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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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堰を切った(SD夫婦呪12)

お・・・オフィスを書こうと思って座りましたのに、思い浮かぶネタがふーふばっかりです。げふごふ。バックには例によってS4の17話を流してるんですがどうしてこうなるの私の脳みそ。

10と11の間かその後か9と10の間かはたまた7の前か・・ふおおお(全く持ってどうでもいい悩み)

いや、せっかく11を書いたので、やっぱり12にしよう!
どってことない風景なので、お暇な方だけどうぞー



ぶっとい腕にぎゅうぎゅうと抱きすくめられて、ディーンは一瞬息が詰まった。

「おいサム!」
「うん」
「お前怪我してんだろうが」
「大丈夫だよ」
「嘘つけ、縫わないと無理だぞそれ。ほら離れろ」
「大丈夫だから。だからもうちょっとだけこうしててよ」

全然大丈夫ではないはずだ。息が荒い。だけどその左手は駆け寄ったディーンの身体を引き寄せて離さず、右手はそっと髪を撫で続けている。

(こんなことに根性出すんじゃねえよ)
ディーンはひとつため息をつき、手当てを受けさせるために不本意ながら押し返そうとしていた腕の力を抜いて、相手の背に回した。
「ひっつきたければ後でしてやるから、とにかく傷を見せろ」
「・・・本当に?」
とたんにパッと顔を明るくするサムを見て、まんまと手に乗ってしまったような気分に襲われる。
だが、サムの傷は命には関わらないにしても早いところ手当てが必要だ、絶対に。
俺は間違ってない。こいつが状況判断ミスってるんだ。ちょっと触らせなかったからって、血をボタボタたらしながらしがみつく奴がいるか。


何の因果かまたサムは呪い状態になってしまっている。実を言うと今回はもう一週間「夫」のままだ。
数回の「夫の帰還」を体験して、なんとなくディーンにはわかってきたが、やっぱりポイントは「満足」らしい。
今回ディーンが試しにサムからの接触を避け続けていたら、それまでは大体1日でもとに戻っていたのが延々と続いてしまっている。
だからまあ、しょーがねえよな。
誰が見ているわけでもないのに言い訳しつつ、近づいてくる顔を今日は避けるのをやめた。
目元に感じる唇が少し荒れている。少し伸びかけたヒゲも当たって「チクチクする」と言いたくなったが、なんだか甘えているようなセリフだと思って止めた。


水で傷を洗い、絹糸で縫い合わせる。
「念のために抗生物質飲んどけ」
「うん」
包帯でも巻いて固定したいところだが、用意がないのでバンテージで済ませる。
傷を縫合する間、サムはウィスキーを飲みながらうめき声一つ上げなかったが、終わると大きく息をついた。額に脂汗が浮かんでいる。
ディーンが手渡したカプセルをウィスキーと一緒に流し込み、ちょっとだけ目元で笑った。
「大丈夫だよ」
「見りゃわかる」
感染症さえ起こさなければ、傷の深さ自体は大したことは無い。
「おいで」
隣に来いというようにソファの座る位置をずらす。おいでじゃねえよ、と思いつつ、差し出された手を久しぶりに取った。


・・・・・・・


「・・・・・実際のところなんだと思う?」
さんざん引っ付いて満足したのか、サムが「弟」に戻った後、二人は他の相談も兼ねてボビーの家に来ていた。
エレンとジョーも来ていてぎょっとするが、アポ無しで飛び込んできた身では何も言えない。
サムを資料部屋に(調べ物を口実に)押し込めてボビーに事情を話していたら、脇で聞いていたエレンとジョーが揃って微妙な顔をした。
「・・・なんだよ」
「別にそのままでいいんじゃないの?」
エレンが言えば、
「反動で死ぬ心配はなさそうなんでしょ?」
とジョーが続ける。
「理由は分からないにせよ対処法が分かってればいいじゃないの」
「適度にスキンシップを取れば元に戻るんだし、騒ぐようなこと?」
何だかやいやいと盛大に『聞いちゃいらんないわ』オーラを浴びせられてしまう。

「ほっといていいわけないだろう!?サムがおかしくなってるのは呪いのせいなんだぞ」
しごく尤もな意見のはずなのに女性陣の視線は冷たい。

「ばっかじゃないの。呪いが作用するのは最初『夫婦』の思い込みだけよ。世の中には会話もないような夫婦がゴロゴロいるのよ。そもそも最初は正常なときとほとんど変わらなかったんでしょう?その後に素っ気ない夫婦になっても、亭主関白の夫婦になってもいいのに、甘ったるい行動するようになったのはサム自身の選択よ」
あーやだやだ、というように素っ気なくジョーが並べ立てる。
「・・・女性側の意見として聞いとくよ」
何だか反論しづらいが、弟の尊厳に大いに関わる意見に賛同もできない。
雰囲気の良く似た母娘は、弱弱しいディーンの返事に揃ってふんっと鼻息で応えた。
「ボビー」
「俺にはわからん」
男陣営に助けを求めてみるが、額に苦悩の皺を寄せて白旗を揚げられてしまった。


「ボビー、分かったよ」
そこに調べ物を終えたサムが戻ってきた。全員揃っている光景をみて微妙な顔をする。
「・・・どうしたの」
咄嗟に言葉が出なかったディーンに代わってエレンが黙ってグラスに酒を注ぎ、サムに押し付けた。
「飲まなきゃ聞いてらんない話に付き合ってたのよ。ほら、あなたも飲みなさい」
「一体なんの話だったのさ」
「2回も聞く気がしない話よ」
有無を言わせずグラスを合わせるエレンに続いて、「ごちそうさまよねえ」と言いながらジョーもサムのグラスに自分のグラスを乱暴にぶつける。
「・・・ふうん?」
怪訝そうな顔で、しかし教えてくれそうもない女性達に苦笑しながらサムも酒を口に運んだ。


文句無く発育のいい長身。兄から見ても端正な部類の顔。嫌味なくらい出来のよい頭。まあまあ申し分ない男っぷりだ。どんな美人の隣に立ってもそう見劣りしないだろう。


サム自身の選択よ


そんなこと思ったら、うちのサミーが可哀想じゃねえか。
兄として、その説は断固却下だ。


ディーンはそう思いながら、同じくエレンにぐいぐいと押し付けられたグラスを口に運んだのだった。


おわり

 

んまあ書きやすい!やっぱりふーふは書きやすいわよママン!

 

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