なんか久々にまめに更新スイッチが入ったので今日もどんどこどん。
とか言いつつおくのはまたも同居してるだけの兄弟ですが。
そして先行き考えてないJ2をどーしたらいいのー?と呟いたら、いろいろなアイデアをいただきました。そのうちまるっとパクッて書いたらごめんなすって。
拍手ぱちぱちやコメントありがとうございます♪
更新ネタがひと段落ついたらお礼をさせていただきますね。
「FBIです。話を伺いたい」
「…お答えできる範囲でしたら」
ちらりと示されたバッヂに目をやり、落ち着いて答える。
なんで民事がメインの法律事務所に、ハンターが来るのだろうと思いながら。
・・・・
「…んで?ハンターが来てお前どうしたんだ?」
風呂から上がって冷蔵庫を漁りながらディーンが尋ねた。
「顧客の話はできないから令状持って来いって追い返した」
テーブルに肘をつきながらサムが答える。
「やっぱ弁護士は聞き込み相手に向かねえよなあ」
と背中が笑った。
「知り合い?」
ビールの瓶を持ってテーブルについたディーンに尋ねると、
「多分な」
と眉を上げて肩をすくめる。
ああそうか、とサムは思い返す。身分詐称をしている最中に本名を名乗るわけがないのだった。何種類ものIDを突っ込んだダッシュボードを見て育ったというのに、この数年遠ざかっていたことでかつて身に着けた常識を忘れている。
「思い出さなくていいぜ。ハンターの知り合いなんかいても厄介ごとに巻き込まれるばっかりだから」
頭の中を読んだようにディーンが笑う。
サムは黙ってうなずいた。その通りなのだ。自分についた悪霊を祓ってもらう以外で、ハンターと関わってもろくなことはない。近づけばそいつが背負っている様々な因縁に巻き込まれる可能性も増える。
家族とさえ離れた自分だ。
赤の他人であるハンターとわざわざ関わる気はなかった。
・・・・・
「なんだこの野郎生きてやがったとはなあ」
だがしかし、関わる気がなくても関わってしまうこともある。サムとディーンが珍しく(本当に珍しく)バーで一杯やっていたところ、先日のFBI捜査官がディーンに話しかけてきたのだ(どうやらお目当ての魔物は仕留めたらしい)。ハンターの情報網は馬鹿にならなくて、サムの名前を聞いた瞬間にウィンチェスターの出奔した次男坊だと気づいたという。
そしてしばらく雑談をする中でディーンが本命の悪魔を倒したことと、サムがディーンと暮らしていることを知ると不意に黙り込んだ。
「どうした?」
ディーンが軽い調子で尋ねると、50を少し越えたぐらいに見えるそのハンターはぐい、とテーブル越しに身を乗り出してきた。
「引退したと言ったな、お前」
ただ事でない様子にサムは少し緊張するが、ディーンは平たんな顔で頷く。
「ああ。撃退はするがな。今はもっぱらそれオンリーだ」
「元凶のクソ野郎は片付けたわけだ」
「ああ」
「で、弟の所にいると」
「ああ」
「弟は狩のことも知っての上なんだな」
「ああ」
知ってるというか、サムが途中で狩から離脱したのだが、ディーンはあえてそれには触れなかった。
中年のハンターはしばらく食い入るようにディーンの顔を見ていたが、やがてぐしゃぐしゃと顔を歪める。その目が妙に潤んでいるので、サムはぎょっとした。
「仇を討って、足を洗って、身内と暮らすなんてなあ…そんなことも稀にゃあ起こるもんなんだな…」
何を企んでいる、と咄嗟に思ってしまったサムだったが、どうやら相手は本当に感動しているだけらしかった。
「…驚いた」
ハンターがディーンの肩をやたらバシバシと叩いて去った後、サムは黙って飲んでいるディーンに何といったものか分からずに呟く。ちらりとサムを見たディーンは口の端で小さく笑った。
「ま、いいんじゃね?そんな嘘みたいなこともあるって思えると、ハンター業にも多少の希望も持てるってもんさ」
「……」
話の流れ的には兄はハンターとしては大変ラッキーな「上り」をしたということなのだろうが、相も変わらず今の状況を長続きはしないと思っているらしいことが端々からうかがえる。
それを否定してもどうせ兄は静まりきった顔で頷くだけだろう。自分だって確信があるわけでもない。
だけどあと5年か10年、この日々が続いたらその時は、「ほら、だから言っただろう?」と笑ってやろうと思う。
「おーい、サミー?またなんか小難しいことぐるぐる考えてやがんのか」
分かっているのかいないのか判然としない兄の問いかけに、サムは先ほどの兄の表情を真似て、口の端で笑ってみせた。
とかとか
だって今年は二人でクリスマスにターキー食べるんだよ!
って言ってやりたいサミーでした。