ロースクール在学中のサム、同居して整備の仕事してるディーン。
部屋をシェアし始めてから初めてのいわゆる記念日で、『絶対この日は予定入れないでよ!』と言っていたのはサム。だけど仕事を終わったディーンに電話がかかってくる。
『ごめんディーン。明日までに修正しないといけない部分が出てきちゃって、まだ帰れないんだ』
サムの声は電話越しでも分かるくらい情け無い。きっと眉と口が下がった例のトホホ顔をしてるんだろう、とか思いながらディーンは、
「わかった。俺は適当に飲んで帰るから気にすんな」
とか言ってやる。でもサムは『え・・飲みに行っちゃう?』と、それも不満。
「何時になるかわからんのに、仕事後の俺に腹ぺこで待ってろとゆー気かお前」
ちょっと呆れて言うディーン。
『・・・ごめん』
ディーンがふーっと息を吐いて、
「一緒に夕飯食えるくらいの余地は残しとくから、終わったらメールか電話よこせ」
と言うと、情けない声で、『うん・・』と返事。
ディーンは「軽く飲む」と言って同僚とバーに行く。
何となく同居しているでかい学生が単なる幼なじみじゃないのか、と察する者も現れつつ、基本ほっといてくれる同僚達。
遅いなぁと思ってちびちび飲んでるとサムから電話が入って、結局ピーナッツをつまんだくらいで帰るディーン。
ドアを開けるとテーブルがセットされてて、サムが慌てて準備した跡(デリの容器とか)が流しに残っている。
テイクアウトだけど、いつもの夕飯より明らかに張り込んだのがわかる。
どう?という顔で見上げるサム。
「すげえな」
ディーンが感心するとホッとしたように、にこーっと笑う。
奨学金はもらってるが学費も高いからバイトもしてて、余裕ないだろうに。サムの目の下に隈があって、ちよっとそれを指でたどりながら、
「サンクス、サム」
ディーンは誕生日とかこだわる方じゃないし、ジョンパパ留守がちだったので、何もしなくてもほんとに気にならない。(子供の頃でも電話でパパがおめでとうと言ってくれたり、カードくれたり、たまに帰ってくれたら満足だったし)でも、サムが一生懸命自分を祝ってくれるのはすごく嬉しい。
同居後もクリスマスは実家に帰ってメアリママと一緒に祝ったので、二人だけのお祝いは今回が初めて。
サムは目の下をたどるディーンの手を捕まえて指にキス。
「誕生日、おめでとうディーン」
「おう」
サムは笑ってくれるディーンにちょっと見とれちゃってじーっと手を握ってたりするんだけど、いい加減腹ペコのディーンに「そろそろ食わせろ」と怒られると!
そしてサムはその後、
「あああああ、シャンパン忘れた!」
とか
「ケーキの角が潰れた!」
とか騒いで、ディーンが「慌てるな。俺の秘蔵の酒がある」とかバーボン出してきてくれるのに、
「お祝いにバーボン?」
とかけちをつけたりする。そんでディーンに
「祝ってくれるんなら小言よせ」
とか言われて、さすがに「そーだ、働いてるディーンを待たせた挙句、色々忘れ物もした僕が何を言ってるんだー」としょげる。
ディーンが宥めて、
「まあ、見事弁護士になったら高級レストランで祝いでもしてくれ」
とか言って、サムは「うん!」とリベンジを誓う。
そーして5年後あたりには高額所得にモノを言わせて、本当にカタッ苦しい超高級レストランにディーンを引っ張っていって、嫌がられるサミーなのであったと!
よし、これでちゃんちゃんと終わりだー(笑)
ここでのマイ・ポイントは、「年長者として振舞うディーンと、年下っぽいサム」ですね。
うわあ、凄く新鮮だ!!普段いかに変な兄弟しか書いてないのか、改めて実感しました(自分に呆れたよ俺あ)
というわけで、兄貴お誕生日おめでとうウィークでございました!
基本、同じ二人なので、我ながら粘着だなあと思いつつ、楽しゅうございました。お付き合いありがとうございましたー!