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海外ドラマの超常現象の兄弟(SD)を中心に、頭の中にほわほわ浮かぶ楽しいことをつぶやく日記です。 二次創作、BL等に流れることも多々ありますので嫌いな方は閲覧をご遠慮くださいませ。
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静かな生活 その後(ムパラ46の無配)

ムパラ46終了しました。
お立ち寄りいただいた皆様ありがとうございました!
どーにもこーにもな無配ですが、うめいても仕方ないのでサクサクアップしますね。
何かいくつも引退した兄弟書いてると、酒場なのかバンカーなのか静かなのかその他なのかわからなくなってきますが、同じ兄弟なので同じになるのは致し方ないとご勘弁ください。
カプになってもならなくても同じような兄弟です。
「静かな生活」が2019年でしたので、5,6年後という感じでございます。




休日の朝は目覚ましが鳴っても寝ていられるのがいい。
 サムはカーテンが朝日にうっすら透けているのを見てからもう一度目を閉じた。今日は特に出かける用事もない。
何をして過ごそうか。今週は忙しくて帰りも遅くなりがちだった。一日ゴロゴロして睡眠時間を補充してもいいし、溜まっているドラマの一気見をしてもいい。来週用の食材をまとめて買っておくと後が楽だけれど、作り置きや片付けまでする気分じゃない。
シーツの中でうとうと考えている間に、ディーンの方が先に起き出したようだった。向かいの部屋のドアが閉まり、階段を降りていく音がする。休日のわりに早起きだ。一緒に暮らしていても食事のタイミングはズレることも多い。休日は特にだ。
(片付けモードじゃないといいなあ)
ゴロリと寝返りをうつ。
ディーンは数ヶ月に一度くらい、やたらと掃除や片づけをする日がある。いいことなのだが、そうなるとサムも付き合わされることは必須だ。
コーヒーを淹れたようで、二階にも香りが漂ってきた。
(起きようかな)
先に起きた時、ディーンは大体二杯分のコーヒーを淹れる。サムが起きればもらうし、起きないときにはディーンの二杯目になる。
「おはようディーン、コーヒーまだある?」
階段を降りながら声をかける。
「ポット」
「ありがと」
テーブルでパンをかじる背中に手をまわし、短く刈り込んだダークブロンドに軽くキスをおとす。
「今日の予定は?」
「特にない」
「最高」
無事にのんびりした休日が過ごせそうだった。

「もう狩りはしない」
と決めた二人だったが、長年の習性を変えるのは結構骨だった。あえて探すことはもちろんしなかったが、ネットやテレビで目に入ってきた気になる事件をスルーするのに意志力がいる。
「この事件誰かやってんのかなあ…」
「我慢だよディーン。僕らが動くと単純な狩じゃすまなくなるからね」
「分かってるって」
「……あ、でもこれあれじゃないのかな。普通の狼男と思わせて違う奴」
「やめとけサミー。調べちまうとほっときづらくなるぞ」
「そうだよね。うう、気になる」
自分たちの周辺に限定すれば、超常現象にあたることはそうそう無いのだが、世の中ネット社会だ。
気になる事件を見つけると、ハンター時代に情報収集していたサイトに投稿するまでが、今の二人の許容範囲になっていた。

狩の習慣や義務感を捨てるのにはいまだに苦労していたが、日常の生活の方はまあまあ順調だった。同じ街に住み続け、サムは一回転職した。ディーンの方は同じ店で仕事を続けていて、いつのまにか副店長だ。休日もずれることがあるのだが、今週は揃って週末が休みだった。

お互いやる気がなかったので、のんびりと午後まで過ごし、夜は外で食おうと近所の店に行った。週末の店内は五分の入りだ。地元の固定客が多い店で、酒も食事も出す。
「二人で来るのは久しぶりじゃない」
バーテンに言われてサムは笑う。
「そういえばそうかもね」
「あんたたち、よく喧嘩するもんねえ」
「かもな」
カウンターに並んだディーンも肩をすくめる。
「逆にみんな感心してるのよ。あれだけ喧嘩が多いのに別れないのはすごいって」
「「ははは」」
感心されて二人して笑う。
この町で暮らし始めて数年。実のところ、二人は何度も別れている。ただパートナーを解消しても「兄弟」として一緒に住んでいたので、周囲からは続いているように見えたらしい。別れている間にディーンは三度ほど浮気をし、サムは二回家出をした。だがディーンの浮気はドライブに行った遠い街でのことだったし、サムの家出は周囲に出張だと思われていた。
喧嘩をしたときに「もうやめよう」とどちらかが言い出し、何かのきっかけで戻る。時々喧嘩のあと次第に怒りが鎮火してくると今がどっちだったか忘れ、何かの拍子でキスをして相手に「今は違うぞ」と言われることもあった。
今は間違いなくパートナーだ。
「褒められたと思うべき?」
サムはディーンの肩をちょっと抱き寄せて尋ねる。こういうことが堂々とできるのがオープンにしている良さだ。ディーンも慣れたもので、
「どいつもこいつも良く見てるもんだぜ」
と肩を抱かれたままぼやいている。これが喧嘩をしているときだと、並んでいてもお互い口もきかない。

「よう」
後ろから声をかけられて振り返ると、見知った顔が並んでいた。同年代の面々は町の有志で作る消防団だ。ディーンも少し前にメンバーに加わっていた。
「なんだ、ぞろぞろいるな」
「お前らもこっちに来るか?」
「今日はパス」
「またね」
一緒に飲むかと誘われるのを軽く断る。
町の中で火事があったときに消火や救助を手伝ったのがきっかけで話すようになったが、最初はけっこうギクシャクした。メンバーの大半がこの町の出身者で、考え方も保守的だ。サムだったら面倒で絶対に近づかない。
「ディーンはいつの間にかなじんだよね」
「そりゃお前、俺は喧嘩も強いし、銃も運転も上手いし」
ニヤつく顔から察するに、何か拳で語り合う的なやりとりがあったらしい。
「高校までならまだわかるけどいい年した大人がそれ?」
「女にモテた数も俺が最高だし」
「ますます最低」
「ちなみにお前は仕事のわりに関節技のキレがいいということでランクが上がった」
ディーンとパートナーというのでサムには一時期やたらと当たりが強かったが、絡んできた相手の腕をうるさいなとねじり上げたら、その後扱いが変わった。
「まじで脳筋すぎる」
とはいうものの消防士はディーンが子供の頃なりたかった職業の一つだ。
「でも人助けをするヒーローなんだよね」
「普段は飲んだくれててもな」
そう言うディーンが嬉しそうなので、サムも嫌味を言いつつ良かったなと思ってはいるのだった。

「あれ」
そんな脳筋な集団の中に、見覚えのある顔がいた。ハンターだ。お互い顔を知っているくらいで仕事をしたことはない。サムとディーンはとっさに視線を合わせる。
「なんだ、知り合いか?」
「さあ」
「どこかで会ったっけ」
相手の設定もわからないので遠慮なく他人のふりをする。
「記者だってよ」
「へえ」
聞き込みか、魔物がこの街にいるのか。またもウズウズしてきた二人は腕をつねり合ったり、カウンターの下で相手の脛を蹴飛ばしあって耐えろ我慢だと励まし合っていたのだが、事情を知らない周囲からは、
「今日もいちゃついてんなあ」
と大きな誤解をを受けることになった。

幸いハンターは人前で二人に絡んでくることはなく、帰り際にそっとちいさな声で囁いてきた。 
「いやあ、驚いたぜ。お前らが引退したってのは聞いてたけどな」
「まあな」
「てっきり兄弟だと思ってたぜ」
「……」
 そっちか。
時代だなあ、気が付かなかったなあ、とやたらと感心して去っていくハンターを見送る。
「………おい、あの野郎、昔ダッドと仕事したことあるって言ってたよな」
「覚えてないけど、僕らが車に乗ってるのも見たらしいね」
「……それで信じるのがすげえな」
「だよねえ」
なぜ納得するのか問いただしたいが、するわけにはいかない。何の事件を調べているのかも気になるが、訊くわけにはいかない。
「飲むか」
「飲もう」
二人はその後カウンターでウィスキーをやたらと飲み、フロアで始まったダンスタイムに混ざってチークを踊り、バーテンにタクシーを呼んでもらって家に帰った。

そして翌朝は週明けだ。サムは、
「うう、気持ち悪い」
と呻きながらネクタイを締め、ディーンは、
「何であんなもん踊ったんだ、あんなとこで」
と自分に呆然としながらコーヒーをいつもの倍量飲んだ。
この数年は人間を救ってもいないし、命がけで戦ってもいないのに、やっぱりストレスはある。
 それでも年に一回世界の命運を背負っていた頃に比べれば、ずいぶんと静かな生活だ。
ーーーーーーーー
   
というわけでその後の二人の近況報告でした!
もうそれだけ。もらってくれてありがとうございます。おくら
2025.03.29

最初は店のチークタイムで踊る他のカップルを見てて、ふと自分もサムと踊りたいなとディーンが思って、でもさすがにそりゃねーわと思いつつ消防団の連中と飲んだりしてて、結局酔っぱらって帰ってから自宅で踊って、柄じゃねーなと笑うんですが、サムに
「酔っぱらうと良く店で踊ってるじゃん」
と言われてぎゃーとなる、というネタだったのですが、書き出す頃には「なんでそんなネタで行けると思ったんだ私!?」という心境になって上記の物になり、帰ってきていま打ちながら、
(別に今更最初のネタでもよかったんでは…)という気になりかけています。
オタクゴコロって不思議…
まあ生き延びてるだけえらい!(うっ心の古傷が……)

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