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昨日今日と涼しくて、うれしさ満載です。
なので書きかけて止まっていた淡々同居もアップできそうです。
るるる~♪ 涼しいわばあや。生き返るわ、ほほほ。
拍手ぱちぱちありがとうございます!コメントもうれしくうれしく拝見しています!
あ、そうだ。11月のむぱらにまたも申し込みをいたしました。
受かるといいな~♪♪
そして涼しさとあまり関係ありませんが、今回は暑がってない同居兄弟でーす。
追記:涼しいのでさらに調子に乗って、倉庫の手入れを思い立ったのですが、PCを新しくしたらビルダーのバージョンも新しくなり、体験版をいま試しているのですがちょっといじるとすぐ停止してしまいます・・・!おおのお!
なので倉庫が相変わらず荒野になっていますが、今しばらくお待ちくださいませ・・・
「ちょっと待ってて」
サムは運転席でセルフォンを開いた。
『どうした』
自宅の電話にかけると、ディーンはすぐ出る。声の感じから切迫した状況でもないらしい。安全が確信できなかったら断らなければという頭しかなかったサムは何となくへどもどする。
「あー、その。これから帰るけど、ちょっとお客を連れてくから」
『オーケー、じゃあ俺は出かけ』
「それはいいから!」
思わず強い口調になってしまい、驚いたように黙る兄と、驚いた顔でこちらを見るガールフレンド双方に「ごめん」と謝るはめになった。
自宅のドアを開けると、居間にいたらしいディーンが出てくる。めでたいことにごく普通の格好だ。家の中は血や硝煙やおかしな薬草においもしなければ手入れ中の武器を慌てて隠したようすでもない。今回の留守は調査だけだったのかもしれないな、とサムはとっさに思う。
「やあ」
「お邪魔します」
兄弟が同居をしているのも、そこに弟のガールフレンドが来ることも別におかしくはない。
ただ、ウィンチェスター家の兄弟は、兄も弟も一対一ならともかく、家族としての人付き合いの体験が圧倒的に少なかった。なので(ナンパ風になっちゃいかん)と意識したらしいディーンがややギクシャクと挨拶して、早々に部屋に引き取った後、結局サムの方も落ち着かず、「さっきの人、本当に兄弟?」といらぬ憶測を呼ぶことになった。
・ ・ ・
「あー、あのなサム、この間の彼女どうした」
数日後、珍しく夕食のタイミングが合ったときにディーンがビールを飲みつつ突然尋ねた。
「ん?」
夕食のインスタントヌードルをかきこんでいたサムが視線を上げる。
「いや、別にどうも・・・」
はっきり気まずくなったわけではないが、結局その後連絡を取っていないし、あちらからも特に連絡はこない。
そう言うとディーンははああああ、とため息をついた。
「そーだよなー。家まで彼女連れてきておいて、ニュース番組一緒に見て帰すんだもんなあ」
「聞いてるなよ」
「聞こえんだよ。耳がいいもんでな」
お互い飲み食いしながら合間に文句を言い合う。実際のところはちゃんとそれなりにいいムードになったりもしたし、兄弟真偽疑惑が発生したりしたあと話題転換にテレビをつけたらニュースだったとかまあ色々あるのだが。
「うー…」
少し間が開いた後、ディーンが変な声を出したのでサムはヌードルの欠片を摘み上げるのを中断して「なに?」と訊いた。
「やっぱ、俺は別に暮らした方がいいか?」
「え?」
「それか、お前がガールフレンド連れてくるときは外にいるとかな」
俺はモーテル暮らしのプロだから、何が聞こえようと気にしねーけどな。
言いづらいのかサムの方は見ずにテレビを睨みつけながらボソボソ呟く。
いい年をした兄弟だし、今はディーンもそれなりにまともな収入もあるので一般的に考えれば普通の発想だ。
だが、サムは兄が『家族で暮らす』ことに昔からどれだけこだわっていたか知っているし、サムの家で居心地の悪い思いをさせたくはなかった。一方で兄がサムからの家族愛的なものをほとんど期待していないことも残念なことに身に染みていた。
自分が家業に背を向けて好きな道に進んだ後、父の執念に付き従って『母の敵討ち』を終わらせた兄は、まだ30手前なのに自分の今をおまけの余生のように考えているところがある。
「やだよ」
だからあえて子供っぽく即答する。
「あん?」
「兄貴が出てくのは無し。顔見えないと心配だろ」
理性ではなく、感情で言っているのだと強調した言い方をする。
「心配? お前が? あ、偽造カードの利用とかか?」
予想通り兄は嫌味でもなく不思議そうに聞き返す。
「それもあるけどさ、怪我するとか帰ってこないとか、離れてたらいちいち気になるじゃないか」
言い切ってからサムは心の中で身構える。自分は今よりももっと苛酷な時期に兄と父とのやり取りを拒絶し続けてきた。今更なんだと言われるのはごく自然な流れだ。というか自分なら言う。
だが、案に相違して兄は驚いたように目を丸くして、そして笑う。
「へー、サミーちゃんがそこまで心配なら置いてもいけねえな」
皮肉も当て擦りもどう見ても見あたらない反応に、サムは何だか情けなくなってくる。
徹底的に期待されていないから、過去の自分を棚上げしたこんな言いぐさでも喜ばれてしまうのだ。
しかし、真面目に過去の負い目やもろもろに向き合うと、正直深刻な話題すぎてどうなるかわからない。…ので、とりあえずディーンが家を出る件を引っ込めたところで、この話は広げないことに決めた。
弁護士などやっていると、心底納得してことが進むことよりも、過程はどうあれ目指した結果が得られた所でよしとすることを覚えるのだ。
「なんでこんなにはっきり言ってるのに本当に兄弟かって疑われるんだろう」
ヌードルのスープを迷った挙句少し飲みながらサムが呟いた。
「IDでも見せるか?」
こちらはもうすっかりテレビに集中していたディーンが適当な返事をする。
「職務質問でもないのに普通見せないだろ。却って怪しい」
「家族写真とかありゃあいいんだけどな」
「・・・なかったっけ」
「最近のはな」
なにせ悪魔を追いかけていた時期は違法行為も日常茶飯事だったので、二人が子供時代、父は極力写真は残さないようにしていた。
「お前が2歳くらいの時のならあるぞ」
「僕ってわかんないし」
「でかくなったもんなあ」
「・・・・」
「・・・・」
しばらく部屋には沈黙が満ちる。
「おやじ一人のはあるんだけどな」
「ディーン一人のもあるよね」
「お前のはそれこそ山とあるわけだよな」
「・・・・」
「・・・・」
再び部屋には沈黙が落ちる。
「「合成するか」」
とても珍しいことに声がハモった。
それからしばらく二人は暇な時間を見つけてはサムの卒業式だの遊園地だの適当な公園だのを背景に、「家族写真」を合成することに熱中した。そのヴァリエーションは結構な枚数になったのだが、ディーンとサムはともかく、父の写真が全部一緒だったものだから、並べてみると怪しさ満載で結局飾るのは止めてアルバムにしまいこまれることになった。
色気も何もないまま終わる
弁護士云々は、あくまでもサミーの考えです。
色々まずいこともあるけど、兄ちゃんが出ていくと僕の心が痛むからここに居ろよ!
てな感じですね。いやもうほんとに色気も味気もなくてすみません。
そして兄貴は時々合成した写真をにゃにやしながらパラパラめくり、サミーは兄がパラパラアルバムを見てる様子を見てにやにやするわけです。
狩り以外で兄弟初の共同作業ですなあ。