えー、例によって予想にたがわずオフライン原稿につっかかって停滞しております。
いけないわ、なんだか停滞が常態化してきている・・・ブルブルブル。
拍手やコメント、アンケートへのご回答ありがとうございます!
ここまで伺ったからには落とせないのよ自分!?とさらに気合を入れております。
…でも入れすぎると固くなるので扱いづらい脳みそです。とほほ。
そんな中、原稿もしておられるのに更新をヴァリヴァリとしておられる咬さんが
「兄貴がサムをともだちと思いこんじゃう」ネタ
というのを書かれておられまして・・・・・!!!
いやーーーーーん、それ素敵ー、私もやりたーい!
と、著作権侵害なことを叫びましたら、寛容にも使用許可をいただきました。
・・ので、うれしがって書いてみましたが、なんか違う・・・・
もっとポップな感じにしたかったんだけどな・・・
そんな読む気の失せるネタメモでも見てやっていいぜ、という方はどうぞー
「昨日見つけたんだけどな」
インパラに乗り込んだところで、ディーンが丸をつけた新聞の記事をサムに渡した。
「どう思う?」
「怪しいね」
「ここから程よく離れてるし、どうだ?」
「いいんじゃない?」
サムが頷くとディーンはにやりと笑って、エンジンをかけた。
・・・
どうも災難に会いやすい兄は、今度はサムが弟であることを忘れて「ともだち」だと思っている。
最初気が付かなかったのだが、狩りが終わってモーテルでさあ休もうとなったとき、実に澄ました顔で
「シングル二つ」
と言ったのでサムは仰天した。
「ディーン!?」
でんぐり返ったサムの声に、今度はディーンの方が驚いたらしい。
「な、なんだよ」
振り向いて目をぱちくりするその表情を見ているうちにサムはじわじわと異変があったらしいことを理解した。
狩の間に、魔物と格闘したディーンは一度倒れ、それに魔物が覆いかぶさっていた時があった。鉄のパイプでぶん殴って吹き飛ばし、兄には大した怪我もない様子なのにホッとしたのだが、外傷以外のダメージがあったらしい。
「いや、ツインでもいいけど。その方が安いしさ」
一応言ってみたのだが、ディーンは何とも言えない顔をして、
「いや、さすがに男二人でツインはねえだろ」
と言い切ってくれた。フロントの親父がディーンと同じような表情をしているのを見て、サムは言い募るのをやめた。違う。僕は弟なのであって、脈のない相手に言い寄ってるゲイじゃない。
「ともだち」と認識されて変わったことは、大きいところでは部屋が分かれたことで、細かい干渉が減ったことがそれに次ぐ。しかしながら狩りの時にはリーダーシップを取りたがるのは同じだ。
ああそういえば兄が誰かと対等な立場で狩りをするのなんか、正直見たことがなかったなあ、とサムはインパラの助手席でぼんやりと考えに耽る。父には服従、それ以外は自分が頭分だ。
全般的にサムが鬱陶しがるような心配はしなくなった。仕事も任せられるようになった。
「弟」であることを忘れられて以来、サムはとんとディーンから「年下」も「お子ちゃま」も「4歳差」も聞かない。成人してしまえば4年くらいの差が何だというんだという、常日頃からサムが主張している通りの待遇だ。
だがしかし。
「おい、どうした」
黙った様子が気にかかったのか、ディーンが声をかけてきた。
「別に…何でもない」
記憶があろうとなかろうと、弟であることを忘れようと、懐に入れた相手にお節介を焼こうとするのも変わらないらしい。不意に涙腺が緩みそうになるのを慌てて抑える。
『原因がわからん』
昨夜ボビーと交わした会話を思い出す。
『ことによったら難しいかもしれん』
走り出しそうになる悲観的な考えに首を振る。今まで降りかかってきた最悪な事柄に比べれば、遥かにましだ。そう自分に言い聞かせる。
「おい、サム」
悩みのオーラが漏れてしまったらしく、ついにディーンは車を路肩に止めて、助手席の方に体を向けてきた。
「話せよ」
少し寄せた眉、まっすぐこちらを見る碧の目。
「サム?」
ぶっきらぼうだが優しい低い声。
ああそうとも。まともな神経の男なら、30近いともだち相手に「サミー」などとは呼びかけまい。そう呼んで欲しいわけでもない。ただ、忘れられたのが腹立たしい。
責めるようなことではないと分かっているのに、甘ったれた文句が口をつきそうで、サムは奥歯を噛みしめてもう一度、
「何でもない」
と繰り返す。「ともだち」にはそれほどしつこくないらしい兄は小さくため息をつくと、
「まあいいけどな」
と呟いてもう一度エンジンをかけた。
という感じで。
何か大事な萌えポイントを置き忘れている・・・・!
咬さん、せっかく使用許可もらったのにすんません!土下座!
反省しつつ原稿書いてきます・・・