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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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スラッシュ漬け(サム版もうひとつの世界 パート2)

シーズン6ファイナルで胸が一杯になり(いろんな意味で)、自家発電妄想が出来なくなっていた昨日今日でした。「意外に繊細なのね」と2学年上の白バラの君が笑う声が聞こえてくるようです(空耳だよ)。

ま、そんなわけで今日は数日振りにKindleを抱えて、主にJ2の短編を読んだりしておりました。
ファイナルによるもやもやパワーすごくて、通勤往復で何本か読破。
そんな中ラブラブなシーンで

Make me yours 

という台詞があって、ちょっと通勤電車の中で凝視してしまいましたよ。
直訳すると「私をあなたのものにして」ですよね。
まー、この場合「お前のものにしてくれ」とか
「あんたのものにしてくれ」とか、
「お前のものにしろよ」とか
語尾はどーとでもなりそうなんですけど(なんか色んな設定が頭を走り始めた)、何が言いたいかというと、
「海を越えてもおんなじ表現じゃん。すごいな!」

…という今更な感慨なのです。(…というか、洋画とか入りだしてから日本でも使い出したのかもしれないけどさ)

それに答える台詞がまた
you’re already mine
だったりして、おーいえーとか、かもんべいべーとかの感嘆詞は置いとくとしても、
いやもう、妄想は照れたら負けだな!走ったモンの勝ちだな!うん! トムが目を伏せて「Make me yours」なんてのはありだね。きっとクレイとあって3ヶ月以上は過ぎてからだよ。

…なんだか自家発電も再開出来るような気がしてきた。ほわんほわん。
ありがとうスラッシュ。あたし復活したよ!

というわけで、サム版「もう一つの世界」パート2
…元ネタは4行だったのに、爆裂に長くなった…(例によって一発書きです、すんません)

 





「…ム、サム!」

強く肩を摑まれて目を開けた。
目の前には見慣れた兄の顔。後ろに広がる夜空。
兄貴の額は切れて、目に血が流れ込みそうになっている。

僕はどうしたんだっけ?

とっさに思い出せず、兄の顔を見つめる。
狩の途中で気を失ったのだろうか。

「大丈夫か、サミー」
抱き起こそうとする手に逆らわず、身体を起こした。
あたりを見回して愕然とする。
なぎ倒された墓石。記憶にある霊廟。
「デビルズゲート…」
なぜ、僕はここにいる?

「来いよ、サミー」
ボロボロのディーンに引っ張られて少し歩くと、見覚えのある男が倒れている。
アザゼル。黄色の目の悪魔。
「一つ終わった」
呟くディーンの姿も記憶の通りだ。僕は夢でも見ているらしい。

「なんで悪魔と取引なんかしたんだよ」
思わず恨み言を言ってしまった。夢の中でまでディーンには本当に悪いとは思うが、自分のために兄貴が何をしたか知った時というのは、非現実的な不幸ネタに事欠かない僕の人生でも、1,2を争う最悪な瞬間だったんだ。
ところがディーンは怪訝そうな顔をしている。
「文句があるならさっきダッドに言えばよかったんだ」
あれ?
「もう、どっか行っちまったけどな。勝ったんだぞ、俺達は。今くらい祝おうぜ」
ダッドの地獄脱出祝いも兼ねてさ。
バシバシと肩を叩いて車に向かって行ってしまう。
「そうじゃなくて、兄貴が僕のためにした取引のことだよ!」
と、眉間に皺を寄せてディーンが振り向いた。

「…なんだそれ?」



どういうわけだか僕はジェイクに刺されて死んではいなかったらしい。
よって兄貴も赤い目の悪魔と取引などしていない。

「そりゃ、ひでえ夢を見たもんだなー」
僕が何かに取り憑かれたに違いない、と僕をボビーとエレンのところに引きずって行き、必死の形相で聖水やら魔方陣やら塩を口に突っ込むやらあらゆることを試した挙句、ディーンは僕が僕であることを納得した。どうも黄色い目の悪魔に貼り付けにされていた数秒間で壮大に悲壮な夢を見ていたらしい。
今はボビーの家で、エレンやジョーと一緒にささやかな祝勝会だ。

ボビーがとっておきの一本を倉庫から出してきて、皆のグラスを満たす。そして僕とディーンの間にもう一つのグラスを置き、
「ジョンに」
と呟いた。




「マムの敵討ちは終わった。今度はお前が望む人生に協力してやるよ」
ボビー達が部屋に引き上げた後も、僕とディーンはなんだか眠るのが惜しくて居間に留まり続けていた。視線を向けると、ディーンが柔らかい表情でかすかに笑う。…こんな顔をすると兄貴は本当に端正な顔に見える。
「僕の望む人生?」
「学校に戻るとか、普通の生活をするとか…だろ?これ以上邪魔はしねえよ」
「ディーン」
「FBIに手配されちまったのは痛いけどさ、お前がまた大学に行きたいなら、何とかして履歴を消すとか…」
「ディーン」
「名前変えて別人になる方法も、つてを辿れば見つかるかもしれないし」
ディーンの頭の中を見てやりたいけど、実際のところ見なくても分かる。
父と僕と、家族でまた暮らすことだけを望んで生きていた彼は今、父を死なせた罪悪感とジェシカのことがあいまって、多分僕が望めば二度と僕と会わないことも受け入れなきゃいけないような自己犠牲モードに入っている。

僕はそっとディーンの手に触れた。
「僕の願いを聞いてくれる?兄貴」
「…ああ」
「どこかに家を借りて住もうと思うんだ。仕事もして」
「いいな。お前らしい」
「兄貴も一緒に来てよ」
「…へ?」
「ディーンと一緒にいたい」
「ちょっと待てよ。俺は狩を止めるつもりはないぞ」
「僕の願いを聞いてくれるんじゃないの?」
「聞いてやるけどさ!そりゃお前のことについてだ。」
「僕の願いはどこかに落ち着いて暮らして、何か人の役に立つ仕事をして、ディーンと毎日一緒にご飯食べたり、その日にあったことを話したりする生活なんだけど。」
「…俺に今更、狩以外の生活しろっていうのかよ。まっとうな生活するのなんか…」
「まだぜんっぜんやり直しきくから!!」
思わず大声になってしまった。ディーンがびっくりしたように僕を見ている。
だって僕達はちょっと父親に子どもの頃から軍隊的訓練を受けて超常現象になじみがあり、FBIに誤解から手配されているだけのただの人間だ。天使とも悪魔とも死神ともお近づきになったりしていないし、二人とも黙示録の封印を解いてしまうような大罪も犯していない。壮大かつ不幸な夢の感覚がリアルな今、多少の不自由さがなんだというのだ。はっきり言ってちょろい。
「でも、俺は正直、まともな仕事する自信なんかねえよ」
「じゃあさ、ボビーのガレージの近くに家を探すから、しばらく車の仕事の手伝いをするのはどう?どうしても狩を止めたくないならボビーだってジムだって定住しながらハンターなんだし」
迷うようにグラスをいじる手を包み込む。
あと一押し。
「ねえ、僕達はもう二人っきりの家族じゃないか。それに僕らがしてきた体験は他の人にはわかってもらいづらいよ。」
「…そりゃそうだけどな」
「一緒にいてよディーン。一緒に暮らしたい」
綺麗な緑の瞳が心底困ったように僕を見つめ、そしてかすかに兄は頷いた。


選んだ家は中古で、ちょっと住宅地からは離れているが二人で住むのには十分な広さだ。
これで最後、と天国(多分)の両親に謝りつつ偽造カードのお世話になった。
インパラに家財道具を積むのをディーンが断固拒否したので、ボビーのところからトラックを借りて来た。
今日から僕達はここに住む。
家の鍵を手に振り向くと、ディーンが肩をすくめてにやりと笑う。
一番に開けたいんだろ?いいぜ、譲ってやるぜサミーボーイ。
そんな声が聞こえたような気がして、僕はワクワクするような、幸せな気持ちで鍵穴に鍵を差込み―――突然、猛烈な痛みに襲われた。 

***********

「…起きたくなかった……どうなってもいいから起きたくなかったよ…」
「うるせえぞサミー!いくら幸せでも夢だ。ジンの見せてる幻だ!」
鎖骨の辺りから荒々しく針が抜かれる感触がある。
ああ、やっぱり僕は大罪人か。

「ディーンとこれから新居に住むところだったのに……死んでもいいから戻りたいよ…」
「バカヤロ!俺と住むために俺を置いていってどーすんだこの野郎。寝るな!起きろ!歩け!!」
「ディーンが一緒に住んでくれるなら歩く…」
「ああもう。いいぜ、俺もいい加減うんざりだ。住んでやるから歩け!死ぬな!」
兄の腕に引きずられて埃っぽいビルの中を歩く。
ああそうだ。行方不明者が多発してたこのあたりを調べに来たんだった。
「…家にも庭にも鉄とか塩とかでしっかり防御してさ。兄貴はボビーのガレージの仕事でも手伝って、時々困ってる人の話を聞いたら狩に行くんだ…」
「あーそりゃ、現実的でいいじゃねーか。ほら、車に乗れ」
「約束だからね…」
「わかったわかった。すぐ病院に行くから、眠るなよ!」

乱暴な口調で僕を心配する兄の声にかぶさるように、インパラの振動が身体に響いてズキズキする。明日にでもボビーの家の近くに物件がないか探してみよう。ディーンが約束を忘れないうちに。僕は少し愉快な気持ちになりながら、家の鍵を見せたらディーンがどんな顔をするのか想像した。

また別の夢に入ったのかもしれないが、これはこれで悪くない。

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