さて、かつてないほど全くネタを書かずに中華BL読破に励んだ8月から9月が過ぎました。
ムパラに受かるかはわかりませんが、もう本気でリハビリです。天使と天使の子とハンター兄弟と吸血鬼の同居ネタはなかなか浮かんでこないので、もうとりあえず過去ネタとかぶっても気にせず、ネタだしのリハビリをいたします。
えー。
若いころの兄貴が最終回後のサミと会う。(好きなので何度でもやる)
「………」
ふいに光ったと思ったら、膝の上に見るはずのない見慣れた顔があった。
「……………ディーン?」
「誰だお前」
丸くなっていた瞳が、名前を呼ばれたとたんに警戒感を露わにしかめられる。
ああ、懐かしいなあ。
昔はひどくきつく見えて、怖い顔だと思っていたその表情が、今となるとただただ懸命でかわいらしく見えるから意識の変化というのは恐ろしい。
「僕はサム。サム・ウィンチェスター」
驚いたように開かれた口が、何か言う前に被せる。
「今は2030年の11月だよ」
話しながらもベルトから銃を引き抜こうとする相手の手を抑える。
「危ないからよしてくれ」
強く逞しい腕だと思っていたのに、つかんだ手首は記憶よりもほっそりしているし、動きもひどく隙が多い。荒事からはめっきり遠くなっているサムでも余裕で封じられるほどだ。
「まず落ち着いて。事情を話してくれディーン。元の世界に帰る方法を探すから」
妙な世界や違う時代に飛ばされたことは何度もある。
我ながら落ち着いて頼もしい、しかも親切な話し方だと思うのだが、目の前にある顔は一向に警戒を解こうとしない。
「ふざけるなよてめえ」
つかまれた腕を外そうとしながらディーンが唸る。
あ、若くてもこの表情はなかなか迫力があるな、とのんきに思った瞬間、強烈な頭突きが来た。
文字通り火花が散る。
「…いったいな!!何すんだよこっちが親切に話してるのに!」
思わず本気で怒鳴ってしまった。しかしつかんだ腕はなんとか離さない。飛びのきざま撃たれてはかなわないからだ。臨機応変な格闘センスは結構だが、今のディーンはどちらかというと興奮した猫のようだ。
「何が親切だこの野郎!」
懐かしい碧の目が灯りの下できらめく。
「さっきからべたべた触りやがって、手を離せ」
「え」
言われて見下ろすと、銃をとらせまいと抑えている反対側の手がディーンの腰にしっかり回って引き寄せている。
「膝の上にいるから、つい習慣で」
「そんな習慣ねえよ!」
「うん、まあね」
その頃は確かになかったね。というセリフをサムはごくんと飲み込んだ。
・・・・・・
いかん。なんかわか兄貴がかわいこちゃんのようになっとる。
だけど最終話後に若兄貴なんか紛れ込んできたら、サミ大変だろうな…返したくないかもな。
[10回]
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