えー。7月中に脱月刊を目指したいのでもう一回くらい小ネタをがんばろう。
超超定番のネタ。皆様きっと一回はこういうネタをお読みになったことがあると思います。私もあります。大好きでした。「呪文にひっかかって気が付いたらそーいうことになっていた兄弟」ネタ。
頭の中はぐちゃぐちゃだった。
考えていたことは奥まで突きあげることとそのスピードを早めることだけだ。両手で掴んだ筋肉の感触を確かめる。
汗の浮かんだ腰から背中に手を滑らせ、突っ伏していた身体を半ば無理矢理引き起こした。振り返らせると潤んだ碧の目が見開かれる。
そして二人は固まった。
「……ディーン?」
仕事柄色んな呪いに引っかかってきたがこれは酷い。なにせことの真っ最中だ。
サムはまさに頭から冷水をかけられた気分でそう思った。何がどうしてこうなったのかさっぱりわからないが、とりあえず慌てて身体を離そうとして思わぬ抵抗に合う。というか抜けない。ぎょっとして見下ろすと、ディーンが真っ青な顔をして身体をこわばらせていた。
「……な…」
何か言おうと開かれた口も、言葉が出ないまま無意味な開閉を繰り返す。
それはそうだ、サム以上にディーンにとっては状況自体が有り得ない。
さすがにこの体勢で相手に落ち着けと言うのは無理だった。
「ディーン、息吐ける?」
意識してそうっと声をかける。ディーンはサムの顔を見ないまま、だが細く息を吐いた。
少し締め付けが緩む。少し背中のこわばりが和らいだような気がしてサムは何となくほっとした。
追いかけていた魔物に足どめのスペルをかけられたらしい。
他人を巻き込まなくて幸いだったと思うべきかもしれないが、それにしたってあんまりだ。
その後魔物は見つけ出してきっちり始末をつけたものの、あれ以来気楽だったモーテルの室内が、異様な緊張に満ちている。
「どうせなら終わってから正気に返ればよかったのに…」
パソコンを見ながらサムが呟くと、向かいで携帯をいじっていたディーンがぎょっとしたような顔をした。どうもあれ以来全体的にぴりぴりしている。特にサムの言動への反応は過敏なほどだ。
だが。
(………あれ?)
先ほどの自分の呟きは変だっただろうか。
サムは画面を見ながら固まった。
時間切れなのでここまで。
テーマはピンクだけれども直接的単語は使わない、でした。
古典とも言うべき鉄板ネタなのに軽やかにならない…
でも事故的に始まるSDって定番ですよね!
[17回]
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