あけましておめでとうございまーす!
日記も小遣い帳もさっぱり続かないワタクシが、いかに趣味の世界とはいえ、1年以上もこうしてブログを続けておりますのも、一重に遊びに来てくださり、応援してくださる皆様のおかげです!
どうかこの1年が皆様にとって素敵な年になりますように!S8の後半ももうすぐ始まるしね!←まずそこに行くのか。
てなわけで超短いですがS6状態の兄とサミの新年風景でーす。
※補足 せっかく新年タイマーをかけたのに、日付が大晦日のままだったので修正。細かくてすんません・・・
「新年だ」
サムが呟いた。
窓の外に、花火が打ち上がる。今泊まっているのは結構大きな街中の宿だ。
繁華街も近いので、外には真夜中でも結構人の気配がある。
「そうだな」
答えるディーンは資料調べに余念が無い。黙々とページを捲り、狩りに必要な事項を横のノートに書き写している。理想的なハンターの姿だ。外が浮かれていても酒を飲みたいとも言わず、年に一度の新年といっても騒ぎたいとも言わず、着々と狩りに備える。
もう、自分から積極的に魔物を狩りたいとは思っていないくせに、依頼があると即座に黙って立ち上がる。今回のように。
「その本が終わったら、後は明日にしない?」
サムは提案する。実際、今日の時点で準備できることはし尽くした。ディーンは少し室内を見回して考えていたが、
「そうするか」
と頷いた。サムの提案を鵜呑みにもしなければ反発するわけでもない。機械の様に、兄の行動には無駄が少なくなった。
「新年のさ、目標ってある?」
サムがビールを渡しつつ話しかけると、ディーンは少し意外そうな顔をした。そして、
「この狩りを終わらせて、帰る」
と言った。
「それだけ?」
サムが聞くと「ああ」と答える。そして、決してサムに「お前は?」とは訊いてこない。だからサムは自分から口火を切った。
「僕は、兄貴の魂を取り戻す」
言うとディーンがパチリと一回瞬きをした。
「取り戻してどうする」
「戻ればわかるよ」
ドオンドオンと、花火の音は続いている。
火花は密集した建物の間から一部が見えるだけだったが、音は数秒遅れでずしんと響く。
「戻す魂が存在しなかったら?」
平らな声で兄が問う。単なる可能性だし、ディーンは故意にサムを傷つけようとしているのではない。分かっていても腹の中が冷える。
「あんたの欠けた部分が、もう戻らないなら・・・」
潤みたがる涙腺を叱咤して窓の外を見下ろす。花火、祭り、笑い声。あんたが好きだった色々なもの。
「欠けたままのあんたが、どうしたら幸せになるのか見つけてやる」
「不要だ」
「僕の目標だ。あんたのじゃない」
淡々とした声を出したい。兄にこの言葉が伝わるように。事実を冷静に。
「不要だと言った」
「僕も僕の目標だと言った」
祭りの喧騒は続いている。
断続的に花火に照らされる部屋の中で見つめあいながら、兄弟はしばらくそのまま動かなかった。
てなわけで、新年早々ハッピー度が低いですが、サミーは魂があってもなくても兄ちゃんが好きなんだよ!
と叫びつつ、一撃離脱の根性で今年もがんばります!
[20回]
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