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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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二次元、三次元問わず楽しいもの大好き。
常に読むものが無いと苦しい活字依存症。
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祭りの余波(幼なじみSD 5年後)

えー。
思うに任せぬ脳みそがですね。今度は幼なじみのその後にいきなり飛んでしまいました(汗)

た・・・多分5年後くらい??

ご注意。
イチャイチャ度控えめです。
その後の同居してる二人ですが、はーれくいんではないです。
書きたかったけど違うな、これは・・・

モワモワしたもの出さないと次が出ないので、すみませんです・・(誰にあやまっとるのか)




アパートの駐車場に車を停めると、サムは夜勤のドアマンに挨拶をしながら、足早にエレベーターへと向かった。
ひんやりとした廊下を抜け、部屋のドアを開けると、暖かな空気が流れ出てくる。
ワーッという歓声がテレビから聞こえてきて、ああそういえば今日はディーンの贔屓のチームの試合があったんだっけと思いながらリビングに入った。
 

「ただいま」
「おかえり」
声の主はカウチの上で足を投げ出し、ビールを飲んでご機嫌だ。風呂も済ませているのだろう、普段上げている前髪が、バサバサと額にかかっている。
黒いコートでのっそりと入ってくるサムを見やると、ちょっと振り返って口の端で笑った。
「お疲れさん」
「うん」
フロアに放り出されたごつい皮の鞄をまたいでリビングを横切る。ダイニングテーブルの上にブリーフケースを置き、はあ、と息をついた。
「ビール飲むか?」
背中から声をかけられて振り返る。最近気に入っているらしいグレーのTシャツは、ディーンの髪や顔色によく映える。4年前から同居している幼なじみのその色彩に、サムは今更ながら一瞬見とれ、だがもっと切実な問題について口にした。


「デリが閉まってて、何も買えなかったんだ。なんか食べるものあるかな?」
椅子の上のチョコバーの袋をつまみ、くずかごに放り込む。床に散った食べかすは見なかったことにした。
「なんだよ、食ってねえの?」
「うん」
言いながらほとほと腹が減っていることに気づく。
ロースクール時代からアルバイトをしていた法律事務所に就職できた自分はかなり運が良い。
運は良いが、上司から頼まれた仕事につい熱が入り、帰りが遅くなってしまうことがここ最近続いていた。


「しょうがねえなあ」
ディーンがのっそりと立ち上がり、冷蔵庫を覗き込む。
「あ、お前がこの間買ってきたスープあるぞ」
「それ、ディーンへのお土産に買ってきたやつ。食べてなかったの?」
「うーん、タイミングがな」
「ちぇ・・美味しいのに」
「菜っ葉大好きのお前にはだろ?あとは冷凍ピラフしかねーぞ」
「・・両方食べる」
サムは自分が急に拗ねた子供のような顔になったことを自覚する。
相手に食べて欲しかった物が手付かずだったことに気落ちし、それでも手を出さずにいられない空腹に、情けないと思いつつ腹が立って仕方がない。


あっためといてやるから風呂使えば、というディーンの声に「後で入る」と答えたのは、だから半分は意味のないふて腐れだ。


部屋でコートとスーツの上着を脱いだだけで、ダイニングに戻る。レンジの前に立つディーンが
「皿くらい自分で出せ」
と視線はテレビに向けたままで言った。
まったくもって当然のことなのでサムは無言で皿とスプーンを用意する。


サムが遅い夕飯をとっている間、ディーンはカウチに戻らず、テーブルの向かいでビール片手にテレビを観ていた。

「お前さ」
画面がCMに入ったときに、ぽつりとディーンが言う。
「うん」
「ハウスキーパーでも頼んだらどうだ?収入あるんだし」
「え」
「なんなら俺は別に部屋借りてもいいし」
「ディーン?なんでそんな」
「帰って来て、食う物なかったり散らかってたりすると余計疲れんじゃないのか?お前。お前の家なんだから、自分が住みやすくした方がいいぞ」
「お前のって・・二人の家だろ」
「俺が払ってる家賃じゃソファ分にもならねえよ」
事務所に就職して、急に収入が増えたサムが7割方負担をするからと、サムの勤務先に近いこのアパートに移ってまだ半年余りだ。それまでの完全折半だった時に比べ、ディーンが居心地悪そうにしているのにサムも気付いてはいた。
「やだよ。だって離れたら会いに行かないと会えないじゃないか。いくら近くでもこんな時間に顔見に行けない」
子供の頃からずっと向かいに住んでいたのだから分かっている。


すぐそこに窓が見えても。
動いている影さえ見えていても。


「会ってってなあ・・・お前、俺の顔見てから急激に機嫌悪くなったぞ。分かってんのか?」

「そんなこと・・」
ないとは言えない。正確にはディーンがサムの手土産に手をつけていなかったことに気付いてからだが。
しかしながら半分以上は疲れと空腹による苛立ちだったので、腹が満たされた今となってはかなりどうでもいい。
それよりも幼なじみ兼恋人からの同居解消の提案の方が大問題だった。
「腹が減ってカリカリしてたんだよ。ごめん」
「っていうかお前さ」
謝ってもディーンは妙に譲らない。その背後では一際高い歓声と興奮しきったアナウンスが流れて、テレビではディーンの贔屓のチームが見事逆転勝利をおさめたようだった。


「・・もしかして、ディーンが嫌になった?僕は毎日帰りが遅いし、その、怒りっぽいから」
怖々と口を開く。
「ばーか。お前が口うるさくてぷんすかしてんのなんて、昔っからだろーが」
「ひどいな」
あっさり流されて思わず苦笑する。
「でもじゃあ何で・・」
言い募りかけたところで、突然ディーンが叫んだ。
「だーっやめだ!」
「何を!?」
サムは真っ青になる。
「この話だ!まだ明日も仕事なのに、こんな疲れる話、してられっか」
一瞬同居のことかと思ったサムは胸を撫で下ろす。
「始めたのディーンじゃないか」
それでもつい言ってしまうのは性分だ。
「あーあー悪かったよ。ほれ、いい加減風呂入れよお前」
言ってディーンの手がサムのセットした髪の毛をぐしゃぐしゃとかきまわした。

 


風呂から上がったサムは、カウチで相変わらずゴロゴロしていたディーンを捕まえた。
「おい」
慌てる身体を膝の上に引き寄せて抱きすくめ、胸にぐりぐりと頭を擦り付ける。
ディーンはちょっと身をよじったが、一つ息をつくと宥めるように髪を指で梳いてくれた。
「一緒にいてよディーン」
「・・・俺だって居たいよ」
唐突な呟きに、困ったような穏やかな声が返る。


「でも、お前たまに、この間みたいなこと期待してるだろ」
「う・・・」
この部屋に移ってから何度か、先に帰っていたディーンがサムの分まで夕食を用意していてくれたことがある。今日ももしかして、という期待がほんの少しもなかったか、というと否定はできない。
「ほんとに身の回りの面倒見てもらう人手がいた方がいいんじゃねえのか?俺といると、お前かえってやること増えるぞ?」
「今更ディーンの散らかし癖の尻拭いなんかするもんか。自分で片付けるまで跨いで放置してやる」
「わかったって。止めようぜ」
ポンポンと背中を叩く手。骨太で、機械油の滲みついた、子どもの頃から追ってきた手。離してたまるもんか、と強く思う。


「疲れてんだろ。もう寝ろ」


「一緒に寝ようよ。今日」


胸から顔を上げて見上げると、見慣れた翠を少し見開いた顔。30男のこんな顔を、可愛いとしか思えないんだから仕方ないじゃないか。
腰に回した両腕はそのままに伸び上がると、そっと唇が重なった。少しかさついた、でも暖かい感触に目を閉じる。

 

 

久しぶりの触れ合いは緩やかだった。
身体中で相手の固く張り詰めた皮膚を感じ、ひどくそれに飢えていたことを唐突にディーンは自覚する。
こうして身体を重ねている時には、次第に離れて行く生活も遠い。


腕の中にいるのは、口うるさくて、賢くて、でかいなりして子犬のような目をする、ディーンの大切なサムだ。


・   ・   ・   


目が覚めた瞬間に野郎の胸板が見えるというのは、どう考えても嬉しい光景ではない・・・はずだ。
だから発達しすぎた胸板から生意気にもぶっとくなった首を過ぎ、無精ひげのうっすらと生えた寝顔を見て、ひどく幸せな気分になる俺の脳みそはやっぱりどこかおかしい。


あまり寝起きのよろしくないディーンのぼんやりとした思考は、携帯の着信音で断ち切られた。

「うん、ああ・・・そう。ふーん、わかった。じゃあね」
寝起きの掠れた声のサムが、簡単な応対で携帯を切る。
「・・なんだ?」
仕事関係の電話ではなさそうだったので、ディーンは聞いてみた。
「マムがまたジョンと喧嘩したから、家に戻るって」
「・・・あーあ。またかよ」
「家に戻るって言ったって、向かいなのにさ」
「親父もなあ・・・」


甘ったるい空気は見事に吹き飛び、ディーンはぼりぼりと頭をかきながら起き上がる。
「いい加減はっきりしろよ。・・・いや、だめだ兄弟は困る」とブツブツ言っていたサムも、時計を見てバスルームに飛び込んだ。


家を出るのはディーンの方が早い。
先に支度を終えると、まだスーツを着かけているサムの横を通り過ぎざま、じゃあな、と軽く髪に触れる。
その手をつかまれ振り向くと、ボサボサ髪の顔が近づいてきて軽くキスをされた。
「なるべく早く帰るから」
「食いモンは自分で買えよ」
軽く言い交わして外に出る。


高すぎるこの部屋に住みだしてから、サムの為にしてやりたい全てが、不相応な生活の代償のように思えて嫌だった。

インパラのキーを回す。愛する相棒のエンジン音。

だけど、あの手を離すよりはいい。

胸の中にぼんやりと渦巻くものを今日もまた飲み込み、ディーンはアクセルを踏み込んだ。

 

おわり

 

ううう、すれ違いというより倦怠期なのか?いや、違うか。悪魔の居ない5年後に二人の仲を割くのは所得の差と空腹によるイライラであると!
へへへ。実は希様で開催中の対面座位祭りもちょっとチャレンジしてみていたりする(笑)ダブル祭り~♪
DSっぽく見えるかもしれませんがSDです。ものすごくSD(ってなんだ)だったんですが、所得の差に兄貴・・じゃない年上の整備工が落ち込んでるのでそちらは割愛しました。←フジョシにあるまじきチョイス.
他にも長くなりすぎるので色々ばっさり削りましたが、意味不明になったかと今更心配になってきました(汗)

 

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