(呪いで自分の方が兄だと思い込んでるサムです。)
バーで。
呪いにかかってから、サムはバーテンダーとよく話し込むようになった。
「可愛いのね、弟さん」
「可愛いよ。兄バカだけどね」
要は弟のろけ(なんだそれは)を延々と聞いてもらっている。
「短めに切ったダークブロンドに緑の目が大きくて、鼻の周りにはそばかすがあってさ。このごろはプンスカよく怒るんだけど、そんな顔だから可愛いばっかりで、まじめな顔で聞くのが大変なんだ」
「おい、サミー帰るぞ」
「サミーはよせ、ディーン」
「………ディーン?彼が弟さん?」 ← 想像よりずいぶん大きいわね、と思っている
「?」
「お兄さんのこと、サミーって呼んでるのね」 ← プロ根性で笑顔のバーテン
「子供の頃の癖が抜けないみたいなんだ。参るよ」
と言いつつ顔は満面の笑顔のサム。
「……」
こいつ、また俺のことを6歳児のようになんのかの言ってやがったな、と苦虫を噛み潰すディーン。
「よし、次にお前が俺をサミーって呼んだら、兄さんはお前を『可愛いディーニー』って呼んで、ハグして頬ずりしてやるぞ。このレディー達の前で!」
お兄さん(自称)、顔がキラキラと期待に輝いています。
「…もういい。お前いくらでも残ってろ。俺は先に帰る」
争ってもどんどん恥ずかしい兄バカな発言が続くばかりなので、最近ディーンはめっきりバーの滞在時間が短くなりました。
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狩りの最中、前に出ようとするディーンを止めます。
「下がってろディーン、俺が行く」
「お前を守れってのは親父のオーダーだ。これは俺の役目だ」
「…今の家長は俺だ。オーダーに従え!」
「うるさい!」
モンスターそっちのけで喧嘩するので怪我が耐えません。
ちなみにサムが結構大きな怪我したとき、モーテルの部屋でディーンに傷を縫ってもらいます。
「痛み止め飲むか?」
とディーンに言われ、
「頼む」
と飲みます。脂汗が出て痛そう。でもディーンを見てにやりと笑い、
「大丈夫だよ」
と無事な方の手でディーンの頭をぐしゃぐしゃ撫でます。
これが弟版サムだと
「痛み止め飲むか」
と兄に言われ、
「うん」
と飲み、呻きながら上着を羽織り、心配そうに見ている兄を
「なんだよ」
と睨む。そしてあっちに行ってしまう(笑)←もちろん兄の視線が自分に向いていることは織り込み済み。
これが自分とディーンが夫婦だと思い込んでいるサムさんだと
薬を飲んだ後、
「痛み止めくれる?」
と言って、ディーンを無事な方の腕で抱きこみ、ちょっとこうさせて、とハグ。
脂汗をかいているので、心配でしかめっつらになっているディーンの目尻にキスして
「大丈夫だよ」
と呟き、しばらくそのままの姿勢でじっとしています。
ディーンもけが人相手なので大人しく首の辺りにサムの頬がくっつくような体勢でハグされてやっていると。
しばらくたつと脂汗も少し引いて、呼吸も少し落ち着いてきたので
「ほら、もう休めよ」
などとディーンが言うと
「うん」
と答えつつ、ちっとも離れようとしないと!
場所がソファかベッドかが大問題だな!
…というわけで、だいぶモエモエをちょっと吐き出せました。
すっきり。
脈絡なく妄想投下で申し訳ない。
呪いはねたにしやすいなあ…
[6回]