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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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修行しなおし(21000HitリクエストW一家14)

21000のキリ番リクエストくださいましたku様、ありがとうございました~
平和で色気無しのW一家でございますー。

ちなみに、前回、文というよりネタだなあと思って番号つけませんでしたが、ちょっと見返すと一家の妄想はほとんどこんなかんじなので前回を13とカウントいたしました。隅から隅までテケトーなサイトで申し訳ないです。
時期的にはですね、12の続きです。13の時期はこれまた適当ないつかだと思ってくださいませ。



ふんふんふん、と鼻歌が聞こえる。
ディーンが掃除機を持ち出して、リビングに引きずっていった。ゴーッゴーッと作動音がして、10秒ほどで止む。

次に庭に面した窓のカーテンタッセルを外し、ちょいちょい、とカーテンをいじる。
ひだがくずれてバラバラのぐちゃぐちゃになったが、何とか締め上げてもう一度まとめた。

くるり、と後ろを向くと、転がる掃除機はそのままに、キッチンへ行く。小振りなジョウロに水を汲み、家の中にある観葉植物に水をやり始めた。
「あ」
ゴムの木に水をやりすぎて、下の受け皿から水が溢れる。
「ま、いっか」
靴の裏でごしごしと床に水を広げ、そのまま通り過ぎる。
その後もディーンは玄関、リビング、ダイニング、キッチンを不規則に移動し、行く先々で物をいじっては散らかし、そして現状回復する作業を繰り返していった。


「・・・教えたはずなのに」
ディーンの姿を物陰からうかがいつつ、ドロドロとオドロ線が見えるような声でメアリが呟く。
「・・・・・」
「・・・・・」
同じく物陰に潜む夫と次男は懸命にもコメントを避けた。
フラフラと家を汚して廻るディーンを、さっきから家族みんなで観察しつつ付いて回っている。


「掃除も洗濯も、一通り教えてるはずなのに、なんでなのあの子は!?」
「そりゃ、普段全然やらないからじゃない」
うっかり次男が口を滑らせる。
「でも、私が教えた時はあんなに真剣な顔で『オーケー分かったよ、マム』って言ってたのに」
「いや、でも兄貴楽しそうにやってるじゃない」
「かえって散らかっているがな」
今度は次男のフォローを、うっかりジョンが潰した。


その後計15分ほどあちこちを散らかしたディーンは、リビングに戻ってくると
「やれやれ」
と伸びをして、雑誌をもってソファに転がる。そしてパラパラとお気に入りのグラビア雑誌をめくりながら昼寝を始めた。

「・・・・なるほど。ディーンが思う主婦は、あれでいいわけね・・・」
「落ち着けメアリ。結果はともかく『楽しく鼻歌を歌いながら家を手入れして回る』というイメージは、決して悪くないぞ」


「家長」と思い込むサムの呪が解けたと思ったら、今度はディーンが自分を「主婦」と思いこむ呪にかかってしまった。

もう少し補足すると、前回の呪は解けたのだが、サムが解呪の際にうっかり弾き飛ばしてしまった欠片を、東の町に住む偏屈オヤジルーファスが何を思ったか打ち返し、さらに西の町に住む引きこもりハンターエルキンスがもう一回打ち返して来て、町内に戻ってきてしまった。それをディーンが半ば責任を感じて引き受けることになってしまい現在に至るわけだ(呪の打ち返しの原理についてはややこしいので省く)。

なんにしてもメアリに言わせれば
「なんでこう、呪の扱い一つ知らないハンターが多いの・・・」
という事態だ。かといって、
「じゃあ、君の知識を本やサイトとかで広く知らせるかい?」
とジョンが提案してみても、
「そうすると敵にこっちの手の内を知られるしねえ・・・」
と難しいらしい。シンプルな幽霊対策などは広く一般に知らせても支障ないが、最近はうっかりハンターの心得を記したハウツー本などを出すと、悪魔はもちろんシェイプシフターやシュトリーガなどもせっせと購入して研究するらしいので油断は出来ない。

「二人ともお爺ちゃんの家に修行に出そうかしら・・・」
メアリが呟くと、ジョンは困った顔をした。義父と義理の息子も色々あるのだ。
「こんなときばかりお義父さんを頼るのも悪いだろう。訓練なら君と俺でやった方がいいんじゃないか?」
「いやよ。いまさら何週間も山籠りのサバイバルなんて」
「・・・」
「父はまだ一人で毎年籠ってるのよ」
「もしかしてお義父さんの夏と冬の長期旅行って」
「そうなの」
「・・・あの、マム、僕は新人だからそう長い休暇は」
「そうね、サム“は”仕事があるからダメね」
とっさに自分だけ保身を図ってしまったサムは兄を見捨てて逃げて良いものか迷って口をパクパクさせるが、言葉が続かずに結局閉じる。
いい年をしてハンター矯正キャンプに送り込まれそうになっているのも知らず、ディーンは平和に陽当たりのいいリビングでウトウトしていた。

「・・・これで満足して解ければいいけど」
「どうかしらね」

と、そこへ朝からどこかに消えていたカスティエルがひょっこり現れた。
「ディーン」
「キャスか」

物陰組に緊張が走る。
まだ、家族は誰もディーンに姿を見せていない。下手に呪の影響で役割を振られるとややこしいからだ(笑いを堪えるのに苦労するという話もある)。呪いは野良天使に何の役を割り振るのか。

ひょい、と腹筋だけで起き上がったディーンは雑誌を放るとカスティエルに向き直る。
そして腰に手を当てて言った。
「外から帰ったらすぐ手を洗えよ。おやつあるから」

「子供だ」
「子供だな」
「いくつだと思ってるのかしら」

ボソボソと囁きあう家族の視線の先で、いつも通り眉をひそめた天使はさっぱり理解していないであろう動き方で、それでもキッチンのシンクでぎこちなく手を濡らし、ポタポタと水を垂らしながらディーンに向かって言った。
「洗った」

いや、それは濡らしただけ。

と突っ込むのは観客だけで、ディーンは満足そうに「よーし」と頷いた。それから(えーと)と声がしそうな顔で周囲を見回して、とりあえずサイドテーブル上にあったビール瓶を渡す。
「ほれ」

違うだろう!!

両親は心の中で突っ込むにとどめたが、修行の足りない次男坊は思わずドアの影から転がり出てしまった。ただでさえ過剰なビール消費の増加が見過ごせなかったこともある。

「サミー」
「何やってんのディーン。キャスも」
兄の碧の眼がサムに焦点を合わせ、パチリと瞬きをする。

「お前、仕事休みだったのか?」

勝った!大人だ!!

瞬間サムは勝利感に浸って天を見上げる。
そして例によって不可解そうな天使の視線を感じてへらりと笑った。
その様子を逐一両親に観察されているという事実はこの時飛んでいる。

「・・嬉しがっているな」
「ほんとにすぐ顔に出る子ね」
「ああいう風で弁護士は大丈夫なもんかなあ」
「意図的にコントロールできないならダメよね」

なにやら浮かれてディーンに話しかけ始めたサムから視線を移し、ジョンとメアリはこちらにじっと視線を向けてくるカスティエルをちょいちょいと手招きした。また不審そうに眉をひそめた天使は、ほんの数歩の距離なのだがわざわざ一度消えて、二人のいる物陰に現れる。

「なんだ」
「念のために聞くけど、あなたディーンの呪を解ける?」
メアリの問いにカスティエルはしばし沈黙した。視線を合わせたまま重々しく呟く。
「すまないができない」
「あらそう」
ここまではいつものことだ。
「天使の力と加護をあまりにも君たち家族に片寄らせすぎていると、先ほど上から注意を受けた」
「・・・・・」
「・・・・・そうなの」
ハンター夫婦は沈黙する。
人間の身の悲しさで、この天使から一体何の加護を受けたのかさっぱりわからない。エンゲル係数が一人分上がった他に、何かいいことがあったのだろうか。

「私たち、2,3日留守にするからディーンとサムを見ていてくれる?何か危ない事態になったら教えて欲しいんだけど」
「それだけなら」
「おいメアリ?」
「いるとややこしいことになるわ」
「危なくないのか」
「一人で置いておくのはまずいけど、もうサムがいるからいいでしょう」
「ふーむ」
「じゃあ、このまま行くからサムに『期待してる』って伝えてね」

微かに頷く天使を置いて、両親はさっさと車に乗ってプチバカンスに出てしまった。ジョンが車を覗き込んで驚いていたので、荷物は積み込み済みだったらしい。

ウィンチェスター家にはサムとディーンが残され、夫と設定されたサムは擬似夫婦生活(子供つき)に少なからず浮かれたが、その後ディーンから、
「いい加減俺らは倦怠期なんだから、しっかり浮気ぐらいしてこいよ」
と謎の激励をされて凹むことになる。

ちなみに呪いは今度こそきれいに消えて、メアリは息子たちをハンターブートキャンプに送り込むことを、何とか勘弁してくれたのだった。


めでたしめでたし

kuさま、お待たせいたしました~ W一家でございます。・・・・ええと、自分でも分かっていたことながらやっぱりこんな感じののん気さでございました。
ママはいつも一番偉いのでナチュラルなのですが、天使はやっぱりあまり役に立ってくれませんでした。きっとこの後、天使の力を使うのを禁止されたのでディーンに携帯電話のかけ方(前に使ったことあるけど、時間がたったので忘れてると思います)を教わりながら「2人は変わりないぞ」とか連絡してきて、メアリは怒り狂うだろうと思います・・・

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