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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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あれれ?(W一家10)

色々ごった煮になってる頭から、今度はW一家がでて来ました。ちょー久しぶりだなあ。
しかも昔です。ディーン10歳、サム6歳。ただの平和なお子様達です。あれれ??

平行して書いてたのは某師匠のコメントから発火した「S6サムでサム副社長、ディーン秘書のリーマンAU」というかけ離れたブツだったのに、ちょっと気分転換に書いたこっちの方が先に終わりました(汗)

カプ要素ないです。ホントに。平和なファミリー風景です。



日曜日の夜。
ウィンチェスター一家はリビングでくつろぎ、10歳になるディーンは宿題をしていた。
「何を描くんだ?」
珍しく(ホントに珍しく)じっとテーブルに向かう姿に、テレビを見ていたジョンが振り返った。
「クリスマス会に使う話の最初の場面を描くんだ」
ディーンは鉛筆を握って考え込んでいる。
「草原の中に家があって、女の人がいるんだけど・・・」
言いながら熱心に鉛筆を動かしている。
受胎告知か?それとも東洋の三博士の絵か?
覗き込むと〇と-で構成された物体が。

 〇
 |
 ∥

「・・・・・・・」
沈黙するジョン。
どう?と言うように父の顔を見上げるディーン。
そう。ディーンは活発で明るくて元気な少年だが、絵心はどうもない。
「・・・・・女の人なら、スカートを履いた方がよくないか」
父としても少しくらい手を貸してやりたくなってしまうではないか。

父はちょっとだけ線を付け足した。

   〇
/|\
/∥\

「うーん・・・」
ディーンがいまひとつ、と言った感じの声を出す。無理もない。
ジョンは腕のいい整備工で、大工仕事もペンキ塗りも上手だし、さらに凄腕のハンターだったが、絵心は壊滅的にない。
多分ディーンの絵心はジョンの遺伝だ。

「ダッド、へたー」
突然横から遠慮のない声がした。父と子は石化の呪文でもかけられたかのように固まる。
声の主はエレメンタリーに上がったばかりのサムだ。生意気にも2年生用のワークブックを抱えている。
可愛くて賢くて大人しい末っ子は、時々素直すぎるもの言いをするのが困ったところだった。

「・・・そうだな、サム。確かにお父さんは絵は苦手だ」
大人は辛い。批判的な意見でも事実は認めてみせないといけない。
「だが,魔法陣は上手に描けるぞ」
そしてこの間覚えたばかりの新作をすらすらと描いてみせる。
「わ、すごーい」
途端にサムが目を丸くして感心する。
「ダッド、すっげえ!」
ディーンも声を上げた。そして
「俺も描く!」
と真似をし始める。
「僕も!」
サムもワークブックを放り出して画用紙にかじりついた。
父の立場を無事復権させたところで、ジョンはやれやれとテレビ鑑賞に戻ることにする。
なにか忘れたような気がしたが、ちょうど贔屓のチームが満塁ホームランで逆転したのでそのままゲームに集中してしまった。


翌日夜、ディーンの担任から電話がかかってくる。
『お父さんのお仕事に興味を持つのはいいことですし、ハンターが大切なお仕事だと言うこともわかりますが、宿題はさせてください』
「・・・・申し訳ない」
受胎告知(だった)の最初の場面に描いてあるのが〇と棒で構成させた人間と、親子3人の描いた魔法陣では一言もない。
受話器を握るジョンの後ろでは、『魔法陣を不特定多数の前に晒すなんて!!』と、怒りのオーラを立ち上らせるメアリが仁王立ちになっていた。

 

「神様にお願いしたらきっと絵が上手になるよディーン」
2階の子供部屋では元気のないディーンを、サムが慰めようとしていた。

「神様はいちいち人間のお願いなんか聞かねーよバカサミー。そんなことすんのは悪魔だ悪魔。ダッドが言ってたろ」
「くろすろーどに行かないと、悪魔出ないんでしょ?じゃあ、僕がお願いするよ。かみさま、お兄ちゃんが絵を上手に描ける様にしてあげてくださいって」
サムは窓から星を見上げて手を合わせた。小さい声でなにか祈っている。
ディーンはそんな弟を見る。
くそ生意気だし、もう2年生のワークなんかやって、こまっしゃくれたことばかり言うサム。
『神様』が実在するかは大分怪しいと思っているディーンだったが、自分のために一生懸命になっているサムは可愛かった。
だから、サムの気持ちのためだけでも、とディーンも手を組み、空を見上げた。
神様が、もしいるなら、お願いします。
 

『君が神に祈るとは』
突然声がして、二人は目を丸くする。
「誰だ?」
姿は見えないが、ディーンは咄嗟にサムを背中に庇った。
『私は天使だ』
ふわり、と2階の窓の外に人影が立つ。背中に本当に影のような翼が見えて、ああ、いるんだ。とディーンは思った。
「お祈りをきいて来てくれたの?」
と背中からサムが顔を出す。
『君達が祈っているのが分かって驚いた。だから見に来た』
・・・・どうも願いを叶えに来たのではないらしい。
「ディーンが絵が上手になるようにしてくれる?」
サムが続けるのでディーンは焦る。よくわからない奴に願い事をするなんて危ない。
『そういったことは出来ない。すまない』
ぼんやりした天使は、なんだかその辺の大人のような格好をしていた。そして願いを断られてディーンはほっとする。
『もう行かなければならない。ここに留まり続ける力が今はない』
「・・・なにしに来たんだほんとに」
滅多に本気でお祈りなんかしないが、もしかすると祈る人の前には天使が立つものなんだろうか。明日マムに聞いてみようとディーンは思った。
『では、祝福をしていこう』
そう言って、伸ばされた手が微かに額に触れ、次の瞬間、もう人影は消えていた。



出方と消え方は神秘的だったが、天使の『祝福』はディーンの絵心にはなんの効果もなかった。
10数年後に再びトレンチコートの天使が現れたときのサムのセリフは
「あ。あの役に立たない天使」
だったそうな。

 

おしまい


今回の挑戦は〇と|で人型がブログに載るか?でした。ははは。
学校の先生もハンター認知済み。
何故か天使がしゃしゃり出てきたので、そのままいてもらいました。
子どもの頃からずっと居候でもいいけど、まあ15年後くらいでいいんじゃないかと(笑)肉食べるしこの天使。

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