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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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10000HIT リクエスト(SD弟兄呪6)

10000リクエストくださったHか様、お待たせして申し訳ありませんでした!
「ディーンが自分の方を弟と思い込んでいる呪いシリーズの続き」でございます~

さすがにこの週末はちゃんと睡眠もとりまして、身体も動かしまして、健康的な状態で真面目に取り組みました・・・が、もとがおちゃらけたネタですので、やっぱりそんな感じになっております(滝汗)





世の中毎日動いているが、ある意味世間と隔絶されたハンター生活は相変わらず続いている。
そして兄が呪いの真っ最中にも関わらずサムはのんびり構え、ディーンはまだ自分の方を弟だと思い込んだままだった。
 

狩りの為の調査に一日を費やし、モーテルの部屋で結果をつき合わせている最中、へっくしょん、とディーンが派手なくしゃみをした。
「風邪?」
文献を調べていたサムが顔を上げると、
「どうかな?わかんねー」
ディーンはすん、と鼻を啜り、資料から目を離さないまま首をかしげた。
モーテルの部屋はヒーターは効いているが、埃っぽくもある。まあいいか、と本に注意を戻したサムだったが、しばらくしてもう一度ディーンを見ると何となく顔が赤い。
「ディーン!ちょっと熱あるんじゃないの?」
「そっかな」
言いながらディーンは別のファイルを開ける。
「そっかなじゃなくて」
埒が開かないのでテーブル越しに手を伸ばして額に触れた。
「うーん・・」
正直、思ったほどには熱くない。
その時ふと違和感を感じる。なんだろう?と額に手を置いたままちょっと考え込んだ。


数秒後、違和感のもとに気付く。ディーンだ。いつもの兄ならそもそも額など触らせない。例え触らせてもにサムが「うーん」と言った時点で、
「ほらみろ!何ともないって言ってんだろうが」
とかぎゃあぎゃあ言って手を払うだろう。だが今の彼はおとなしく額に手をあてられたまま、サムが何か言うのをじっと待っている。
「どうだ?」
手の平の下から妙に神妙な顔で見上げられ、サムはまた、うわーっと叫んでちょっとモーテルの回りを10周くらい全力疾走してきたいような衝動に襲われた。
が、堪える。
サムが突然しゃがみ込んだり、冷静になろうと壁に頭をぶつけたりしだすと、ディーンは無言で酷く心配するからだ(そしてボビーに相談し、あとでサムが説教される)。なのでとっさに、
「熱はないけど風邪のひきかけかも。うがいでもして今日は早く寝た方がいいよ」
と適当なことをもっともらしく言ってみた。要は大したことはないのだ。


正気のディーンの反応なら、よくて「へいへい」または「そんなにやわじゃねえ」、虫の居所が悪ければ、「うるせえ小姑」だ。
だが自分が兄だということを忘れているディーンは
「ん」
と軽く頷く。そしてまた静かに資料の検討に戻った。


わーっ
わーっ
素直だ。サムは声に出さず、心の中で絶叫する。
人格は同じなのに、なんで「兄」じゃないとこうなんだ。
なぜだー!?ホワーイ!?
窓を開けて外にに向かって叫びたい。・・・が、これまた耐える。サムの咆哮の訳を、ディーンに話すわけにはいかないからだ。
本当にディーンが後でうがいして早寝するかは別問題だ。ただ、自分の言ったことをストレートにに受け止めてもらえるというのは素晴らしい。ウィンチェスター家最下層にはなかった体験だ。
感動の余りサムはうっかり宙を睨んで固まっていたらしく、気付くと眉をひそめたディーンにそっと揺すられていた。


「じゃあ、明日は警察に行ってから目撃者の自宅だな」
「だね」
明日の行動を確認して、資料を片付ける。ビールでものむかと伸びをしたサムの横を通り抜け、ディーンはバスルームに入って行った。
水音を聞き流しながらサムはソファに腰かけ、テレビをつける。
だがディーンはバスルームから出てくると珍しく冷蔵庫に触りもせず、黙ってシーツをめくりあげるとごそごそともぐりこんだ。
「ディーン?」
サムが驚くと、ディーンの方も驚いたような目でサムを見返す。
早く寝たほうがとは確かに言ったが、まだかなり早い時間だ。じゃあ何時ごろなんだといわれると、もとが適当なごまかしで言っただけなので痛いのだが。
「・・うがいならしたぞ」
少しむっとしたようにディーンが言う。(ちゃんとやったぞ)と言いたげな顔で。
「いや・・やっぱり自分でも分かるくらい体調悪いのかと思って」
サムがちょっと本当に心配になって覗き込むと、逆にディーンは表情を緩めた。
「ちょっと鼻が出るくらいだから大丈夫だと思うけど。ま、一応な」
そして本当に背を向けて寝てしまう。
サムはちょっと自分の発言に責任を感じた。さすがに一緒に早寝する気にまではなれないが、部屋の灯りを消し、テレビの音量を絞る。と、背後から
「サンクス」
と低い声がした。
「おやすみ」
ちらりと振り返って返す。ディーンは背を向けたままで、表情は見えなかった。

 

 ・ ・ ・ ・ ・

「サムの様子はどうだ?」
狩が無事に終わった後、二人はボビーに借りた資料を返しに来ていた。
サムが資料室から戻ると、ボビーのデスク前の定位置にディーンが懐いている(認めないだろうがディーンはボビーの机の前にへばりついてあーだこーだと構われるのが好きだ)。
それにしても呪われてる本人の方に僕の調子を聞くのかボビー。
最近めっきりお目玉を食うことの多いサムとしては、なんとなく憮然とするものがある。


「相変わらずだな。細かいし心配性だし」
ディーンが苦笑しながらボビーのウィスキーに手を伸ばしている。ボビーも毎度のことなのでどこからともなくグラスを出してくれる。
「でもいいんだ。細かくてもうるさくても時々急に叫びだしても」
グラスの酒をちょっと舐めて、ディーンが笑う。
「いいのか」
ボビーが眉を大げさに上げた。
「うん。細かくてうるさくてコントロールフリークだけど、いなくなられるよりずっといい」
「なんだそりゃ」
ボビーと一緒に入り口前でサムも目を丸くした。いなくなるってどこからそんな発想を。


「サムが大学に行っちまっていなかった時のことを思ったら、今の方がずっといいよ」
うんうんと頷きながら酒を注ぎ足すディーンを、なんだか痛ましい者を見るような目で見つめた後、ボビーがギロリと剣呑な視線をサムに向けた。
「ボビー?」
ディーンが怪訝そうな声を出す。
「俺はちょっとサムと調べ物してくるからな。飲んでもいいが半分は残しておけよ」
ボビーが言って立ち上がると、ディーンは「ああ」とあっさり頷いた。そしてデスクの上の雑誌に勝手に手を伸ばしてパラパラとめくりだす。
そしてサムは「怒れるボビーおじさん」に首根っこをつかまれてガレージに行くことになった。


「いい加減にしないか。お前が自然に戻るというから任せておいたが、全く戻る気配がないだろうが」
「でもさ、ボビー。ディーンが『弟』と思い込んでるのはバッチリ認めてるよ僕は」
「・・・だが、満足には程遠いだろうが。さっきの聞いたな?『変な兄貴でもいなくなられるよりいい』って心境だぞあれは」
「まあね・・」
「つまり、お前がいなかった時期とくらべてやっとましだっていうくらい、今の状況がストレスフルだということだ!」
ヒソヒソ話だったのが、最後の方は怒鳴り声になってきた。
「もう任せておけん。アイテムで解呪するぞ」
「ちょっと待ってよボビー」


揉めているところに張本人がやって来る。
「ボビー?サムがどうかしたのか」
どうもサムが怒られている気配を感じて様子を見に来たらしい。
「ディーン」
ディーンの背後にインパラが停めてあるのが眼に入った瞬間、サムは決心した。


「なんでもない。ディーン、帰るよ」
「え・・おう」
戸惑いながらもディーンはインパラのドアを開ける。荷物は特に降ろしていないので身一つだ。
「おいサム」
「ごめん!ボビー。心配してくれるのは本当にありがたいんだけど、もうちょっとだけ様子見させて」
バタバタと車に乗りながらサムは謝る。
ボビーの言うことがもっともなのだが、ディーンが「弟」でいてくれる時間は本当にもうちょっとだと思うのだ。最後の瞬間まで見ていたいという気持ちがどうにも強い。
「ボビー、またなー!」
訳が分からないながらも、何かやらかしてボビーの家から慌てて退散するというのは今までにも実は何度もあるので、ディーンは適当に解釈したようだ。


「サム、何やったんだよお前」
泊まってボビーの酒棚を漁る気満々だったらしいディーンがハンドルを握りながら口を尖らせる。
「ちょっとね・・・」
サムは言葉を濁した。
ボビーの家周辺はのんびりした住宅地なので、それほど車も人通りも多くない。
「ディーン、僕は兄としては困った兄貴かな」
これは呪いにかかったディーン相手に刺激になる質問だろうかと思いつつ、「弟」の思い込みを否定するものではないので聞いてみた。
確かにディーンがサムが兄であることでストレスを感じているとしたら、できる範囲では軽減しなくては、とも思う。
例えば携帯とアミュレットと靴底と愛用のライターに仕込んでいるGPSにディーンが気づいていたら、多少は交渉の余地ありだ。
だが、
「さあな・・他の兄なんか知らないし、比べようがないだろ」
ディーンは前を見たままぼそりと返す。
「困ることが何もないなんて、兄弟でも家族でもないだろうし」
ちら、と助手席のサムを見て笑い、続けた。
「俺としては家族が一緒にいられたら十分だけどな」
なんだよ兄貴、俺のことでボビーに怒られて逃げたのか?
二人ともいい年した男なわけだが、ディーンの理解する状況としてはいたずらを見つかって逃げ出した悪がきそのものだ。


だーーーーーもう!
サムは衝動のままにディーンの頭を抱き寄せ、インパラは派手に蛇行し、ディーンがぎゃーと叫ぶ。

ああ、今のはきっと「弟の満足」よりも「ストレス」になってるんだろうなあ。
サムはさすがに反省し、ディーンの頭をごめん、と撫でた。しょーがねえなあ、とディーンがため息をつく。


そんなこんなで、ボビーがばっちり解決法を用意しているのにも関わらず、やっぱり今日も呪いは継続中なのだった。


end


Hか様、お待たせした挙句、こんな感じですみません・・・!!まさにある意味山なし落ちなし意味なしという(脂汗)シロモノでございます。す、少しでもお楽しみいただけますように・・・
 

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