いやー、イブの当日に何をやってるんでしょうかわたくし。
いえ、チキンもケーキも食べました。
しかしそれをすべて昨日やってしまったので本日は普通にハ○スのシチュー食べたら暇なふつーの夜だったんですよね。
はっと気づくとまた停滞していましたので(J2をがーっと書いてて突っかかり、没にしたところで止まりました)寂しいから淡淡でもいいのでクリスマス風景をあげまーす。
色気もそっけもない兄弟でもいい方はどうぞー。
「……別にお前が好きならいいけどよ。何か変じゃねえか?」
「…まあね」
夕食を取りながら兄弟はボソボソと話す。
クリスマスを迎えるにあたっての準備でも、なにせ体験が少ないので当たり前がわからなかった。
「酒飲んでターキー食ってテレビでも見りゃいいんじゃねえの?」
というディーンの態度がいささかめんどくさそうだったのにムッとしたサムは、ちゃんとしたクリスマスにしてみせると息巻いて仕事の合間にネットで検索したのだが、残念ながら30過ぎた男兄弟が二人で過ごすクリスマスの平均的項目というのは出てこなかった。
いっそのこと当日に思いついたのなら時間切れで済んだのだろうが、数日の猶予があったのでサムはさらに頭をひねった。
とりあえずクリスマスの定番ソングの入ったCDを買い、シャンパンは高かったので発泡性のワインを買い、店員に勧められたキャンドルも買った。
このキャンドルが致命的に何か違った。
「別に勧められたからだけじゃなくてさ、確かに前に使って良かったなあって記憶はあったんだよ」
サムはターキーを切りながら主張する。
「そりゃ間違いなく女と一緒の時だろうが」
「………」
そうだったかもしれない。
だが自分の立場を悪くする返事はしないで済ます弁護士だった。
部屋の中ではツリーと壁に飾られた電飾がチカチカと光り、テーブルやキャビネット等部屋のあちこちにはキャンドルが置かれている。
「ま、女となら見えづらいのも使いようだよな。塩でも探すふりして手の一つも握るとかな!」
「…うるさいな」
実際にやった覚えがある分ムカつく。この兄と発想が同じというところも。
「なあ、食いづらいから電気つけねーか?」
「やだ」
買ってきたからには使うしかないぞと、固い決意を露わにする弟に、ディーンはまあいいけどなと肩をすくめる。
幸い夜目は利くのでろうそくの明かりだけでも困るわけではないのだ。
「なんかあれだよな。こういう山ほどキャンドルが並んでると降霊術とかやってるような気分になるよなー」
「没薬ないし。大体ディーン呪文覚えてないだろ」
「なかった、の間違いだぜサミー」
「へえ」
「悪魔祓いもお手のものだ」
「よくラテン語読めるようになったね」
「親父の手帳をコピーして発音記号を振った」
「…うわあ、邪道」
「ちゃんと祓えたぞ」
微妙な方面から昔話に突入したが、不思議と穏やかな会話になった。笑い合って酒を注ぐ。
辛くても嫌でも。ウィンチェスター家の日常には狩があった。共通するものを思い出すのは仕方がない。思い出として口にできるだけ今はいい。
「仕事が休みで家でのんびりしてるだけでもいいのかもね」
「給料前だからそうそう散在できねえよ」
そしてあえて今の仕事も話題にする兄が嬉しくてまたサムは笑った。
帰ってこない父と子供だけで過ごす心細さとか。
食べ物がない部屋とか。
明るい窓を羨みながら銃を手に歩いた夜とか。
なるほど、これはあの日を共にした家族とでないと分かち合えない感覚だなとサムは内心でうなずく。
あの寒さに比べたらキャンドルの微妙さなど些細なことだろう。
どうも身体も無意識にうなずいていたらしく、テーブルの向かいでニヤニヤ笑うディーンにサムは舌を出した。
そして食事の後、本日の山場として行ったプレゼント交換で、ディーンの贈った「眉間のしわ取り用クリーム」と、サムが贈った「音楽DL用プリペイドカード」は、どちらも罵声とともに相手に投げ返されたのだった。
平和だよね。メリークリスマースしょくばでこの!
そしてジャレッパ、第二子のお誕生おめでとう!!