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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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夫婦で出奔!(出奔兄貴・夫婦SD編)

飲みすぎと睡眠不足から復活しました。
えー、某師匠から発火ネタをいただいた「飛び出せ兄貴!」の夫婦版です。

時期とかあまりつじつまは気にしない方だけどうぞご覧下さいませ~
大体、解呪キャンペーン中の感じです。(なんだ大体って・・・)



部屋の中にはディーンの怒鳴り声が響いている。
「いい加減にしろよ!!」
心なしか足をふらつかせつつ、ディーンは床に散乱した服を拾って身につけた。
「ディーン」
「うるせえ!よせってのに毎日毎日しつこくやりやがって」
ふーふーと毛が逆立ちそうに怒り狂っている。

怒っちゃいかんと普段なら思うところなのだが止まらない。
怒っているにはわけがあるのだ。

この頃のサムはますます夜しつこい。
やめろと言っても止めてくれと言っても、もう勘弁しろと訴えても聞きやしない。
いちいち数えてはいないが、ディーンが覚えている限り、3回以内で終わったためしが無い。
毎日だ。
毎日3回以上。
元気なのはわかったから、ちょっと程度というものを考えろと思う。お前の好きな節度とか慎みやらはどこへやった。
(前に直接聞いたら、「馬鹿だね、ちゃんと好きな人相手じゃない場合だろそれ」と笑われた。馬鹿はお前だ)
だが、それだけならば不本意ながらまだ耐える。

ついさっき下っ端悪魔が一人、防御をかいくぐって家の中に侵入してきた。そして、寝室で声も嗄れてへたっているディーンの様子に爆笑してくれたのだ。
「ディーン・ウィンチェスター!噂には聞いていたが本当だったとはな!」
見上げた突撃レポーター根性だが、ぎゃっはっはと大笑いが終わらないうちに後から鬼のような顔をしたサムが現れ、あっと言う間に引きずって行くと始末してしまった。ラテン語の詠唱と叫び声からして乗り移られた身体は無事だろうから結構なことだ。


「大丈夫?ディーン」
そしてサムは、何事もなかったかのように戻ってきてディーンを気づかう。
「ごめんね。キッチンでジューサー使ってたら気づくのが遅れちゃった」

ジューサー?ああ。また何かヤギの餌系の朝飯を作っていたのか。狩りをしないのんびりした生活のせいか、サムのヤギ餌的食生活はますますグレードアップしている。好みの食生活で心身ともに快調らしく、起き抜けにさくさくとラテン語を暗唱し、悪魔祓いなんか朝飯前、を地でいっている。
今、その表情には純粋に心配しか浮かんではいなかったが、ディーンはキレた。

悪魔の侵入に気づいた後も、ディーンはほとんど動けなかったのだ。
魔物を前にしてハンターが動けないとは言語道断だ。
なぜそんな事態に?
サムが毎晩毎晩しつこいからだ。
下手すれば毎日毎晩しつこいせいだ。
悪魔にこの状態を嘲笑われるのは、ある程度覚悟はしていたが、自分がいざという時に動けないなんてのは想定外だ。ありえん。
ただでさえものすごく色々色々不本意な状況のなかで、ディーンに残されたハンターとしての沽券にものすごく触れた。

というわけでディーンは怒り狂いつつ上着を掴み、インパラのキーを掴む。
ちょっと迷ってセルフォンもデニムのポケットに突っ込んだ。

「ディーン?」
サムの声にも振り返らない。

ここで振り返ったが最後、うっかり足が止まる。
止まったらあのくそ長い腕がどうせ回ってきて、引き寄せられたが最後、なんのかんのと丸め込まれて、下手すれば朝飯前にまたもう1ラウンドに持ち込まれかねない。
元気すぎる男は迷惑だ。

「ついてくんなよ!」
そしてインパラと飛び出したというわけだ。

しかし、本気で雲隠れするわけにもいかないのが辛いところだ。サムがああなのは根本的に呪いのせいなのだから。
とりあえず今の家の生活圏からは離れた辺りで適当な宿に転がり込む。

最初の数日はひたすら寝ていた気がする。
狩りをしていたわけでもないのに不思議だが、枕の下に銃とナイフ、ベッドの下に聖水のボトル、窓とドアに塩のラインをひいて、文字通り昏々と眠った。
外出は最低限、近所のダイナーとバーに少し行った程度だ。

適当に飛び込んだわりにはモーテルは清潔で快適だった。バーにもちょっとびっくりするような美人がいた。
残念なことにすぐにモーションをかける元気はなくて数日間黙って飲んでいたが、何が幸いするかわからない。すぐ言い寄られることにうんざりしていた美人のバーテンダーに却って好かれた。
ディーンが引いている分、相手が来るということか。
「仕事?」
「いや、今は休暇だ」
これは新発見だ。今後のために覚えておこう、とディーンは思う。

近所のダイナーも結構美味い。
何日か通っていたら、オーナーで恰幅のいいおばちゃんに
「食欲が出てきてよかったわねえ」
と目を細められた。私にも息子がいてねえ、とか言いながら野菜スープをサービスしてくれるので、断れずに飲んだらやたらと喜ばれた。ディーンが飲んでもおばちゃんの息子にビタミンが行くわけではないのだが、息子もどこかの店で野菜スープを飲んでいるかもしれないし、サムの作る山羊の餌より数段美味いのでまあよしとする。

ついでに暇つぶしで買ったスクラッチが嘘のように当たった。モーテル何泊分かになるので使い切るまでここにいるかな、と朝食の時に親父にまとめ払いしたらモーテルの朝食のランクが上がった。ものすごく珍しいことがよく起こる。

休暇だ。
とモーテルの前でインパラを磨きながらなんとなく思った。

1週間を過ぎ、スクラッチの金が尽きるか尽きないかの頃だった。
そろそろカードを使わないとな、そう思いながら馴染みになってきたバーのカウンターに座っていると、不意に背後に気配を感じた。
振り返ると、見慣れた長身が立っている。

来たのか。
居場所を探されたのはそう意外でもない。インパラは目立つし、ディーンは初日にカードを使っている。サムはまじめな顔をしてかなりの腕のハッカーだ。
腹を立てている様子はない。まあ、そんな筋合いもないのだが。
視線が合うと、ニコリと笑った。呪にかかってアホになっていようとも笑った顔は同じでえくぼの出る場所も同じだ。ディーンはなんだか盛大にあーあ、とため息をつきたい気分になる。
「ディーン」
「何だよ」
いかん。うっかり反射的に不貞腐れた声が出てしまった。引っ込みがつかずに隣にかけるサムをじろりと睨む。弟なら一撃で眉間に皺が寄るところだが、夫は穏やかに口を開く。
「そろそろ帰ろう?」
「・・・・」
黙ってそっぽを向き、グラスを傾ける。
サムがプンスカ坊主でなく、穏やかで大人びた態度を取られると、こっちの方が不貞腐れたくなるのは何故だろう。
これまた面白くもない発見かもしれない。面白くないので追求するのは止めよう、とディーンは心中で呟いた。どうせ呪が解ければ終わる現象だ。

「ね?」
ね、じゃねえ。
心中で突っ込む。声に出さないのは、こんな場所で痴話げんかもどきの言い争いをしたくないからだ。
黙ってグラスを空けて立ち上がる。
「もう帰るの?」
声をかけてくるバーテンにちょっと笑って手を振る。実にもったいない美人なのだが、馴染みになるにつれ、色気と言うよりは姉かなにかのような雰囲気になってきた。今も心配そうにこちらを見ている。
大丈夫だって。こいつは俺の弟なんだ。しかも今、ちょっと呪でパーになってるから変なだけで、もともとは真面目な男だから。
「ああ」
言えない事が多いのはいつものことだ。
一緒に立とうとするサムに、バーテンが声をかける。
「ディーンの友達?」
瞬間ぎくりとしたが顔には出なかったと信じたい。
サムの「僕はディーンと夫婦であることは堂々と言うよ!」という態度は、正直に生きたいゲイには嬉しかろうが、弟の看病に身を捧げている兄ちゃんには大迷惑だ。コソコソしてくれ、頼むから。
のんびり穏やかに過ごした場所で、恥と噂話の種を残していきたくはない。
「うん、まあね」
なので、濁したサムの返事にひどくホッとする。
あとはうっかり肩に手なんか回されないように急いでバーを出た。

今更まこうとしても無駄なので、まっすぐモーテルに向かう。
「なんだ、知り合いか?」
声をかけてくる親父に
「まあな」
と肩をすくめてみせて部屋に入った。鍵を閉めて向かい合う。
正直、まだ帰ろうという気分ではなかった。だが、理屈ではさっさと帰ってやった方がいいのは分かっている。相反する思考がまとまらず、結果としてまたむっとした顔で相手を睨んでしまう。
「まだ、怒ってる?」
「当たり前だろうが」
手を伸ばしてくるのを避ける。途端にサムが悲しそうな顔をするので、反射的に怯む。が、譲ってやるほどの気にはなれない。
「あの悪魔が気になってるの?」
「・・・それもある」
サムはあの日、詠唱で悪魔を地獄に送り返した。
ということは突撃レポーターはある意味無事に本拠地に帰ったのだ。覚悟していたこととはいえ、自分のみっともないザマが現地レポートされていると思うと、ふつふつと腹が煮えくり返る。
「夫婦の寝室を覗く下種なんて、気にしちゃだめだよ」
真剣な顔のサムに、思わずへたり込みそうになる。

うん。
お前の世界では今、そうなんだよな。
でもなー。あと少ししたらお前、今の状況忘れるしなー。

へたり込みついでに、サムが正気に返った後こそ、悪魔達が嬉々としてこのネタを使うだろうということも想像がついた。途端にディーンの頭には、『そのときにサムをどうやって守るか』という命題が閃く。
仕方ない。
こんなところで病人相手にフテている場合ではないのだった。
自分は兄だ。
帰らないと。
帰って弟を守らないと。
馴染みきった思考が脳内に戻ってくる。

だがしかし。
ちょっと思考に浸っているうちに、サムが距離をつめてきた。
うお。
目を見開いたのが分かったのだろう。ゆっくりと手を伸ばしてくる。
脅かさないようにしようとしているのが丸分かりで、お前は俺を何だと思ってるんだと思いつつ、視線を合わせたまま何となく動けなくなった。
ゆるく抱き寄せられ、手のひらが頬に触れる。

「僕に触られるのが、嫌になった?」
抱き返すでもなく、見返すディーンの頬をそっと撫でながら、悲しそうにサムが言う。
「・・・・そういう問題じゃねえ」
そう、嫌になったとかそういう問題ではないのだ。
「触られるの、嫌じゃない?」
「・・・別に嫌じゃねえよ」
いった途端に回った腕が身体を引き寄せ、距離が縮まる。サムの首に顔が触れそうなくらい抱き寄せられる。嗅ぎなれた匂い。確かに嫌ではない。だが問題はそこではない。
程度だ。程度なのだ。だが、それを言ってしまって解呪に差し障らないかふと迷う。
「あの日、悪魔を部屋に入れちゃったから怒ってる?」
「?」
瞬間、何を言われたのか分からなかった。
「僕が気づくのが遅れたから」
「はあ?」
お前が楽しくジューサー回して悪魔の侵入に気づくのが遅れたからなんだって言うんだ。
俺が動けりゃ問題ないんだってーの。
「お前じゃない。俺だ」
顔も見えないので、この際言ってしまうことにする。どうせあれだ。メンドクサイ平等精神のある弟だから、ディーンが我慢をしすぎると、またそれが不満につながるのだから。
「もうやめろって言ったらやめろよ。悪魔が出たときに動けないんじゃ話にならねえ」
サムの肩越しに壁にかかっている時計を見上げてボソボソ言う。
まったくもって大の男がする要求としては情けない限りだ。
サムがどんな顔で聞いているか見えなくてよかった。今目が合ったら、いたたまれなくて思わず殴りそうだ。

「わかった、気をつけるよ」
ディーンの思考回路が見えないサムは、ぎゅっと抱きしめてからディーンを離す。
どんな顔をしているかと思ったが、やはり穏やかで先ほどよりはホッとしたような表情をしている。
「気をつけるから、もう帰ろう?ね?」
「・・・・・・・・・・」
なんでこいつと話していると、俺が駄々っ子のような扱いになるんだ。
体温が離れたことを感じつつ、ディーンは性懲りもなく覗き込んでくるサムを睨んでしまう。
「・・・気をつけるってホントかよ」
「約束する」
「・・・・・・」
「ねえディーン」
「なんだ」
「キスも嫌じゃない?」
「はあ!?」
「キスをするのも、嫌になってない?」
「・・・・・・ねえよ!いちいち訊くな。変質者かお前」
これは一体何の羞恥プレイだ。
「程度を考えろって言ってんだろうが。程度だ!」
思わず声がでかくなり、押さえる。そしてすかさず近づいてきた顔を手のひらでブロックした。
「ディーン?」
「・・・ここじゃやんねえぞ」
2,3秒沈黙した後、サムは破願した。
「うん。帰ってからだね」
「・・・・まあな」


何となく話がついてしまい、ディーンは諦めて荷物をまとめる。
もとよりほとんど荷物はないので、数分もかからなかった。
「いい町だったなあ」
インパラに乗り込みながら、何となくディーンが呟くと、
「僕はひやひやした」
とサムが笑いながら言った。
「何が」
振り向くディーンに、
「僕の大事なパートナーに誰かちょっかいかけてたらどうしようと思った」
真面目な顔でサムが言う。
「アホか」
この弟の目には、今一体どんな凄いフィルターがかかってるんだろう。
解呪と共に記憶が無くなるのは幸いだ。自分の言動覚えていたら、羞恥のあまり崖から飛び降りかねない。
「ディーンも飛び切り綺麗で可愛くて危なっかしいパートナーを持ったら分かるよ」
「・・・」
なんだか鳥肌が立ってまた殴りたくなったので、ディーンは耐えてカセットのボリュームを思い切り上げた。
弟なら「うるさいよ!!」と喚くところなのだが、アホな夫になっている今は「すぐ照れる」と言って笑っている。大音量の中でも聞き取れてしまう自分の耳が憎い、とディーンはサムを振り返らずに思った。


そして結局2人は元の家に戻って来たわけだが、その後のサムの夜の態度は、
「ディーンに負担をかけないように準備を入念にする」
だの、
「うっかりやりすぎてしまった後は、間違ってもまた魔物が入ってこないように入念に見回る」
だので、結果としては控えめに言っても元の木阿弥であったらしい。



ちゃんちゃん



はい!久々に夫婦、で、しゅっぽん兄貴でした。
思いっきり気持ち悪かったですね。歯が浮きましたね。
元ネタはこちら!(師匠。転載するっす。勘弁して欲しいっす。この勢いは転載以外では表現できないのっす←エセ訛)

(前略)でも意外に簡単に弟が迎えに来ちゃってあっさり帰っちゃったww 何かこう、ふーふ兄弟で兄貴が弟からされる所業(毎夜毎夜3ラウンド以上励まれるとか、車の運転中にセクハラされるとか)に我慢ならず、怒りのあまり出奔してしまって2,3日後に反省し…てない夫が「そろそろ帰ろう?ね?」みたいに宥められてしぶしぶ帰る兄貴を想像してしまいました(笑)でも帰るけど、(中略)結局やっぱり元の木阿弥っていう☆そんなラブなふーふも読みたいなv(後略)


なのでいつの時期だか知らんですが、きっと誰も気にしないだろう毎晩3回以上励むサミーです。そしてあっさり帰らず少し兄貴にダダを捏ねさせてみました。
どうっすか師匠。弟子、頑張りました。でもやっぱり一度じゃ帰らずに数回はサミーに通わせた方がよかったっすか?
しかし、あまり長々書いていると下らなさに倒れそうになるのでもうアップしちゃう~




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