはどちらもでかい成年男子だから、痴話喧嘩も可愛くないだけだ」
「違うってのに…」
「まあいい。避雷針効果は変わっていないから心配するな」
カスティエルはディーンの抗議を意に介さずポンポンと肩を叩くとふらりと自分の仕事に戻ってしまう。


痴話喧嘩だか職場のぎすぎすした人間関係だかはその後しばらく続いた。


続く

さあ、第三弾はサミ誕に間に合うのか?←今書いてる
まあ間に合わなかったら「エアスパコミ」ってことにするからいいんだぜ。大人はこうしてどっちに転んでもいいように備えているものなのさ。えへへ


 


 


 

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