先ほど密林にMBVの別バージョンラストってなんなの?いくらなの?と見に行ってきました。そしたらDVDの3D版が出てるんですね…いや、怖いから見直せるかわかんないんだけど、ディレクターズカットで話の流れもよりわかりやすくなっているらしい。
…いやー、通常版で十分納得してみてたんですが。
そして地球と財布に優しいお値段700円未満でした(もちろん中古)。どうしよっかな?すぐ買うか、来月にするか。なにせ今月はレシート貼るだけ家計簿を開くのが恐ろしい散在モード。ゴールデンウィークって恐ろしいよな…
今日はブルーな土曜日でしたが、何とかお勤めも無事終わったので、心安らかにW家のことでも考えよう
芝生の手入れというのは結構頻繁に必要だったりする。
「日焼けするから、ディーンお願い」
「えー?」
「ディーン」
「…イエス、マム」
W家ではもっぱら男性陣の仕事です。
マムの実家のキャンベル家は生粋のハンターで、おじいちゃんはちょっとせっかち屋さんでした。
マムはおじいちゃんにそれこそ炎天下の夏でも、日焼け止めを塗る暇も無い早朝でも、お肌に悪い夜10時過ぎにも狩りの情報が入るたびに、緊急出動させられ続けていました。
なので今は狩以外の時にはなるべくお肌への負担がないよう気を使っているのです。
「じーちゃんが悪いんだよな」
「じーちゃんが悪いんだよ」
刈った芝を集めながらぼやくと、同じく横で花壇の草むしりをおおせつかったサムが力強く同意してくれました。
今日はマムの誕生日です。
おじいちゃんとおばあちゃんもディナーに来ました。夕飯の席についてからおじいちゃんが言いました。
「ところで隅に積んであるあの荷物はなんだね?」
目ざといです。さすがその道一筋65年(概算)。
「隣町に魔物が出るので明日狩りに行くのよ。」
マムが答えた瞬間、おじいちゃんの眉が吊り上がります。
「なに?なぜすぐ行かない!犠牲者が増えたらどうするんだ。」
「キャンベルなら行くでしょうけど、ウィンチェスターは行かないのよ。」
「犠牲者が」
「いないわよ!調査済みよ。大体よく話を聞きもしないですぐ飛んでいってたら運動会もピクニックも卒業式も誕生日も家族旅行も結婚記念日も全部潰れちゃうじゃない!」
「そんなことは…」
「「あるわよ」」
おばあちゃんとマムの声が綺麗にハモりました。キャンベル女性陣の恨みは根深いようです。
「人を助けて魔物を狩る。
大切な仕事よ、意義もあるわ。
でもわが家は基本的に家族優先ですからね。
狩で行事を潰すのはいやなの。皆もいいわね」
「「イエス、マム」」
視線を向けられ、息子達は大人しく答えます。
パパも釣りやソフトボールがつぶれるのはちょっと困るので、黙っておじいちゃんのグラスにお酒を注ぎ足すにとどめました。
「ところで彼は?」
次におじいちゃんはいつの間にかテーブルに座っていたキャスに目を向けました。
「私は天使だ」
「そんなものはいない」
「あ、じーちゃん、俺も最初そう思った!翼見せたら?キャス。」
「構わないが彼の目はもう使わないのか?」
「いや、まだ使うから。」
なんのかんのいいつつ、夕食会は進みます。
ケーキを食べながらのプレゼントタイムになりました。
ディーンから日焼け止め、サムがUVカットの帽子、パパがエステのチケット。
「…何なんだお前達」
おじいちゃんは不思議そうです。
「いや、マム今美白に凝ってるから。」
ディーンが答えると、おばあちゃんが
「いいわねえ」
と微笑みました。実感がこもっています。
おじいちゃんからはものすごくやばそうな刃物をもらいました。誕生日に刃物。しかも色んなスペルが掘り込んであって、ちょっと底光りしています。
「…強い守護の力を持っているな」
目を細めてキャスが言いました。
「ありがと、パパ」
マムがおじいちゃんにキスをします。
ちょっとすげーな、あれ。うむ。いかすね。
ジョンと息子達もちらちらと視線を交わしあいました。
おじいちゃんは毎年、マムにハンター一筋65年の底力を感じさせるアイテムをくれます。
卒業式やデートがつぶれるのは困るけど、じーちゃんの生き方もクールだよな。
W家の男性陣はちょっと思っているのでした。