うわ。ついに来たこんな日が。
ぱ ず ど らとアルコールはいつも通りだけど、ノックが腰が重いぞ。思いつかん。
しかし筋トレと同じですねきっと。しんどいと思ったときが脂肪燃焼や筋肉増強のチャンスなんだわ。
…よし、脂肪燃焼とくればスミス部長だ。←偏見。
「…何やってるの」
合鍵で入ってきたウェッソンが不思議そうな声を出す。
「見れば、わかる、だろうが」
対するディーンはリビングの床で仰向けになって膝を曲げ、両足を椅子に乗せている。
下っ端アルバイトのくせに実は金持ちで食道楽のウェッソンに、「あそこのタイ料理」だの「あの店のサラダが」だのと誘われるままに付き合っていたら、見事に腹周りに脂肪がついた。
最近はジムに行くことも減っているのでなおさらだ。(ジムに行かずに何をしているかというと恋人と映画を見たりデートしたりといちゃいちゃしているので、当然脂肪が燃焼するわけもない)
「クランチ?悪くないけどディーンの場合はまず全身運動した方がいいんじゃないのかな。ウォーミングアップした?」
「…うる、さい」
会社を出た帰り道で別れて、買い物をしてくるというサムより先に帰宅して、シャワーを浴びようとしたところで思い立ったのだ。ウォーミングアップなんぞしていた日には、身体が温まる前に時間切れになっていただろう。
「ふうん」
ディーンと同じジムに会員登録しているサムは、座り仕事のくせに筋肉ムキムキの体型からも分かるように運動マニアのけがある。
お前の腹筋の割れ具合はお見事だが、いまここでトレーニングの薀蓄たれだしたら殴ってやる。
そんな決意を胸に、もう一度身体を丸める。筋肉がぶるぶると震える限界まで姿勢をキープするのがトレーニングの基本だ。
幸いというかなんというか、ディーンの思考が伝わったのかどうかはわからないが、サムはいつもの薀蓄レクチャーを始めるでもなく、フリッジに買ったものをしまっている。
「あのさディーン」
「なんだ」
取りあえずもうだめだというところまで、腹周り向けのトレーニングを3セットほど続けて気が済んだディーンが水を飲んでいると、炭酸水に入れるためのライムを切っていたサムが振り返った。
「トレーニングしたい気分だったら、明日の夜は外食じゃなくって久しぶりにジムに行く?」
「ああ、まあ、いいが。予約取ってたんじゃなかったのか」
ロスにあるローフードの店が支店をだしたとかなんとか。
「また別の日に取ればいいよ。ジムで少しトレーニングして、デリで何か買って帰ろう」
その方が家でゆっくりできるしさ。
言いながらグラスを脇に置き、顔を近づけてくる。ディーンは少し眉を上げて、それを受けた。
さっきまでは妙にむかむかしてこんな接触する気はさらさらなかったのだが。
(何だかうまいこと丸め込まれた気がするな)
サムの唇はグラスの水のせいか冷たくて、微かにライムの匂いがした。
おわり
為せば成る!!!!!がんばったぜあたし。何が何だかだけどとりあえず書いた!
[20回]
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